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第4話:新生活、始めます 作:カズ
~前回のあらすじ~
初めてのデュエルにして大物悪霊「Dna」を討ち取った遊良。襲われた四阿いつきに正体がバレそうになるが、亜利沙が機転を利かせたおかげで事なきを得た。未極へ帰り、遊良は海神 侑として亜利沙の通う「私立神威高校」に入学することが決まったのだった。
2018年4月6日、遊良改め「海神 侑」は亜利沙の計らいで私立神威高校に入学することとなり、入学式を迎えていた。彼の生活ではもう二度と体験することのないイベントだが、「心ここに非ず」の状態だった。先日、亜利沙から聞かされた話があまりにも衝撃的だったからだ。
─────悪霊退治後─────
「……神、ですか?」
「そうだ。私達死神が悪霊退治を行っているもう1つの理由、それが未極に伝承されている『三明神』の復活だ」
現世に三幻神────「オシリスの天空竜」「ラーの翼神竜」「オベリスクの巨神兵」────の伝説が存在するように、未極にはそれとは異なる神の伝説が存在している。百年単位でこの世界で活動を続けている亜利沙でさえ、種族が現世に存在しない「現人神(あらひとがみ)族」であることしか情報を掴めていないという。脱獄した悪霊の中に三明神の情報を持っているものが存在するのだが、未だに収穫はゼロ。そして、三明神の復活を狙っているのは死神だけではない。
「少年に覚えてもらいたいことがもう1つある。それが地獄の精鋭部隊『閻魔の遣い』だ」
「閻魔……」
「地獄には悪霊以外にも様々な生物が存在する。その中から選抜されたデュエリストをそう呼んでいる。そしてその頂点に君臨する『春夏秋冬 輪廻(ひととせ りんね)』は、私が400年も恨みを抱えている最悪の敵だ」
「400年…!?」
輪廻が仕掛けた呪いによって、亜利沙の魂は天国へ逝けなくなっただけでなく、彼女に勝利しない限り呪いは解けず、半永久的に未極での活動を続けなければならなくなった。それからというもの、亜利沙は輪廻を倒すことを考え生きてきたが、地獄へ赴こうにも200年間の謹慎期間が過ぎた頃には、輪廻が干渉しない限り現世と未極にしか行き来できない程に呪いが強まっていたのだ。
普段は自信に満ちた表情で部下達の指揮を執っている彼女でさえ、輪廻の話題になるとその瞳に陰りが生じる。
「奴等は手強い。だが私達は、早くても半年後には決着をつけようと思っている」
「半年……」
「その時は少年、お前の力が必要になる。堂々と私と肩を並べられる位の立派な死神になってくれよ?」
「押忍!!」
亜利沙もデュエリストとしての実力は充分にある。しかし、全てのデュエルに勝てる者は存在しない。万が一、亜利沙が負けるようなことがあれば閻魔の遣いは未極に甚大な被害をもたらすだろう。そして、現世にも。
───入学式を終えて───
「えっと……4組の教室はここか」
凪 遊良、改め「海神 侑」が入学した「私立神威高校」はデュエル進学校として名高く、1000人以上の生徒が在籍しており、全生徒が「日本青少年デュエル連盟」と呼ばれる組織に加入している。この連盟に加入するための条件は2つあり、最低でも月一でデュエルの公認大会に出場すること、そして何よりデュエルモンスターズを愛してやまないことだ。
辺りを見渡しても、男女問わずオーラだけで強者だと分かるほどの歴戦のデュエリスト達ばかりで、遊良は早くもその雰囲気に呑まれそうになっていた。しかし、彼らと戦うことで実力も確実に底上げできると在学中の亜利沙からのお墨付きも受けていたため、俄然闘志が上がっていた。
「いい男の子……発見……」
その傍ら、遊良の横顔を見ただけで大量の鼻血を吹いて気絶してしまった少女がいた。彼女の名は「奥入 莉奈(おくいり りな)」。ダークブルーのツインテールと赤縁の丸眼鏡が特徴で、身長は亜利沙よりも若干低めの157cm。口数もあまり多くはないが、「美男美女を視認しただけで鼻血もしくは血反吐を出す」という致命的な弱点が存在する。
慌てふためく遊良を尻目に、迅速な手つきで彼女に輸血や清掃を行う2人のおかげで一命を取り留めたが、当の莉奈も必要以上に騒ぎ立てずに「いつもありがと……」と一言お礼を返すだけで終わった。
「ホント、ムッツリーナは変わんないよねー」
「皆ドン引いてるけどー?」
