第十七話 神と神　作：サクラ

お久しぶりです。サクラです。
約1年振りですが、再開します。
今回アニメオリカがめちゃくちゃ多いです。一応効果は登場キャラクターに説明させるようにしたので、恐らく大丈夫だと思いますが、要望がありましたら質問にてお答えします。

では本編どうぞ











「おのれぇ遊戯！この俺から《オシリス》を取り返すとは……！」

海馬は恨めしそうに遊戯を睨みつけていた。そしてカードを1枚伏せる。

「海馬！お前が高速で神召喚の為の生け贄を揃えたように、この俺もその為の準備は出来ているぜ！」
「何！？」
「俺のターン！ドロー！俺は手札から《強欲で金満な壺》を発動！エクストラデッキのカードをランダムに6枚除外し、2枚ドローする！それにチェーンして《手札断殺》を発動！お互いの手札を2枚墓地に送り2枚ドロー！」

遊戯は手札と墓地を肥やす。

「魔法カード《黙する死者》！墓地の通常モンスターを復活させる！来い《クィーンズ・ナイト》！更に《キングス・ナイト》を召喚！」
「これは！」
「そう、《キングス・ナイト》の効果発動！《クィーンズ・ナイト》が場にいる事で、デッキから《ジャックス・ナイト》を特殊召喚する！更に魔法カード《二重召喚》発動！これでもう一度通常召喚が出来る！」

二人の上空に雲がかかって来る。次第に雷鳴が轟いて来ると、遊戯は手札のカードの中から１枚を抜き取り、上空に掲げる。

「いでよ！《オシリスの天空竜》！」

空が曇り始める。雷鳴が鳴り出し、一筋の雷が落ちてくると、そこから赤い巨躯を持つ竜が現れた。

「オシリス……！」
「とうとう現れたか！」
「この凄まじい威圧感……！流石は神のカード……！」

(オシリスを召喚したが、海馬が俺の手札から持っていったカード。それは《削りゆく命》。セットしてから経過したターン数につき１枚手札を捨てなければならないカード。あの伏せカードの中に潜んでいるだろう。迂闊に攻撃出来ない……！これは！)

「魔法カード《二重魔法》発動！手札の魔法カードを墓地に送り、お前の墓地の魔法カードを俺の場にセット出来る！俺がセットするのは、《天よりの宝札》！」
「なんだと！」
「これでお互いに手札が6枚になるようにカードをドローする！」

オシリスの天空竜 ATK6000

(たとえ伏せてあるカードが《削りゆく命》だとしても、１ターンしか経っていない今、捨てる手札は1枚。攻撃力4000のオベリスクを倒せる！)
「バトルだ！《オシリスの天空竜》の攻────」
「させるかぁ！速攻魔法《コマンド・サイレンサー》」

鳥の石像のような物が出現し、音波を放つ。

「《コマンド・サイレンサー》は相手の攻撃命令を無効にし、カードを1枚ドローする！」
「くっ……！」

(次のターン、奴は必ず《削りゆく命》を使ってくる。そうなればオシリスの攻撃力はオベリスクと同じ4000。手札を消費し、オシリスの攻撃力を下げた瞬間やられる。だが！)

「3枚カードを伏せる！ターンエンド！」
「オシリスの攻撃力を下げてまで伏せるだと？」
「勝負だ海馬！」
「俺のターン、ドロー！」

海馬は遊戯の行動を怪しく思いながらもカードを引いた。

「この瞬間魔法カード《手札抹殺》発動！お互いに手札を捨て、捨てた枚数ドローする！」
「手札交換カードだと！だが、手札交換では攻撃力は変わらないはず……！」
「それはどうかな？もう１枚罠カード《堕天使の施し》発動！これにより、このターン魔法カードの効果で捨てたカードを手札に戻す！これでオシリスの攻撃力は6000！」
「くっ！だが、その程度は想定内だ！貴様が手札増強カードを多く入れている事は知っている！そして、そのデメリットは強すぎる上に相手にも手札増強をさせてしまうということだ！手札から《欲望の代償》発動！その効果により、この2体のモンスターを特殊召喚！来い！《ブレイドナイト》《ソード・オブ・ソウル》」
「無駄だぜ海馬！いくら雑魚モンスターを並べてもオシリスによって粉砕するぜ！いけ！『召雷弾』」
「そんな事は分かっているわ！《ガードオブカード》発動！手札を1枚をコストに、1度だけモンスター効果によって俺のモンスターは破壊されない！」

カードが挿入された盾によってブレイドナイトとソード・オブ・ソウルは守られた。

「オシリスの効果を防いだ……！」
「そしてオベリスクの効果を発動！《ブレイドナイト》《ソード・オブ・ソウル》を生贄に相手プレイヤーに4000ポイントのダメージを与える！これで俺の勝ちだ！！」

