第九話　激憎の復讐者　作：海馬マジック

「行きましょう石崎君」
「ああ」

僕、服部英一と石崎君は向こうの廊下へ行った矢野内君らを追いかけることにした。
宙に浮いていたブラック・マジシャン・ガールのような人のことも気になる．．．。
都市伝説でいう精霊？

．．．フッ。否定しませんよ。
僕はそういうオカルト話が大好きですから。
あの二人に後をコッソリつけていれば何か分かるかもしれない。

僕の夢はデュエルアカデミアでオカルト研究部を発展させること！
遊戯王のアイドル「ブラック・マジシャン・ガール」の精霊を利用して、たくさん部員を増やすのです！

矢野内たちを尾行する者は二人。
石崎と服部。

彼らは気付かなかった。
二人の女子がいないことに．．．。


　　＊

「ここです」

ブラック・マジシャン・ガールに案内されてきた場所は．．．屋上へと続く扉。
外にいるのか．．．？

「私の力で開けます。少し離れていてください」

そう言い、ブラック・マジシャン・ガールは訳の分からない呪文を唱えた。

「これで開けれます。覚悟はいいですか？この先に原因を作った精霊がいますけど．．．」
「こんなとこで缶詰状態はごめんだ。その元凶をどうにかしないと．．．」

〝ガチャ〟

勢いよくドアを開けた。すると、


「あああぁぁぁーーー！！！」


いきなり悲鳴。
それどころか、扉を開けたすぐ目の前に少女の首。こっちを向いている。

「うぎゃぁぁーーー！！」

俺はびっくりしてコケた。
よく見ると、同じクラスの岸壁(きしかべ)有沙(ありさ)！
和野部と同じグループの女子だった！

もう一人いた！身体と首は繋がっているが、身体の不規則な曲り様！
和野部グループの池間(いけま)直美(なおみ)だ！

「ヵ．．．かかか．．．が！」

直美は謎の声を出した後、血を吐いて動かなくなった。

「ひ．．．ひどい惨状だ．．．」

こんなひどいことを誰が．．．。

「気を付けてください！他にもだれかいます！」

ブラック・マジシャン・ガールの一声で我にかえった。
ど．．．どこに！いた！
フェンスの角に近い場所に一人の男が立っていた。
３年３組の秀才　坂田(さかた)和俊(かずとし)！

「お前が．．．やったのか！坂田！」

坂田はゆっくりこっちを振り向いた。

「あれ．．．？関係のないヤツまでここにいる」
「どういうことだ！坂田！」
「．．．まぁ、いいや。君たちにもコイツらのしたことを教えてやろう」

そういい、坂田は勝手に一人で喋り始めた。

「君たちは遠藤美咲を知っているかい？」

遠藤．．．屋上から飛び降りた３年５組の生徒。
なんで遠藤のことを．．．。

「僕と遠藤は付き合っていた。」

．．．マジかよ。

「遠藤は僕が裁いた４人の悪魔にいじめられていた。和野部、涼、岸壁、池間の４人」

悪魔．．．。

「くだらない嫉妬心で美咲を死に追いやった！和野部はプールに沈ませて、苦しみ悶え死なせた。涼、岸壁は生きたまま胴体をバラバラにして死なせた。池間は生きたまま身体の骨をハンマーで叩きまくって死なせた．．．それでも、僕の怒りは収まらない！！」

坂田の眼は獣のような瞳をしていた。

「はぁはぁ．．．お前らもだ！見て見ぬふりしやがって！！殺してやるぅ！！」