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③:カードの効果が発動した場合発動できる 作:szmt
「おーい、そこの!大丈夫か!」
見渡す限り瓦礫の廃墟で、呼ぶ声が聞こえた。近づいてみれば、手をぶんぶんと振っている男性が。何だろうか。油断も隙もあり放題だ。
「無事か!ここら辺は瓦礫も不安定で崩壊も結構起きやすいんだ。アンタ、名前は?」
「ユウシだ。なあ、妹を……ユミを知らないか?探しているんだ……」
「ふむ、ユウシ……それにユミ、か。すまないな、俺の聞いた名じゃなさそうだな。アジトだったら知っているやつもいるかもしれないが……ああ、自己紹介を忘れていた。俺はー、あー、カイだ。」
「甲斐田<カイダ>?」
「違う違う。カイ。皆からそう呼ばれてるからな。変にフルネームで紹介するよりそのほうがいいだろ?もしくはリーダー。」
「リーダー、アジト、ということは何かの組織か?」
「そ、にっくき”黒理”の奴らをぶっ飛ばす為に集まってんだ。こんなところで話すのもなんだ、いったんうちに……と、そう簡単に話を進めてはくれなさそうだ」
そこまで話したところで、カイが辺りを見渡す。何事かとユウシも辺りを見渡す。何も不自然な点はないが……
「な、出て来いよ。そこにいるのはわかってんだぜ?黒理の手下ども。」
そうカイが言い放つと、瓦礫の影から二人の男が出てきた。
「ばれていたとはな……だが都合がいい。リーダー、カイ。貴様を我らへの反逆罪によって拘束させてもらおうか」
黒い外套を羽織った、これまた黒い制服の二人。おそらく、こいつらがさっきカイが言っていた”黒理”……ならば、妹の。そう思って出た腕を、がしりとカイにつかまれる。
「な、ユウシ。見たところアンタ自身はこいつらとのしがらみもないだろ?ここは俺に任せてくれ。」
「だ、だが……」
「大丈夫大丈夫、こいつらの狙いは俺だしな。あー、座標を送る。行って名前を出してくれればわかるハズだ。ほら、いったいった。それに、俺は結構強いんだぜ?」
「あ、ああ……」
その言葉を受け、1枚のカードを受け取ってから戸惑いその場を去るユウシ。彼をわざと見逃し、男たちはにやにやと笑う。
「さっすがリーダー様だ、自己犠牲の精神だねえ。ま、組織の場所なんて後からじっくり探せるしな。」
「調子乗って俺たちに負けたらクッソダサいぜ、アンタ」
「ふん、口だけか?ほら、かかってきな!」
「「「デュエル!」」」
カイ LP8000
VS
黒理の手下1
黒理の手下2 LP8000
「先行は俺達が貰った!」
「なっ……」
「俺は、鉄鎖蛇<チェインスネーク>を召喚!効果を発動し、それにチェーンして手札の鉄鎖犬<チェインドッグ>を特殊召喚!」
「こっちの効果も連鎖するぜ!チェーンして手札の鉄鎖蛇<チェインスネーク>を特殊召喚!更にチェーンして鉄鎖猫<チェインキャット>!」
「ナイスだ相棒!鉄鎖<チェイン>カードのチェーンが三つ以上積まれた時、手札のコイツは特殊召喚できる!降臨せよ!拘束せよ!そして、全てを破壊せよ!拘束鉄鎖竜<バインド・チェイン・ドラゴン>!ふはは!これでアンタは身動きも取れないな!おっと、鉄鎖蛇の効果を忘れていたか。デッキからチェインモンスター1体をサーチ。二枚伏せてターンエンド!」
次々に現れるのは、鉄の鎖を纏った動物たち。ギャリギャリと地面に鎖を引きずって不快な音を立てながら、次々と、まるで後続が引っ張られるかのように出てくる。そうして、最後に出てきたのは、まるで自らが鎖で拘束されているような巨大な龍。巨大な咆哮は金属音が混じり、かなり耳に響く。思わずしかめっ面になるカイだが、それでもまだ自信は満々のようだ。
拘束鉄鎖竜<バインド・チェイン・ドラゴン> ☆8 地 ドラゴン族 ATK2800 DEF2800 表攻
EFFECT
①:「鉄鎖」カードによるチェーンが三つ以上積まれた場合発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②:???