「……大丈夫。すぐに慣れてくれる」
蘇生作業を行っていた男女2名は中学からの友人で、今となっては慣れっこだが、知り合ったばかりの頃は今の遊良と全く同じ反応を見せていた。彼女自身も治せないものかと通院していたのだが、専門医でさえ「これ程強すぎる興奮作用を鎮める薬は現代医学では作れない」とさじを投げてしまったため、担当医の薦めで、いつ出血しても対応出来るように彼女は輸血パックを持ち歩いている。
強いデュエリストはそれ相応に曲者だと亜利沙も言っていたが、文字通り命の危機に晒されている人がいるとは思いもよらなかった。友人の1人、ハート型のブローチを身に付けた「母良田 愛(ほろた まな)」は「すぐに耐性ができるから心配なのは今日だけ」と軽く流していたが、彼女の治療法が1日でも早く見つかることを願うしかない遊良だった。
席について間もなく、遊良に声をかけたクラスメートが現れたが、その顔を見た瞬間、遊良の顔が引きつった。
「ねえ、君って同じクラスになった海神くん……だよね?」
「はい、そうですけど……!?」
「私、四阿 みづき(あずまや-)。お姉ちゃんの知り合いに海神くんとよく似た人がいたから親戚かなって思ったんだけど、人違いだったみたい。ごめんなさい」
「よく似た人……?」
四阿という苗字は遊良の知っている限りでは同級生のいつきしかいないが、彼の予想通り、みづきは彼女の妹だった。いつきに妹がいたことは知っていたが、まさかその彼女が同級生、その上同じクラスに在籍するという巡り合わせは、何という運命の徒だろうか。
その後、担任の樋口先生をはじめに自己紹介が行われ、その日はお開きとなった。
帰路で亜利沙と合流し、誰もいないことを確認した後に今夜退治する予定の悪霊について路地裏で談義していた。その途中、遊良のクラスに四阿みづきが在籍していることを話したが彼女は顔をしかめた。先日出会したいつきの妹であるという点だけでも、悪霊による事件及び死神の存在に真実味が増すばかりか、それを嗅ぎつけた閻魔の遣いが現世に乗り込んでくる可能性が高まるからだ。
「四阿……あの女の血縁者か。どうにか巻き込まないよう尽力するが、霊の類いが見えるとなると……」
「こればっかりは、仕方ないです。ところでホヅミ先輩、どこに向かってるんですか?」
「うむ。現世での新生活を始めるにあたり、私の知り合いが管理しているアパートに少年も住んでもらおうと思っているのだが」
「え゙っ!?」
「何だその声は。少年、仮にも私は女だ。一つ屋根の下などという下劣な考えはキッパリ捨てた方が身のためだぞ」
「下劣……」
神威高校から徒歩10分に位置する2階建てアパート「わたぬき荘」に無事到着したが、新生活を始める記念、というのはあくまでも建前で、本命は現世で緊急事態が発生した場合にいつでも出動できるようにするためだった。
このアパートの管理人は遊良達と同じく魂の拠り所を未極としている青年「四月一日 龍二(わたぬき りゅうじ)」だ。現世では「綿貫 響人(わたぬき ひびと)」として動向を観察しており、滅多なことでは行動を起こさなくなった。亜利沙曰く「相当な気まぐれ」で、最近は亜利沙がパートナーとして連れてきた後輩の成長を見守っている方が楽しいとのことだ。
一癖も二癖もあるクラスメート、悪霊退治、そして亜利沙の知り合いが管理人を務めているアパート。遊良の周りは、今後もトラブルが尽きなさそうだ。
新キャラ紹介
○奥入 莉奈(Rina Okuiri)(人間)(高1・女)
遊良のクラスメート。口数が少ないため考えは殆ど読めず、美男美女を見た瞬間に鼻血もしくは血反吐を吹き出すため、日常的に輸血パックを持ち歩いている。あだ名は「ムッツリーナ」だが、この名前で呼ぶのを許しているのは親友の母良田 愛と花表 弥生だけ。
*個人情報
・生年月日:2003年6月10日
・身長:157cm
・体重:50kg
・スリーサイズ:B83(B) W59 H78
・血液型:A
・使用デッキ:【DD】
○母良田 愛(Mana Horota)(人間)(高1・女)
莉奈の友人であり、彼女のあだ名「ムッツリーナ」の命名者。莉奈と同じ高校に通うため勉学とデュエルの両方に励み、現在に至る。本校の生徒会長の大ファンで、愛読書は「櫻の樹の下には」。
*個人情報
・生年月日:2004年3月24日
・年齢:15
・身長:162cm
