拳で語り合おうとすると相手が逃げる　作：パシフィスの人

ここは決闘アカデミア。未来のプロ決闘者を目指す学校今日も物語はここから始まる。


「うう胃が痛い・・・」

私の名前は『豊穣　実』（ほうじょう　みのり）いたって普通の決闘学園高等部1年生昨日は筋肉の化身の決闘を見て倒れてしまい絶賛体調不良である。

「げっ・・・あそこにいるのは」

目の前に見える筋肉の塊のような決闘者を見た瞬間私の胃がまた痛む。彼の名は『金剛　力』（こんごう　りき）不本意なことに私と同じ決闘アカデミア一年生。先日の決闘で彼はモンスターを使わずプレイヤー自らに装備カードを装備してプレイヤー自身が戦うというまともな精神状態じゃ使えないようなデッキを使い上級生を医務室送りにした決闘者（頭おかしい）である。

「やあ！豊穣さん今日もいい朝だね！」

「おはようってあれ？私の名前教えたっけ？」

「同じ学園の仲間としてクラスメイトの名前は全員暗記済みさ！」

やべーやつに名前を憶えられてしまった。


キーンコーンカーンコーンカーンコーンキーンコーン


「はーい授業が始まりますよーみなさーん席についてくださーい」


おっといけない早く席につかねば。


「では今回の授業はデッキ運用学Ⅰのプレイングソリティア編の18ｐから・・・」

・・・

「今回の授業はここまでです。ソリティアをするときは相手の手札誘発を食らっても立ち回れるように動きましょう。」

アリガトウゴザイマシター

「授業疲れたー」

「お疲れー実　難しかったねー」

私の前にロングの水色の髪をなびかせたかわいい女の子が現れた。

彼女の名前は『空野　葵』（そらのあおい）私の親友だ。この学園の中等部のころからの付き合いでよく一緒にいる。

「おなかと背中がくっつぎすぎて溶接しそうな勢いだよー」

「いやそれどんな状態よ」

少し感性がずれているが私の大事な友達だ。

「実！お昼どうする？」

「私は今日は手早く済ませたいからドローパンにしようかな」

「じゃあ私もそれにするー今日のドローパンは何が出るかな・・・」

私たちが購買に向かうとざわめきが聞こえてきた。どうしたんだろういったい？

「やめないか君ドローパンのサーチ行為はマナー違反だぞ！」

「うるさい！200個買っても100個に一個しかない黄金の卵パンが出ないのが悪いんだ俺は悪くねぇ！」

どうやらドローパンの狙った味があまりにも当たらな過ぎてかんしゃくを起こしているらしい。

購買でもめてると筋肉の塊ともいえる大男が現れた

「騒がしいなどうしたんだい」

げっ・・・アイツは

「げっ・・・お前は金剛力！」

「店の人が困ってるじゃないか何をそんなに怒っているんだ。」

「この店が100個に一個当たる黄金のドローパンを封入操作しているんだよ！その証拠に200個買っても一個も出なかったんだよ！」

「ですから私たちは封入操作は行っていないと・・・」

「じゃあおかしいだろ！200個も買ったのに！」

まあ200個も買ったのに一個も出ないのは確率は低いがあり得ない話じゃない。だが自分の運のなさを理由にして怒るのは間違ってる・・・私はクレーマーをなだめようと・・・

「もしかして黄金の卵パンって昨日俺が食べたやつかい？5個買ったら5個とも卵しか入っていなくて驚いたよ。」

「おめーが原因かぁぁぁ！！！」

ま　た　こ　い　つ　か

「てめー！よくも俺の黄金の卵パンを根こそぎ空にしやがって・・・ゆるそんぞぉ！俺と決闘しろぉ！」

「決闘かい？決闘は大歓迎さ！」

「おいやめろ！あの筋肉ダルマと決闘した奴は例外なく全員医務室送りだぞ！怪我したくなかったらおとなしくしろ！」

「うるせぇ・・・俺のドローパン200連ガチャの恨みはアイツをぶっ倒さなければ収まらないんだよぉ！」

まさかあの筋肉の塊に殴られるとわかって決闘するやつがいるとは思わなかった・・・

「すごいね実ちゃん私『金剛　力」さんの決闘生で見てみたかったんだぁ！」

「もしかして葵あなた金剛の・・・」

「うんっファンだよっ！」

えっ・・・マジで？

「あの決闘者とモンスターがぶつかり合う決闘とっても観客受けしそうだし、あの肉体美もとっても素敵だわ！」

「そう・・・葵いい病院を紹介するわ」

「ふえ？私の体は健康だよ？」

そういう意味じゃないんだけどなぁ・・・

「あっ金剛さんの決闘は始まるみたいだよっ実！早く決闘こーとに行こっ！」

「落ち着きなさい」


私は葵に引きずられながら決闘コートに向かった。


おい！今からあの筋肉と決闘するやつがいるらしいぞ！

マジかよ！あの筋肉に挑むバカがまだいただと！

こりゃあ面白くなってきたじゃねえか！

決闘コートにつくとたくさんの野次が聞こえる。あの筋肉は悪名が独り歩きして話は聞くが実際にその決闘を見たことがない生徒がほとんどだからだ。この機会にたくさんの生徒が彼の決闘を見ようとしている。