TURN 2 PLAYER:カイ
カイ LP8000
モンスター:無し
魔法罠:無し
墓地:無し
VS
黒理の手下1
黒理の手下2 LP8000
モンスター:鉄鎖蛇 鉄鎖犬 鉄鎖蛇 拘束鉄鎖竜
魔法罠:2枚
墓地:無し
「おうおう、いきなり飛ばしてくるねえ。俺のターン、ドロー!……んじゃ、やらせてもらおうか。俺は同胞団<シンジゲート> 探検のエクスを召喚!」
後ろで聞こえる咆哮。おせっかいとしか言いようがないし、1vs2のデュエルは、あの人……カイだったか。彼には悪いが正直勝ち目は薄い。デュエルディスクを構え、貰ったカードを差し込む。座標とか言いながらカードを渡されてもよくわからないし、カードには何も書かれていないのだが、やれるのはこのぐらい……
ヴォンとソリッドヴィジョンの音。現れたのは、2dのマップ。大量の瓦礫の中、黄色く光る点はYOUと書かれており、その先で白い点でKOKO!と書かれている。
「なんというか……とりあえず、罠ではないだろうし、行くとしようか」
全く、何が何だかわからなかった。正直知らない街である(というか瓦礫だらけだし)し、すぐにでも妹を助けないといけない。さっきカイが言っていた黒理というのも気になる。恐らく……というか十中八九、それはあの黒衣の女と関係があるだろう。つまり、切羽詰まっている状況でもないし、わざわざする必要はないと思うのだが……
歩くとYOUの文字が動く。このカードを奪われたらもう一巻の終わりなのに、どうして見も知らぬ自分なんかに安易に渡したのだろう。それほどまでにリーダーがお人よしでいいのかと首をかしげつつ、目的地に着いた。見渡す限りでは何の変りもない瓦礫の山。どうしようかと思案していると、女性が声をかけてきた。
「あ、おーい。こんなところで突っ立ってどうしたのさ?」
「いいや。あー、カイというヤツを知っているか?」
「カイ?……その名前を、何処で知ったの?答えによっては……」
ジャキと構えるデュエルディスク。声をかけてきた時と雰囲気が一瞬で切り替わり、思わず冷や汗をかく。どう誤魔化そうか。いや、なにもやましいことはしていない。ありのまま話せばいいのだ。……多分。
「ええと。なんというか……向うで知り合った?このカードもくれたんだが。」
そういってディスクに挿していたカードを抜き、渡す。多分、これで伝わるはず。
「リーダーが?これを?……ま、嘘じゃなさそうかな。いいよ、ついてきな。」
そうやって瓦礫の中をスイスイと歩いていく。巧妙に隠されて気が付かなかったが、うまく隠された地下への入り口になっている。関心しながらカンテラを持った女性に誘導されて中を歩く。
「ま、今回はお客様用の場所だからね。アンタがウチらの仲間になるってんなら、また本拠地へ招待するよ。」
なんて話を聞いていると、開けた場所に出た。そこは小さなバーのような場所で、入るとすでに先客がいた。
「よう、ソイツは?」
「リーダーが見つけてきたらしいよ。ところでクーは?」
「クー?アイツの事だ。またどっかに遊びに行ってるんだろ。ったく……ああ、自己紹介だな。俺はハル。よろしく」
「んで、私がタリア。アンタは?」
「俺はユウシだ。なあ、妹を知らないか?ユミっていうんだ。」
「待て待て、落ち着け。な?まずはこっちの質問からだ。うちのリーダーはお人よしだが見る眼を持ってる。だが、ここに来るまでの経緯を話してくれないか?」
