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第七話 グールズの強襲! 作:サクラ
「城之内君」
「ん?遊香じゃねぇかどうしたんだ?」
「はい」
バトルシティ本番まで後10分。童実野町中央部で辺りをチラチラ見渡している城之内と一緒に遊戯がいた。二人を見つけた遊香は、レアハンターから奪い取った真紅眼の黒竜を城之内に差し出した。
「な!?なんでお前がそいつを持ってるんだよ!」
「昨日私の元にグールズって名乗る男の人が突然デュエルを挑んで来たんだよ。それで、城之内君の《真紅眼の黒竜》も奪ったって話を聞いて奪い返したんだよね」
「…………ありがとな遊香。でもそいつは受け取れねぇ」
「え?」
遊香は城之内の言っている意味が分からなかった。この真紅眼の黒竜は城之内の相棒であり、切り札のハズだ。それを受け取らないなんて……。
「遊香。お前は『真の決闘者』ってどういう事だと思う?」
「『真の決闘者』?」
「俺さ、漸く分かったんだ。遊戯や遊香、海馬にキースと戦っていくうちに自分も強くなった気がしていた。でも、俺はまだまだだった。大切なものをあと少しで台無しにしちまうところだった。だから真の決闘者になったって自分自身が認められる様になるまではそいつは預かっててくれないか?」
遊香は真剣な眼差しで城之内を見る。その目は決意と覚悟のこもった目だ。遊香は口元を緩める。
「城之内君。これ、私じゃなくて遊戯君に預かってもらってもいいかな?」
「え?」
「え?」
遊香の一言に二人の目が点になる。
「私ね、思うんだ。このカードを預かるべきなのは私じゃないなって。何故かはわからないけど、そんな気がするの。遊戯君」
「俺?」
「うん。遊戯君任せちゃってもいいかな?」
遊香は遊戯にお願いする。遊戯は直ぐに笑顔で了承してくれた。
「頼む遊戯。俺の《真紅眼》を預かっててくれ」
「……城之内君。わかったそれまで大切に預からせてもらう」
「ありがとう遊戯、遊香も。本戦で会おうぜ」
「ああ!」
「うん!」
3人は頷き合うと各々三方向に散って行った。
遊香がやる事はただ一つ。グールズのメンバーを倒し、パズルカードを手に入れる。そして魂を奪ってカードを完成させることだ。
遊香はワザと裏路地に入る。グールズには自分が青眼の白龍を持っていることが知れ渡っている。ならば自らを囮となり集めればいいのだ。
「へへ、こんな裏路地に1人かい?お嬢ちゃん」
と、噂をすれば早速現れたか。遊香は声の方を振り向く。
「君可愛いねぇ……オジサンといいことしない?お小遣いあげるからさぁ」
「チッ!ただの下衆野郎か。生憎金には困ってないんでね」
「あ……」
遊香はそのままどんどん奥に入って行く。するとまたすぐに声がかかって来た。
「ねぇ君……」
「またか──────ッ!?」
振り向くとさっきの男の人が立っていた。男の人は遊香の口にハンカチを素早く当てる。遊香は直ぐに抵抗しようとするが、意識が遠くなっていった。
「くっ……」
遊香の意識は途切れた。
「ん……ん?」
遊香が目を覚ますと、薄暗い部屋の中にいた。棺桶のようなところで足を拘束させられていた。
「ここはどこだ?何処かの建物ではあるんだろうが……」
「おや?目が覚めたかい?」
声のする方を見ると自分を眠らせた男が立っていた。
「気分はどうだ?とは言っても足は拘束されて動けないと思うけどね」
「私にこんな事をしてタダで済むと思ってないだろうな?」
「くふふ。どうするって言うんだい?野崎遊香」
遊香の視線が強くなる。何故この男が自分の名前を知っているのか。
「ふふ。僕だよ。忘れたのかい?マリク・イシュタールだ」
「!?マリクだと?」