・体重:53kg
・スリーサイズ:B77(AA) W59 H79
・血液型:A
・使用デッキ:【@イグニスター】
○花表 弥生(Yayoi Torii)(人間)(高1・男)
莉奈・愛の友人。生け花界では名高い「花表流」の跡取りであり、彼もそれを誇りとしている。莉奈に対して密かに片思い中だが、彼女の一番の恋人が別次元の存在であることを自覚したうえでのこと。
*個人情報
・生年月日:2003年8月5日
・年齢:15
・身長:169cm
・体重:57kg
・血液型:AB
・使用デッキ:【六花】
○四阿 みづき(Mizuki Azumaya)(人間)(高1・女)
生前同級生だった四阿いつきの妹。祖父の霊媒師としての仕事を引き継ぐことが決まっており、霊感も人並み以上。デュエルの経験も豊富で、その影響か男友達も多い。
*個人情報
・生年月日:2003年12月3日
・年齢:15
・身長:160cm
・体重:50kg
・スリーサイズ:B80(B) W57 H79
・血液型:O
・使用デッキ:【ウィジャ盤】
○四月一日 龍二(Ryuji Watanuki)(未極の住人)
亜利沙の本名を知っており、彼女と砕けた会話ができる数少ない人物。200年来の付き合いであり、復讐に囚われている亜利沙を気にかけている。現在は「わたぬき荘」の管理人として現世の動向を観察している。
*個人情報
・本名:都野國屋 秀吉(Hideyoshi Tsunokuniya)
・現世での偽名:綿貫 響人(Hibito Watanuki)
・生年月日:1XXX年12月9日
・没年月日:1XXX年4月1日(享年20)
・性別:男
・身長:156cm
・体重:44kg
・血液型:AB
○春夏秋冬 輪廻(Rinne Hitotose)(閻魔の遣い)
400年前、亜利沙の魂を未極へ幽閉した張本人。閻魔の遣いの中でも最凶の相手であり、挑んできた相手を全て地獄の底に叩き落としたことから「獄落の輪廻」の肩書きを持つ。
*個人情報
・生年月日:不明
・没年月日:不明
・性別:女
・身長:不明
・体重:不明
・血液型:不明
・使用デッキ:不明
亜利沙の一言追伸
少年のクラスメート、まともな奴はいないのか……?
初めてのデュエルにして大物悪霊「Dna」を討ち取った遊良。襲われた四阿いつきに正体がバレそうになるが、亜利沙が機転を利かせたおかげで事なきを得た。未極へ帰り、遊良は海神 侑として亜利沙の通う「私立神威高校」に入学することが決まったのだった。
2018年4月6日、遊良改め「海神 侑」は亜利沙の計らいで私立神威高校に入学することとなり、入学式を迎えていた。彼の生活ではもう二度と体験することのないイベントだが、「心ここに非ず」の状態だった。先日、亜利沙から聞かされた話があまりにも衝撃的だったからだ。
─────悪霊退治後─────
「……神、ですか?」
「そうだ。私達死神が悪霊退治を行っているもう1つの理由、それが未極に伝承されている『三明神』の復活だ」
現世に三幻神────「オシリスの天空竜」「ラーの翼神竜」「オベリスクの巨神兵」────の伝説が存在するように、未極にはそれとは異なる神の伝説が存在している。百年単位でこの世界で活動を続けている亜利沙でさえ、種族が現世に存在しない「現人神(あらひとがみ)族」であることしか情報を掴めていないという。脱獄した悪霊の中に三明神の情報を持っているものが存在するのだが、未だに収穫はゼロ。そして、三明神の復活を狙っているのは死神だけではない。
「少年に覚えてもらいたいことがもう1つある。それが地獄の精鋭部隊『閻魔の遣い』だ」
「閻魔……」
「地獄には悪霊以外にも様々な生物が存在する。その中から選抜されたデュエリストをそう呼んでいる。そしてその頂点に君臨する『春夏秋冬 輪廻(ひととせ りんね)』は、私が400年も恨みを抱えている最悪の敵だ」
「400年…!?」
輪廻が仕掛けた呪いによって、亜利沙の魂は天国へ逝けなくなっただけでなく、彼女に勝利しない限り呪いは解けず、半永久的に未極での活動を続けなければならなくなった。それからというもの、亜利沙は輪廻を倒すことを考え生きてきたが、地獄へ赴こうにも200年間の謹慎期間が過ぎた頃には、輪廻が干渉しない限り現世と未極にしか行き来できない程に呪いが強まっていたのだ。