「早めに来たからいい席取れたーよかったね実ちゃん！」

「あっうんそうだね・・・」

私としては今すぐにでも食堂に行っておいしいご飯を食べたい気分なのだが仕方ない。友達付き合いは大事だ。

「準備はできたか筋肉野郎ぉ！準備ができなかったから負けましたなんて言い訳をさせるわけにはいかないからなぁ！」

「ОKだよ！いつでも大丈夫さ！」

お互いの準備ができたところで学園公認ジャッジの磯野さんがスタンバイした。彼も昼休憩の時間なのに大変だなぁ

「それでは・・・決闘開始ぃぃぃ！」

「「決闘！」」

『金剛　力』LP8000

『クレーマー生徒』LP8000

「先行はむむっ俺のようだね。」

（助かったぜ奴のデッキはバトル特化型先行なら動きづらいはずだ）

「俺は手札から魔法カード『決闘者エンゲージ』を発動する！」


『決闘者交戦開始』（デュエリストエンゲージ）【通常魔法カード】
このカードを発動するターン自分はモンスターを召喚　特殊召喚　セットできない
①デッキから「決闘者交戦開始」以外の決闘者カードを1枚手札に加える　その後自分フィールド上に表側側の装備魔法カードが3枚以上あればデッキからカードを1枚ドローする


「効果でデッキからフィールド魔法『決闘者舞台（デュエリストステージ）』を手札に加える」

出たな頭おかしいフィールド魔法

「さらに俺は手札から『決闘者舞台（デュエリストステージ）』を発動する！」


『決闘者舞台』（デュエリストステージ）【フィールド魔法】
このカードを発動するデュエル中自分はモンスターを召喚　特殊召喚　セットできずモンスターのコントロールを変更できない
①このカードが存在する限り装備魔法をプレイヤーに装備できる
②このカードがある限りプレイヤーを攻撃力1500のモンスターとして扱う
③このカードは相手のカードの効果を受けない
④プレイヤーに装備されるカードは相手の効果を受けない
⑤1ターンに一度ＬＰを800ポイント払って発動できるデッキから決闘者カードを手札に加える
⑥このカードが存在する場合モンスターゾーンを魔法罠ゾーンとして扱う


「さらに俺は決闘者舞台の効果発動！ＬＰを800ポイント払ってデッキから決闘者カードを1枚を手札に！効果でデッキから『決闘者の準備』（デュエリストセットアップ）を手札に加える！」


『決闘者の準備』（デュエリストセットアップ）【通常魔法カード】

①手札の決闘者装備魔法カード1枚をデッキに戻し決闘者装備魔法カードまたは『決闘者舞台』を2枚まで手札に加える


「そしてそのまま手札から決闘者の準備を発動！デッキから決闘者装備魔法カード1枚をデッキに戻しデッキから決闘者装備魔法カードまたは『決闘者舞台』を2枚まで手札に加える！効果で俺は手札から『決闘者の筋肉（デュエリストマッスル）をデッキに戻し『決闘者の闘志（デュエリストハート』『決闘者の満足衣（デュエリストサティスファクションジャケット）』を手札に加える！」

なるほど決闘者舞台実質10枚体制か、なかなか安定している。

「そしてそのまま俺は『決闘者の闘志』（デュエリストハート）『決闘者の筋肉』（デュエリストマッスル）『決闘者の満足衣』（デュエリストサティスファクションジャケット）を装備！


『決闘者の闘志』（デュエリストハート）【装備魔法】
決闘者にのみ装備可能『決闘者の闘志』はフィールドに1枚しか表側表示で存在できない
①このカードを装備したモンスターは攻撃力が1000ポイントアップする
②このカードを装備したモンスターの攻撃で相手モンスターと戦闘をする場合戦闘ダメージは倍になる
③このカードがフィールドに存在する限り相手のメインフェイズ1をスキップする


『決闘者の筋肉』（デュエリストマッスル）【装備魔法】
決闘者にのみ装備可能『決闘者の筋肉』はフィールドに1枚しか表側表示で存在できない
①このカードを装備したモンスターの攻撃力は500ポイントアップする
②一ターンに一度自分が2000以上のダメージを受ける場合発動そのダメージを0にする
③このカードがフィールドに存在する限り相手のモンスターは全て攻撃表示になり可能な限り攻撃しなくてはいけない


『決闘者の満足衣』（デュエリストサティスファクションジャケット）【装備魔法】

決闘者にのみ装備可能　『決闘者の満足衣』はフィールドに1枚しか表側表示で存在できない
①このカードを装備したモンスターは攻撃力が500ポイントアップする
②このカードがフィールドに存在する限り相手はバトルフェイズを効果で終了できない
③1ターンに一度自分の手札が0枚の時発動できるデッキまたは墓地から決闘者と名のついたカードを1枚手札に加えるこの効果の発動後このターンこの効果で手札に加えたカードと同名カードを発動できない


「カードを2枚伏せて『決闘者の満足衣』の効果発動！デッキから『決闘者の拳』（デュエリストフィスト）を手札に加えてターンエンドだターンエンドだ


『決闘者の拳』（デュエリストフィスト）【装備魔法】

決闘者モンスターにのみ装備可能『決闘者の拳』はフィールドに1枚しか表側表示で存在できない
①装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする
②装備モンスターの戦闘で相手モンスターを破壊した場合続けて相手モンスターに攻撃できる
③このターンのエンドフェイズに発動するこのターン戦闘で破壊されたモンスターの数だけデッキからカードをドローする


決闘者・・・装備魔法は攻撃力アップの効果とバトルに関する固有効果そして装備魔法ごとの固有効果で構成されているみたいね・・・

「先行は落ち着いた立ち上がりだねー」

「そうね、あの伏せカード2枚が気になるわね」

『金剛　力』が先行をとった決闘を見るのがこれが初めてだった果たしてどんな決闘になるのか・・・



決闘はまだ始まったばかりである。










作者の独り言
無茶苦茶な効果を0cg風に仕立て上げるの大変だった。