「そうさ。この男もグールズだって事だ。もっとも使命を忘れて下衆行動を起こすとは思わなかったからね。こいつの心は奥底に封印して僕 が直々に相手をしてあげるよ……」
「お前が私と?ふふ。面白い事を言うじゃないか。丁度グールズの奴を相手にしてやろうと思っていたところだ。相手してやる」
「「デュエル」」
マリクも遊香の正面の棺桶に入ると足を拘束された。
「この棺桶には特殊な仕様が施されていてねぇ。ライフポイントがゼロになれば、どちらかの体は電気地獄だ。最も、僕本体は痛くも痒くもないけどねぇ」
「ふん……」
「さぁ僕のターンからだ。手札から魔法《融合》を発動し、《ヒューマノイド・スライム》と《ワーム・ドレイク》を融合!現れろ《ヒューマノイド・ドレイク》!攻撃力2200!カードを伏せてターン終了」
「スタートから融合召喚か。先攻から融合召喚をしても攻撃はできないぞ?」
「そんな事はわかっているさ。このバトルシティは融合召喚を行ったターンは攻撃出来ない。だが、それも先攻1ターン目なら関係ないって事だ」
「ふふ。私のターン、ドロー。折角融合召喚までしたそのカードだが、残念ながらもうお終いみたいだね」
「何?」
グールズの男の顔が歪む。遊香はドローしたカードを手札に加え、違うカードを場に出す。
「《霊滅術師カイクウ》召喚。そして魔法《ヒュグロの魔導書》これで攻撃力が1000アップして2800だ。バトル、《霊滅術師カイクウ》で《ヒューマノイド・スライム》を攻撃。『霊滅・南無阿弥』」
カイクウが数珠を持って呪文を唱えると、ヒューマノイド・ドレイクは踠きながら破壊された。
「この瞬間《霊滅術師カイクウ》の効果そして《ヒュグロの魔導書》の効果発動。《カイクウ》が戦闘ダメージを与えた事でデッキから《魔導書》カードを手札に加え、墓地のカードを2枚までゲームから除外する。《ヒューマノイド・ドレイク》と《ワーム・ドレイク》を選択」
「ならば罠カード発動《時の機械-タイム・マシーン》。これで《ヒューマノイド・ドレイク》を選択し復活」
巨大な機械が出現し扉が開くと、ヒューマノイド・スライムが現れた。
「私がモンスターを残してターンを渡す事になるとは……表の人格の分際でよくやる」
「ふん。お前などに褒められても嬉しくはない。さっさとターンエンドを宣言しな」
「ツレないな。まぁいい……カードを伏せターン終了」
「僕のターン!ドロー!」
男はドローカードをこちらに向ける。
「野崎遊香。このデッキに神は入っていない。が、僕の持つ神に等しいカードを見せてやろう!」
「神に等しいカードだと?」
「僕は《ヒューマノイド・ドレイク》をリリースしてアドバンス召喚!出でよこのデッキの切り札《偉大魔獣ガーゼット》!」
ヒューマノイド・ドレイクの下からグツグツ茹だった鍋が出てきた。その中から腕が出てヒューマノイド・ドレイクを鍋の中に引き込んでいく。
鍋の中の液体が変色すると、中から巨大な悪魔が現れた。悪魔が腕組みすると、凄まじい威圧感を漂わせる
「ははは!見たか!これが《偉大魔獣ガーゼット》さ!こいつの攻撃力は召喚のためにリリースしたモンスターの元々の倍の攻撃力を得る!《ヒューマノイド・ドレイク》の攻撃力は2200。よって4400だ!更に魔法カード《進撃の帝王》発動!これで効果の対象にならず、効果で破壊されない最強モンスターとなった!やれ!《ガーゼット》!『グレートデスクロー』!!」
ガーゼットは腕組みをやめて爪をカイクウの方に向けると、一気に飛びかかった。カイクウは、なすすべも無く切り刻まれ消滅する。
「《霊滅術師カイクウ》撃破!野崎遊香。お前のライフは残り1400。直ぐに削り切ってやるよ。ターンエンドだ」