「ああ……といっても簡単だ。目の前で黒衣の女に妹を攫われて、気絶して、目覚めたら牢獄で、出てきたらすぐそこだった。」
「黒衣の……?おい、それはいつだったか覚えてるだろうな?」
「ああ、忘れもしない。妹の誕生日の次の日だったからな。9月12日だ。今は何月なんだ?」
「そうか……今は10月16日。お前の言っていることが正しければ、一か月は経っていたことになる。牢獄……なあ、タリア、ここらへんで牢獄って」
「一つに決まってんでしょ。黒理への反逆者を放り込む牢獄。だいたいが本拠地送りにされてもう空っぽって聞いてたけど……ま、ともかく決まりね、黒衣の女ってヤツに攫われたんでしょ?ソイツも黒理よ。アンタの妹さんも黒理に捕まったってワケ。」
「なっ、なら!」
タリアがため息をつく。言ったとたん、彼の目が変わった。きっとこのままだと、何もしなくても無理やり突き進んで黒理の本拠地まで行って、(彼の腕前がどうであれ)数に押しつぶされてあえなく牢獄行きだろう。なんとなく、リーダーがこっちによこした理由がわかった気がした。
「はいはい落ち着いて。どうせアンタ一人じゃ無理だし、私たちも黒理を潰すためにこう集まってるんだから。行く当てもないんなら、うちに居なよ。リーダーがアンタをここに入れたのは、きっとそういうこと。」
「だが……ああ、そうだ!そのリーダー、カイは大丈夫なのか!?わざわざしなくてもいい1vs2を……その黒理とかいう連中に仕掛けていったんだ。」
そうユウシが言うと、次はタリアだけでなくハルまでもため息をつく。またか、と。
「あー、どうせ大丈夫だ。」
肩を竦める。ハルは知っている。一見そんなに何も考えていなさそうなリーダーだが、その眼は確かに本物であるし。
「俺は全員でダイレクトアタック!効果発動、攻撃力分ダメージを与える!」
「クソ!なんだよテメェ!ライフも手札も減らねぇし、この……!」
黒理の手下1
黒理の手下2 LP1200 ≫ LP0
「これでよしっと。あ、ハルから連絡。何々?お、ユウシはちゃんと辿り着けたのか!そりゃあよかった。」
「リーダーの……アイツのデュエルの腕は、俺たちが保証するよ。ようこそ、レジスタンスへ。」
かつて名だたる大会を総なめして、表彰台で盛大にドヤ顔を決めたリーダーを思い出して、苦笑した。
――カードについて
「鉄鎖(チェイン)」カテゴリー
ゴヨウとか、アンティークギアみたいな、黒理のmobが使う汎用(汎用?)カテゴリー。横に並べる感じの奴ら。完全に発想のもとは古代の機械。「C(チェーン)」とは関係ない。
「鉄鎖蛇(チェインスネイク)」「鉄鎖犬(チェインドック)「鉄鎖猫(チェインキャット)」
☆3 地 機械族 ATK1200 DEF1300
①:このカードの召喚成功時に発動できる。(固有効果)
②:このカードが手札に存在し、「鉄鎖」カードの効果が発動した場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
水増し要員。①はそれぞれ違うが、サーチ、サルベージ、ドロー。基本的に黒理のmobが出てきた時はこいつらが出てくる。多分ランク3出したほうが早い。
「拘束鉄鎖竜<バインド・チェイン・ドラゴン>」
☆8 地 ドラゴン族 ATK2800 DEF2800
①:「鉄鎖」カードによるチェーンが三つ以上積まれた場合発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②:???