オベリスクの巨神兵はブレイドナイトとソード・オブ・ソウルを掴み取りエネルギーに変えていく。

「これが決まれば海馬くんの勝利か……」
(ふふ、決まればの話だけどね……)

「終わりだ遊戯！『ゴッドハンド・インパクト』！」

オベリスクの拳が遊戯に襲いかかる。

「俺は手札の《クリアクリボー》の効果を発動！効果ダメージを無効にする！」
「何！？」

オベリスクの前に現れたクリボーが砕かれ、爆煙が上がる。

「オベリスクの必殺の一撃を躱しただと！？おのれ……カードをセット！」

（これで海馬の手札は0枚これならオベリスクに勝てる！）

「俺のターン！ドロー！この瞬間、《オシリスの天空竜》の攻撃力は6000に戻る！やれオシリス！『超電導波サンダー・フォース』！」
「この時を待っていた！罠カード発動！《パワーバランス》！このカードは手札が0枚の時のみ発動できる！相手は手札を半分以下になるように手札を捨て、捨てた枚数だけ俺はドローする！これで《オシリス》の攻撃力は3000！返り討ちにしてくれる！」
「ふ、慌てるなよ海馬！手札より魔法カード発動！《ネクロマンシー》！」

遊戯がカードを発動すると、海馬の墓地からX-ヘッド・キャノン、ブレイドナイト、ソード・オブ・ソウル、カイザー・シーホースが現れた。

「何が……！」
「海馬、お前は《オベリスク》の効果を使いたいんだろう？俺がそれを手伝ってやるぜ！」
「まさか本当に《オベリスク》の生贄を揃えたというのか……！」
「《ネクロマンシー》は相手モンスターが1体のみの時に発動できるカードだ！相手の墓地からランダムで4体特殊召喚する！だが、この効果で特殊召喚したモンスターが破壊される度に、最初に場にいたモンスターの攻撃力をターン終了時まで600ダウンさせる！」
「まさか！」
「そうだ、お前の場に特殊召喚された事は当然《オシリス》の効果も適用される！やれ！『召雷弾』」

オシリスの口から発射された一撃によって4体のモンスターが破壊された。

「《ネクロマンシー》の効果により、《オベリスク》の攻撃力は2400ダウンする！これで再び《オシリス》の攻撃力が上回ったぜ！」
「ふぅん……それはどうかな」
「何……！」

オベリスクの攻撃力数値を確認すると、2600に上がっていた。

「《ソード・オブ・ソウル》が破壊され、墓地に送られた場合。俺の場のモンスターの攻撃力を1000アップさせる！そして貴様は《ネクロマンシー》を使ったことで《オシリス》の攻撃力は2000となっている！これで再び《オベリスク》が上回った！そして貴様は《オシリス》の攻撃を取り下げることは出来ない！」

オベリスクは拳を振りかざすと、オシリスに向かって振りかぶった。
しかし、

「どうした！《オベリスク》！」
「残念だったな、海馬！バトルフェイズは終了だぜ！」
「なんだと！？」
「俺は3枚目の伏せカード《重力解除》を発動した！これにより、お互いのモンスターは表示形式を変更しなければならない！これで《オシリス》も《オベリスク》も守備表示になり攻撃その物が無くなった！俺はカードを枚伏せターンエンド！」
「ふふふ……」

突然、海馬は肩を震わせ笑い出す。

「これだ……！これこそ、俺が求めていた戦い！俺の想定の1歩2歩先の戦術を出してくる！あの忌々しい野崎遊香や遊戯、貴様とのデュエルは俺の中のアドレナリンを掻き出し、血液を沸騰させ、更なる高みへ登らせる！」

海馬は拳を強く握ると、ワナワナと震わせる。

「そして先ずは貴様を倒し、マリクか遊香、勝ち上がってきた奴を叩き潰しこの俺が戦いのロードの覇者になるのだ！俺のターン！！ターンが進んだことで《ネクロマンシー》の効果は切れた！攻撃だ《オベリスク》！最強の神はお前だ！！」
「これに掛けるしかない！魔法カード発動！《魔法の教科書》！その効果によりデッキからカードをドローし、そのカードが魔法カードならその効果を適用できる！」

遊戯はデッキに指を掛ける。

「ドロー！！」

遊戯の目は見開いた。

「引いたぜ！《天よりの宝札》！」
「馬鹿な！！ここに来て最強のドローカードを引いたというのか！？」
「これにより、お互いの手札は6枚！《オシリス》の攻撃力も6000だ！《オシリス》！反撃だ！『超電導波サンダー・フォース』！！」
「まだだ！！《削りゆく命》！！」
「しまった！これで《オシリス》の攻撃力は……！」

オシリスの天空竜 ATK4000
オベリスクの巨神兵 ATK4000

2つの巨大なエネルギーはぶつかり合い、会場は光に包み込まれた。