「私のターンドロー。ふん……《青き眼の乙女》を攻撃表示で召喚。カードを伏せ、ターン終了だ」
「おいおい。攻撃力0を攻撃表示だと?ヤケになってしまったのか?ふっまぁいい。僕のターン、ドロー。いいカードを引いた!魔法《強欲で貪欲な壺》10枚のカードを除外して2枚ドロー!」
男は笑い出す。余程いいカードが引けたのだろう。
「野崎遊香。お前の終わりだ。フィールド魔法《真帝王領域》!これでアドバンス召喚した僕のモンスターが攻撃する時、そのモンスターの攻撃力が800上昇する!これで攻撃時に攻撃力は5200だ!バトル!終わりだ!《偉大魔獣ガーゼット》で《青き眼の乙女》に攻撃!切り裂け!『グレートデスクロー』!!」
ガーゼットが青き眼の乙女に向かって腕を振り上げる。その瞬間、青き眼の乙女は祈るように膝をついて手を合わせる。すると、青き眼の乙女から青いオーラが湧き出る。青いオーラは段々と竜の形に変化していくと、それはガーゼットに突進して攻撃を相殺した。
「何!?」
「《青き眼の乙女》が攻撃対象に選択された時、その攻撃を無効にして《青眼の白龍》を特殊召喚できるのさ」
「そんな効果が……くっ、ターンエンド」
「私のターン!ドロー!」
「くふふ。一応説明しておくが、今の《偉大魔獣ガーゼット》の攻撃力を超えるカードは《青眼の究極龍》と《クインテット・マジシャン》しか存在しない!そしてその二枚とも融合モンスターだ。僕のフィールドには《真帝王領域》がある。これは自分のフィールドにのみアドバンス召喚をしたモンスターがいる場合、相手はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない!唯一の対抗手段も絶たれた!サレンダーを勧めるよ」
「それはどうかな。私はそのコンボを破るカードを引いたぞ?」
「なんだと?」
遊香の右手に握られたカードをデュエルディスクに挿入する。
「魔法カード《痛み分け》発動。《青眼の白龍》をリリースする。これにより、マリク。お前は自分のモンスターをリリースしなければならない!」
「言っただろ!《偉大魔獣ガーゼット》はカードの効果の対象にならず、破壊されない! よってそんな効果は受けないんだよぉ!!」
「いや、受ける。《痛み分け》は必ずリリースしなければならない。これは効果ではなく、プレイヤーにリリースを強制するものだ。よってお前はこの効果を適用させる義務がある!!」
「馬鹿な!?こんな事で僕の《偉大魔獣ガーゼット》が!」
男のフィールドには偉大魔獣ガーゼット以外にモンスターは存在しない。よってガーゼットをリリースしなければならなくなったのだ。
「くそ!(だが、このデッキには《偉大魔獣ガーゼット》に変わるカードは大量に入っている。次のドローカードですぐにでも逆転してやるさ……)」
「私のターンはまだ終わってはいない!《青き眼の乙女》を対象に《禁じられた聖杯》発動。これにより、攻撃力が400アップ!そして、《青き眼の乙女》がカードの効果の対象になった事でこのカードが再び蘇る!来い!《青眼の白龍》!」
「くっ!」
地面が裂けるエフェクトから青眼の白龍が飛び出してきた。そして咆哮をあげる。
「これで私の勝ちだ!《青き眼の乙女》の攻撃!」
「ふん!」
「《青眼の白龍》!『滅びの爆裂疾風弾』!!」
青眼の白龍の口が開いて光線が発射される。それは男を呑み込む。男のLPは0となった。すると、電気が流れて男は発狂した。遊香は千年ピアスを弾き、本来の男の魂を引き抜き吸収する。
「敗者への罰ゲームだったが、まさか苦しみを解放させる事になるとはな……全く、こんな場所は早く出るに限る」
足の拘束は外れ、自由になった事で遊香はその部屋を後にした。