描写がカットされた切り札君。②の効果はまたいつか。
――あとがき
全部オリカ新規にするって変な縛りするのダメだね。
考えるのにいっぱい時間かかっちゃう。
見渡す限り瓦礫の廃墟で、呼ぶ声が聞こえた。近づいてみれば、手をぶんぶんと振っている男性が。何だろうか。油断も隙もあり放題だ。
「無事か!ここら辺は瓦礫も不安定で崩壊も結構起きやすいんだ。アンタ、名前は?」
「ユウシだ。なあ、妹を……ユミを知らないか?探しているんだ……」
「ふむ、ユウシ……それにユミ、か。すまないな、俺の聞いた名じゃなさそうだな。アジトだったら知っているやつもいるかもしれないが……ああ、自己紹介を忘れていた。俺はー、あー、カイだ。」
「甲斐田<カイダ>?」
「違う違う。カイ。皆からそう呼ばれてるからな。変にフルネームで紹介するよりそのほうがいいだろ?もしくはリーダー。」
「リーダー、アジト、ということは何かの組織か?」
「そ、にっくき”黒理”の奴らをぶっ飛ばす為に集まってんだ。こんなところで話すのもなんだ、いったんうちに……と、そう簡単に話を進めてはくれなさそうだ」
そこまで話したところで、カイが辺りを見渡す。何事かとユウシも辺りを見渡す。何も不自然な点はないが……
「な、出て来いよ。そこにいるのはわかってんだぜ?黒理の手下ども。」
そうカイが言い放つと、瓦礫の影から二人の男が出てきた。
「ばれていたとはな……だが都合がいい。リーダー、カイ。貴様を我らへの反逆罪によって拘束させてもらおうか」
黒い外套を羽織った、これまた黒い制服の二人。おそらく、こいつらがさっきカイが言っていた”黒理”……ならば、妹の。そう思って出た腕を、がしりとカイにつかまれる。
「な、ユウシ。見たところアンタ自身はこいつらとのしがらみもないだろ?ここは俺に任せてくれ。」
「だ、だが……」
「大丈夫大丈夫、こいつらの狙いは俺だしな。あー、座標を送る。行って名前を出してくれればわかるハズだ。ほら、いったいった。それに、俺は結構強いんだぜ?」
「あ、ああ……」
その言葉を受け、1枚のカードを受け取ってから戸惑いその場を去るユウシ。彼をわざと見逃し、男たちはにやにやと笑う。
「さっすがリーダー様だ、自己犠牲の精神だねえ。ま、組織の場所なんて後からじっくり探せるしな。」
「調子乗って俺たちに負けたらクッソダサいぜ、アンタ」
「ふん、口だけか?ほら、かかってきな!」
「「「デュエル!」」」
カイ LP8000
VS
黒理の手下1
黒理の手下2 LP8000
「先行は俺達が貰った!」
「なっ……」
「俺は、鉄鎖蛇<チェインスネーク>を召喚!効果を発動し、それにチェーンして手札の鉄鎖犬<チェインドッグ>を特殊召喚!」
「こっちの効果も連鎖するぜ!チェーンして手札の鉄鎖蛇<チェインスネーク>を特殊召喚!更にチェーンして鉄鎖猫<チェインキャット>!」
「ナイスだ相棒!鉄鎖<チェイン>カードのチェーンが三つ以上積まれた時、手札のコイツは特殊召喚できる!降臨せよ!拘束せよ!そして、全てを破壊せよ!拘束鉄鎖竜<バインド・チェイン・ドラゴン>!ふはは!これでアンタは身動きも取れないな!おっと、鉄鎖蛇の効果を忘れていたか。デッキからチェインモンスター1体をサーチ。二枚伏せてターンエンド!」
次々に現れるのは、鉄の鎖を纏った動物たち。ギャリギャリと地面に鎖を引きずって不快な音を立てながら、次々と、まるで後続が引っ張られるかのように出てくる。そうして、最後に出てきたのは、まるで自らが鎖で拘束されているような巨大な龍。巨大な咆哮は金属音が混じり、かなり耳に響く。思わずしかめっ面になるカイだが、それでもまだ自信は満々のようだ。
拘束鉄鎖竜<バインド・チェイン・ドラゴン> ☆8 地 ドラゴン族 ATK2800 DEF2800 表攻
EFFECT
①:「鉄鎖」カードによるチェーンが三つ以上積まれた場合発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②:???