普段は自信に満ちた表情で部下達の指揮を執っている彼女でさえ、輪廻の話題になるとその瞳に陰りが生じる。
「奴等は手強い。だが私達は、早くても半年後には決着をつけようと思っている」
「半年……」
「その時は少年、お前の力が必要になる。堂々と私と肩を並べられる位の立派な死神になってくれよ?」
「押忍!!」
亜利沙もデュエリストとしての実力は充分にある。しかし、全てのデュエルに勝てる者は存在しない。万が一、亜利沙が負けるようなことがあれば閻魔の遣いは未極に甚大な被害をもたらすだろう。そして、現世にも。
───入学式を終えて───
「えっと……4組の教室はここか」
凪 遊良、改め「海神 侑」が入学した「私立神威高校」はデュエル進学校として名高く、1000人以上の生徒が在籍しており、全生徒が「日本青少年デュエル連盟」と呼ばれる組織に加入している。この連盟に加入するための条件は2つあり、最低でも月一でデュエルの公認大会に出場すること、そして何よりデュエルモンスターズを愛してやまないことだ。
辺りを見渡しても、男女問わずオーラだけで強者だと分かるほどの歴戦のデュエリスト達ばかりで、遊良は早くもその雰囲気に呑まれそうになっていた。しかし、彼らと戦うことで実力も確実に底上げできると在学中の亜利沙からのお墨付きも受けていたため、俄然闘志が上がっていた。
「いい男の子……発見……」
その傍ら、遊良の横顔を見ただけで大量の鼻血を吹いて気絶してしまった少女がいた。彼女の名は「奥入 莉奈(おくいり りな)」。ダークブルーのツインテールと赤縁の丸眼鏡が特徴で、身長は亜利沙よりも若干低めの157cm。口数もあまり多くはないが、「美男美女を視認しただけで鼻血もしくは血反吐を出す」という致命的な弱点が存在する。
慌てふためく遊良を尻目に、迅速な手つきで彼女に輸血や清掃を行う2人のおかげで一命を取り留めたが、当の莉奈も必要以上に騒ぎ立てずに「いつもありがと……」と一言お礼を返すだけで終わった。
「ホント、ムッツリーナは変わんないよねー」
「皆ドン引いてるけどー?」
「……大丈夫。すぐに慣れてくれる」
蘇生作業を行っていた男女2名は中学からの友人で、今となっては慣れっこだが、知り合ったばかりの頃は今の遊良と全く同じ反応を見せていた。彼女自身も治せないものかと通院していたのだが、専門医でさえ「これ程強すぎる興奮作用を鎮める薬は現代医学では作れない」とさじを投げてしまったため、担当医の薦めで、いつ出血しても対応出来るように彼女は輸血パックを持ち歩いている。
強いデュエリストはそれ相応に曲者だと亜利沙も言っていたが、文字通り命の危機に晒されている人がいるとは思いもよらなかった。友人の1人、ハート型のブローチを身に付けた「母良田 愛(ほろた まな)」は「すぐに耐性ができるから心配なのは今日だけ」と軽く流していたが、彼女の治療法が1日でも早く見つかることを願うしかない遊良だった。
席について間もなく、遊良に声をかけたクラスメートが現れたが、その顔を見た瞬間、遊良の顔が引きつった。
「ねえ、君って同じクラスになった海神くん……だよね?」
「はい、そうですけど……!?」
「私、四阿 みづき(あずまや-)。お姉ちゃんの知り合いに海神くんとよく似た人がいたから親戚かなって思ったんだけど、人違いだったみたい。ごめんなさい」
「よく似た人……?」
四阿という苗字は遊良の知っている限りでは同級生のいつきしかいないが、彼の予想通り、みづきは彼女の妹だった。いつきに妹がいたことは知っていたが、まさかその彼女が同級生、その上同じクラスに在籍するという巡り合わせは、何という運命の徒だろうか。
その後、担任の樋口先生をはじめに自己紹介が行われ、その日はお開きとなった。
帰路で亜利沙と合流し、誰もいないことを確認した後に今夜退治する予定の悪霊について路地裏で談義していた。その途中、遊良のクラスに四阿みづきが在籍していることを話したが彼女は顔をしかめた。先日出会したいつきの妹であるという点だけでも、悪霊による事件及び死神の存在に真実味が増すばかりか、それを嗅ぎつけた閻魔の遣いが現世に乗り込んでくる可能性が高まるからだ。
「四阿……あの女の血縁者か。どうにか巻き込まないよう尽力するが、霊の類いが見えるとなると……」
「こればっかりは、仕方ないです。ところでホヅミ先輩、どこに向かってるんですか?」