「ん?遊香じゃねぇかどうしたんだ?」
「はい」
バトルシティ本番まで後10分。童実野町中央部で辺りをチラチラ見渡している城之内と一緒に遊戯がいた。二人を見つけた遊香は、レアハンターから奪い取った真紅眼の黒竜を城之内に差し出した。
「な!?なんでお前がそいつを持ってるんだよ!」
「昨日私の元にグールズって名乗る男の人が突然デュエルを挑んで来たんだよ。それで、城之内君の《真紅眼の黒竜》も奪ったって話を聞いて奪い返したんだよね」
「…………ありがとな遊香。でもそいつは受け取れねぇ」
「え?」
遊香は城之内の言っている意味が分からなかった。この真紅眼の黒竜は城之内の相棒であり、切り札のハズだ。それを受け取らないなんて……。
「遊香。お前は『真の決闘者』ってどういう事だと思う?」
「『真の決闘者』?」
「俺さ、漸く分かったんだ。遊戯や遊香、海馬にキースと戦っていくうちに自分も強くなった気がしていた。でも、俺はまだまだだった。大切なものをあと少しで台無しにしちまうところだった。だから真の決闘者になったって自分自身が認められる様になるまではそいつは預かっててくれないか?」
遊香は真剣な眼差しで城之内を見る。その目は決意と覚悟のこもった目だ。遊香は口元を緩める。
「城之内君。これ、私じゃなくて遊戯君に預かってもらってもいいかな?」
「え?」
「え?」
遊香の一言に二人の目が点になる。
「私ね、思うんだ。このカードを預かるべきなのは私じゃないなって。何故かはわからないけど、そんな気がするの。遊戯君」
「俺?」
「うん。遊戯君任せちゃってもいいかな?」
遊香は遊戯にお願いする。遊戯は直ぐに笑顔で了承してくれた。
「頼む遊戯。俺の《真紅眼》を預かっててくれ」
「……城之内君。わかったそれまで大切に預からせてもらう」
「ありがとう遊戯、遊香も。本戦で会おうぜ」
「ああ!」
「うん!」
3人は頷き合うと各々三方向に散って行った。
遊香がやる事はただ一つ。グールズのメンバーを倒し、パズルカードを手に入れる。そして魂を奪ってカードを完成させることだ。
遊香はワザと裏路地に入る。グールズには自分が青眼の白龍を持っていることが知れ渡っている。ならば自らを囮となり集めればいいのだ。
「へへ、こんな裏路地に1人かい?お嬢ちゃん」
と、噂をすれば早速現れたか。遊香は声の方を振り向く。
「君可愛いねぇ……オジサンといいことしない?お小遣いあげるからさぁ」
「チッ!ただの下衆野郎か。生憎金には困ってないんでね」
「あ……」
遊香はそのままどんどん奥に入って行く。するとまたすぐに声がかかって来た。
「ねぇ君……」
「またか──────ッ!?」
振り向くとさっきの男の人が立っていた。男の人は遊香の口にハンカチを素早く当てる。遊香は直ぐに抵抗しようとするが、意識が遠くなっていった。
「くっ……」
遊香の意識は途切れた。
「ん……ん?」
遊香が目を覚ますと、薄暗い部屋の中にいた。棺桶のようなところで足を拘束させられていた。
「ここはどこだ?何処かの建物ではあるんだろうが……」
「おや?目が覚めたかい?」
声のする方を見ると自分を眠らせた男が立っていた。
「気分はどうだ?とは言っても足は拘束されて動けないと思うけどね」
「私にこんな事をしてタダで済むと思ってないだろうな?」
「くふふ。どうするって言うんだい?野崎遊香」
遊香の視線が強くなる。何故この男が自分の名前を知っているのか。
「ふふ。僕だよ。忘れたのかい?マリク・イシュタールだ」
「!?マリクだと?」
「そうさ。この男もグールズだって事だ。もっとも使命を忘れて下衆行動を起こすとは思わなかったからね。こいつの心は奥底に封印して僕 が直々に相手をしてあげるよ……」