TURN 2 PLAYER:カイ
カイ LP8000
モンスター:無し
魔法罠:無し
墓地:無し
VS
黒理の手下1
黒理の手下2 LP8000
モンスター:鉄鎖蛇 鉄鎖犬 鉄鎖蛇 拘束鉄鎖竜
魔法罠:2枚
墓地:無し
「おうおう、いきなり飛ばしてくるねえ。俺のターン、ドロー!……んじゃ、やらせてもらおうか。俺は同胞団<シンジゲート> 探検のエクスを召喚!」
後ろで聞こえる咆哮。おせっかいとしか言いようがないし、1vs2のデュエルは、あの人……カイだったか。彼には悪いが正直勝ち目は薄い。デュエルディスクを構え、貰ったカードを差し込む。座標とか言いながらカードを渡されてもよくわからないし、カードには何も書かれていないのだが、やれるのはこのぐらい……
ヴォンとソリッドヴィジョンの音。現れたのは、2dのマップ。大量の瓦礫の中、黄色く光る点はYOUと書かれており、その先で白い点でKOKO!と書かれている。
「なんというか……とりあえず、罠ではないだろうし、行くとしようか」
全く、何が何だかわからなかった。正直知らない街である(というか瓦礫だらけだし)し、すぐにでも妹を助けないといけない。さっきカイが言っていた黒理というのも気になる。恐らく……というか十中八九、それはあの黒衣の女と関係があるだろう。つまり、切羽詰まっている状況でもないし、わざわざする必要はないと思うのだが……
歩くとYOUの文字が動く。このカードを奪われたらもう一巻の終わりなのに、どうして見も知らぬ自分なんかに安易に渡したのだろう。それほどまでにリーダーがお人よしでいいのかと首をかしげつつ、目的地に着いた。見渡す限りでは何の変りもない瓦礫の山。どうしようかと思案していると、女性が声をかけてきた。
「あ、おーい。こんなところで突っ立ってどうしたのさ?」
「いいや。あー、カイというヤツを知っているか?」
「カイ?……その名前を、何処で知ったの?答えによっては……」
ジャキと構えるデュエルディスク。声をかけてきた時と雰囲気が一瞬で切り替わり、思わず冷や汗をかく。どう誤魔化そうか。いや、なにもやましいことはしていない。ありのまま話せばいいのだ。……多分。
「ええと。なんというか……向うで知り合った?このカードもくれたんだが。」
そういってディスクに挿していたカードを抜き、渡す。多分、これで伝わるはず。
「リーダーが?これを?……ま、嘘じゃなさそうかな。いいよ、ついてきな。」
そうやって瓦礫の中をスイスイと歩いていく。巧妙に隠されて気が付かなかったが、うまく隠された地下への入り口になっている。関心しながらカンテラを持った女性に誘導されて中を歩く。
「ま、今回はお客様用の場所だからね。アンタがウチらの仲間になるってんなら、また本拠地へ招待するよ。」
なんて話を聞いていると、開けた場所に出た。そこは小さなバーのような場所で、入るとすでに先客がいた。
「よう、ソイツは?」
「リーダーが見つけてきたらしいよ。ところでクーは?」
「クー?アイツの事だ。またどっかに遊びに行ってるんだろ。ったく……ああ、自己紹介だな。俺はハル。よろしく」
「んで、私がタリア。アンタは?」
「俺はユウシだ。なあ、妹を知らないか?ユミっていうんだ。」
「待て待て、落ち着け。な?まずはこっちの質問からだ。うちのリーダーはお人よしだが見る眼を持ってる。だが、ここに来るまでの経緯を話してくれないか?」
「ああ……といっても簡単だ。目の前で黒衣の女に妹を攫われて、気絶して、目覚めたら牢獄で、出てきたらすぐそこだった。」
「黒衣の……?おい、それはいつだったか覚えてるだろうな?」
「ああ、忘れもしない。妹の誕生日の次の日だったからな。9月12日だ。今は何月なんだ?」