「うむ。現世での新生活を始めるにあたり、私の知り合いが管理しているアパートに少年も住んでもらおうと思っているのだが」
「え゙っ!?」
「何だその声は。少年、仮にも私は女だ。一つ屋根の下などという下劣な考えはキッパリ捨てた方が身のためだぞ」
「下劣……」
神威高校から徒歩10分に位置する2階建てアパート「わたぬき荘」に無事到着したが、新生活を始める記念、というのはあくまでも建前で、本命は現世で緊急事態が発生した場合にいつでも出動できるようにするためだった。
このアパートの管理人は遊良達と同じく魂の拠り所を未極としている青年「四月一日 龍二(わたぬき りゅうじ)」だ。現世では「綿貫 響人(わたぬき ひびと)」として動向を観察しており、滅多なことでは行動を起こさなくなった。亜利沙曰く「相当な気まぐれ」で、最近は亜利沙がパートナーとして連れてきた後輩の成長を見守っている方が楽しいとのことだ。
一癖も二癖もあるクラスメート、悪霊退治、そして亜利沙の知り合いが管理人を務めているアパート。遊良の周りは、今後もトラブルが尽きなさそうだ。
新キャラ紹介
○奥入 莉奈(Rina Okuiri)(人間)(高1・女)
遊良のクラスメート。口数が少ないため考えは殆ど読めず、美男美女を見た瞬間に鼻血もしくは血反吐を吹き出すため、日常的に輸血パックを持ち歩いている。あだ名は「ムッツリーナ」だが、この名前で呼ぶのを許しているのは親友の母良田 愛と花表 弥生だけ。
*個人情報
・生年月日:2003年6月10日
・身長:157cm
・体重:50kg
・スリーサイズ:B83(B) W59 H78
・血液型:A
・使用デッキ:【DD】
○母良田 愛(Mana Horota)(人間)(高1・女)
莉奈の友人であり、彼女のあだ名「ムッツリーナ」の命名者。莉奈と同じ高校に通うため勉学とデュエルの両方に励み、現在に至る。本校の生徒会長の大ファンで、愛読書は「櫻の樹の下には」。
*個人情報
・生年月日:2004年3月24日
・年齢:15
・身長:162cm
・体重:53kg
・スリーサイズ:B77(AA) W59 H79
・血液型:A
・使用デッキ:【@イグニスター】
○花表 弥生(Yayoi Torii)(人間)(高1・男)
莉奈・愛の友人。生け花界では名高い「花表流」の跡取りであり、彼もそれを誇りとしている。莉奈に対して密かに片思い中だが、彼女の一番の恋人が別次元の存在であることを自覚したうえでのこと。
*個人情報
・生年月日:2003年8月5日
・年齢:15
・身長:169cm
・体重:57kg
・血液型:AB
・使用デッキ:【六花】
○四阿 みづき(Mizuki Azumaya)(人間)(高1・女)
生前同級生だった四阿いつきの妹。祖父の霊媒師としての仕事を引き継ぐことが決まっており、霊感も人並み以上。デュエルの経験も豊富で、その影響か男友達も多い。
*個人情報
・生年月日:2003年12月3日
・年齢:15
・身長:160cm
・体重:50kg
・スリーサイズ:B80(B) W57 H79
・血液型:O
・使用デッキ:【ウィジャ盤】
○四月一日 龍二(Ryuji Watanuki)(未極の住人)
亜利沙の本名を知っており、彼女と砕けた会話ができる数少ない人物。200年来の付き合いであり、復讐に囚われている亜利沙を気にかけている。現在は「わたぬき荘」の管理人として現世の動向を観察している。
*個人情報
・本名:都野國屋 秀吉(Hideyoshi Tsunokuniya)
・現世での偽名:綿貫 響人(Hibito Watanuki)
・生年月日:1XXX年12月9日
・没年月日:1XXX年4月1日(享年20)
・性別:男
・身長:156cm
・体重:44kg
・血液型:AB
○春夏秋冬 輪廻(Rinne Hitotose)(閻魔の遣い)
400年前、亜利沙の魂を未極へ幽閉した張本人。閻魔の遣いの中でも最凶の相手であり、挑んできた相手を全て地獄の底に叩き落としたことから「獄落の輪廻」の肩書きを持つ。
*個人情報
・生年月日:不明
・没年月日:不明
・性別:女
・身長:不明
・体重:不明
・血液型:不明
・使用デッキ:不明
亜利沙の一言追伸
少年のクラスメート、まともな奴はいないのか……?
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