「お前が私と?ふふ。面白い事を言うじゃないか。丁度グールズの奴を相手にしてやろうと思っていたところだ。相手してやる」
「「デュエル」」
マリクも遊香の正面の棺桶に入ると足を拘束された。
「この棺桶には特殊な仕様が施されていてねぇ。ライフポイントがゼロになれば、どちらかの体は電気地獄だ。最も、僕本体は痛くも痒くもないけどねぇ」
「ふん……」
「さぁ僕のターンからだ。手札から魔法《融合》を発動し、《ヒューマノイド・スライム》と《ワーム・ドレイク》を融合!現れろ《ヒューマノイド・ドレイク》!攻撃力2200!カードを伏せてターン終了」
「スタートから融合召喚か。先攻から融合召喚をしても攻撃はできないぞ?」
「そんな事はわかっているさ。このバトルシティは融合召喚を行ったターンは攻撃出来ない。だが、それも先攻1ターン目なら関係ないって事だ」
「ふふ。私のターン、ドロー。折角融合召喚までしたそのカードだが、残念ながらもうお終いみたいだね」
「何?」
グールズの男の顔が歪む。遊香はドローしたカードを手札に加え、違うカードを場に出す。
「《霊滅術師カイクウ》召喚。そして魔法《ヒュグロの魔導書》これで攻撃力が1000アップして2800だ。バトル、《霊滅術師カイクウ》で《ヒューマノイド・スライム》を攻撃。『霊滅・南無阿弥』」
カイクウが数珠を持って呪文を唱えると、ヒューマノイド・ドレイクは踠きながら破壊された。
「この瞬間《霊滅術師カイクウ》の効果そして《ヒュグロの魔導書》の効果発動。《カイクウ》が戦闘ダメージを与えた事でデッキから《魔導書》カードを手札に加え、墓地のカードを2枚までゲームから除外する。《ヒューマノイド・ドレイク》と《ワーム・ドレイク》を選択」
「ならば罠カード発動《時の機械-タイム・マシーン》。これで《ヒューマノイド・ドレイク》を選択し復活」
巨大な機械が出現し扉が開くと、ヒューマノイド・スライムが現れた。
「私がモンスターを残してターンを渡す事になるとは……表の人格の分際でよくやる」
「ふん。お前などに褒められても嬉しくはない。さっさとターンエンドを宣言しな」
「ツレないな。まぁいい……カードを伏せターン終了」
「僕のターン!ドロー!」
男はドローカードをこちらに向ける。
「野崎遊香。このデッキに神は入っていない。が、僕の持つ神に等しいカードを見せてやろう!」
「神に等しいカードだと?」
「僕は《ヒューマノイド・ドレイク》をリリースしてアドバンス召喚!出でよこのデッキの切り札《偉大魔獣ガーゼット》!」
ヒューマノイド・ドレイクの下からグツグツ茹だった鍋が出てきた。その中から腕が出てヒューマノイド・ドレイクを鍋の中に引き込んでいく。
鍋の中の液体が変色すると、中から巨大な悪魔が現れた。悪魔が腕組みすると、凄まじい威圧感を漂わせる
「ははは!見たか!これが《偉大魔獣ガーゼット》さ!こいつの攻撃力は召喚のためにリリースしたモンスターの元々の倍の攻撃力を得る!《ヒューマノイド・ドレイク》の攻撃力は2200。よって4400だ!更に魔法カード《進撃の帝王》発動!これで効果の対象にならず、効果で破壊されない最強モンスターとなった!やれ!《ガーゼット》!『グレートデスクロー』!!」
ガーゼットは腕組みをやめて爪をカイクウの方に向けると、一気に飛びかかった。カイクウは、なすすべも無く切り刻まれ消滅する。
「《霊滅術師カイクウ》撃破!野崎遊香。お前のライフは残り1400。直ぐに削り切ってやるよ。ターンエンドだ」
「私のターンドロー。ふん……《青き眼の乙女》を攻撃表示で召喚。カードを伏せ、ターン終了だ」
「おいおい。攻撃力0を攻撃表示だと?ヤケになってしまったのか?ふっまぁいい。僕のターン、ドロー。いいカードを引いた!魔法《強欲で貪欲な壺》10枚のカードを除外して2枚ドロー!」