「そうか……今は10月16日。お前の言っていることが正しければ、一か月は経っていたことになる。牢獄……なあ、タリア、ここらへんで牢獄って」
「一つに決まってんでしょ。黒理への反逆者を放り込む牢獄。だいたいが本拠地送りにされてもう空っぽって聞いてたけど……ま、ともかく決まりね、黒衣の女ってヤツに攫われたんでしょ?ソイツも黒理よ。アンタの妹さんも黒理に捕まったってワケ。」
「なっ、なら!」
タリアがため息をつく。言ったとたん、彼の目が変わった。きっとこのままだと、何もしなくても無理やり突き進んで黒理の本拠地まで行って、(彼の腕前がどうであれ)数に押しつぶされてあえなく牢獄行きだろう。なんとなく、リーダーがこっちによこした理由がわかった気がした。
「はいはい落ち着いて。どうせアンタ一人じゃ無理だし、私たちも黒理を潰すためにこう集まってるんだから。行く当てもないんなら、うちに居なよ。リーダーがアンタをここに入れたのは、きっとそういうこと。」
「だが……ああ、そうだ!そのリーダー、カイは大丈夫なのか!?わざわざしなくてもいい1vs2を……その黒理とかいう連中に仕掛けていったんだ。」
そうユウシが言うと、次はタリアだけでなくハルまでもため息をつく。またか、と。
「あー、どうせ大丈夫だ。」
肩を竦める。ハルは知っている。一見そんなに何も考えていなさそうなリーダーだが、その眼は確かに本物であるし。
「俺は全員でダイレクトアタック!効果発動、攻撃力分ダメージを与える!」
「クソ!なんだよテメェ!ライフも手札も減らねぇし、この……!」
黒理の手下1
黒理の手下2 LP1200 ≫ LP0
「これでよしっと。あ、ハルから連絡。何々?お、ユウシはちゃんと辿り着けたのか!そりゃあよかった。」
「リーダーの……アイツのデュエルの腕は、俺たちが保証するよ。ようこそ、レジスタンスへ。」
かつて名だたる大会を総なめして、表彰台で盛大にドヤ顔を決めたリーダーを思い出して、苦笑した。
――カードについて
「鉄鎖(チェイン)」カテゴリー
ゴヨウとか、アンティークギアみたいな、黒理のmobが使う汎用(汎用?)カテゴリー。横に並べる感じの奴ら。完全に発想のもとは古代の機械。「C(チェーン)」とは関係ない。
「鉄鎖蛇(チェインスネイク)」「鉄鎖犬(チェインドック)「鉄鎖猫(チェインキャット)」
☆3 地 機械族 ATK1200 DEF1300
①:このカードの召喚成功時に発動できる。(固有効果)
②:このカードが手札に存在し、「鉄鎖」カードの効果が発動した場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
水増し要員。①はそれぞれ違うが、サーチ、サルベージ、ドロー。基本的に黒理のmobが出てきた時はこいつらが出てくる。多分ランク3出したほうが早い。
「拘束鉄鎖竜<バインド・チェイン・ドラゴン>」
☆8 地 ドラゴン族 ATK2800 DEF2800
①:「鉄鎖」カードによるチェーンが三つ以上積まれた場合発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②:???
描写がカットされた切り札君。②の効果はまたいつか。
――あとがき
全部オリカ新規にするって変な縛りするのダメだね。
考えるのにいっぱい時間かかっちゃう。
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レジスタンスときてますますARC-Vっぽい展開になってきましたが、突然別次元からエンタメデュエリストが来て全部解決したりはしない…はず。たぶん。 (2020-11-04 01:16)
エンタメはない……はず。 (2020-11-04 19:55)