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HOME　＞　遊戯王SS一覧　＞　2-5 骨の王への道

2-5 骨の王への道　作：霧雨

なんだかんだで、スカルライダー一味をひたすらなぎ倒していた俺、新峠 遊は、特に苦労することもなくいかにも親玉がいそうな扉の前に来ていた。

…躊躇しても仕方ない。乗り込もう。

そう思って扉に手をかけたら、どうやら向こうから開けてきたようだ。

遊「なぜそっちから開けてくる？気付いていたのか？」
？「まあな。それなりの規模でやらせてもらっているから、監視カメラは至る所に置いてある」
遊「ほう。あの品のない連中の親玉にしては、随分と落ち着いているな」
？「親玉？とんでもない。俺は単なる手下だ。そういう意味では、お前の言う品のない連中と大して変わらないレベルというわけさ」
遊「大して変わらないだと？なら、少しは違うのか？」
？「まあ、少しはな」
遊「何者だ？雰囲気だけなら、こんなところにいるのが似合わないような人間に見えるが」

そう。こいつは恐らく外国人。目が釘付けになるような金髪に白い肌。身長は190cmはあるだろう。日本語こそペラペラだが、これで純粋な日本人だと言われた方が嘘だ。

？「気になるか？」
遊「気にしてやるよ」
レッシュ「レッシュ、とでも呼んでくれ」

なるほど。やはり外国人か。

遊「レッシュよ。お前のことは気になるがこちらも仕事でね。親玉はどこにいる？」
レッシュ「さあな」
遊「とぼけるな。監視カメラがあると言っていただろう。それとも、お出かけ中とでも言うつもりか？」
レッシュ「おい、仮にも俺は手下だぞ。仮に知っていたとして、簡単にスカルライダー・キング様の居場所をハンターなどに言うと思うか？」
遊「言わなければデュエルで決着をつけるまでだ」

まあ、デュエルなんかで決着をつけてそれが何になるのか。3年前ならどうにもならなかったことだ。しかしこのレッシュという男、いやに仰々しく「スカルライダー・キング様」などと呼ぶ。わざとらしい。

レッシュ「望むところと言いたいが、今の俺ではお前とまともなデュエルが成立しないだろう。愛用のデッキが手元にないものでね。俺はまだ、闇のデュエルなんかでデュエルできなくなるわけにはいかんのだ」
遊「そちらの事情など関係なく強制的に闇のデュエルを執行することもできる。脅したくはないがこちらも仕事だ。スカルライダー・キング様の居場所を教えるなら闇のデュエルだけは見逃してやる」
レッシュ「ふう…。仕方ない。俺もそろそろこんな組織で右腕をやっているのも飽きていたところだ。キングのところに案内してやろう」

そう言って、監視カメラのモニターの奥にある戸棚を動かして、隠し通路へと入っていった。
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