男は笑い出す。余程いいカードが引けたのだろう。
「野崎遊香。お前の終わりだ。フィールド魔法《真帝王領域》!これでアドバンス召喚した僕のモンスターが攻撃する時、そのモンスターの攻撃力が800上昇する!これで攻撃時に攻撃力は5200だ!バトル!終わりだ!《偉大魔獣ガーゼット》で《青き眼の乙女》に攻撃!切り裂け!『グレートデスクロー』!!」
ガーゼットが青き眼の乙女に向かって腕を振り上げる。その瞬間、青き眼の乙女は祈るように膝をついて手を合わせる。すると、青き眼の乙女から青いオーラが湧き出る。青いオーラは段々と竜の形に変化していくと、それはガーゼットに突進して攻撃を相殺した。
「何!?」
「《青き眼の乙女》が攻撃対象に選択された時、その攻撃を無効にして《青眼の白龍》を特殊召喚できるのさ」
「そんな効果が……くっ、ターンエンド」
「私のターン!ドロー!」
「くふふ。一応説明しておくが、今の《偉大魔獣ガーゼット》の攻撃力を超えるカードは《青眼の究極龍》と《クインテット・マジシャン》しか存在しない!そしてその二枚とも融合モンスターだ。僕のフィールドには《真帝王領域》がある。これは自分のフィールドにのみアドバンス召喚をしたモンスターがいる場合、相手はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない!唯一の対抗手段も絶たれた!サレンダーを勧めるよ」
「それはどうかな。私はそのコンボを破るカードを引いたぞ?」
「なんだと?」
遊香の右手に握られたカードをデュエルディスクに挿入する。
「魔法カード《痛み分け》発動。《青眼の白龍》をリリースする。これにより、マリク。お前は自分のモンスターをリリースしなければならない!」
「言っただろ!《偉大魔獣ガーゼット》はカードの効果の対象にならず、破壊されない! よってそんな効果は受けないんだよぉ!!」
「いや、受ける。《痛み分け》は必ずリリースしなければならない。これは効果ではなく、プレイヤーにリリースを強制するものだ。よってお前はこの効果を適用させる義務がある!!」
「馬鹿な!?こんな事で僕の《偉大魔獣ガーゼット》が!」
男のフィールドには偉大魔獣ガーゼット以外にモンスターは存在しない。よってガーゼットをリリースしなければならなくなったのだ。
「くそ!(だが、このデッキには《偉大魔獣ガーゼット》に変わるカードは大量に入っている。次のドローカードですぐにでも逆転してやるさ……)」
「私のターンはまだ終わってはいない!《青き眼の乙女》を対象に《禁じられた聖杯》発動。これにより、攻撃力が400アップ!そして、《青き眼の乙女》がカードの効果の対象になった事でこのカードが再び蘇る!来い!《青眼の白龍》!」
「くっ!」
地面が裂けるエフェクトから青眼の白龍が飛び出してきた。そして咆哮をあげる。
「これで私の勝ちだ!《青き眼の乙女》の攻撃!」
「ふん!」
「《青眼の白龍》!『滅びの爆裂疾風弾』!!」
青眼の白龍の口が開いて光線が発射される。それは男を呑み込む。男のLPは0となった。すると、電気が流れて男は発狂した。遊香は千年ピアスを弾き、本来の男の魂を引き抜き吸収する。
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そうですね……。インセクト女王が活躍する環境なのでガーゼットと進撃の帝王揃えば強そう(小並感)なデッキでした。原作ラーも効果耐性と生け贄モンスターの攻撃力の合計値で表マリクから最強扱いされてましたしね笑 (2018-09-25 09:56)