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第八話 幼き星 作:ヨッハン
「ふぁぁぁあ。」
俺は思わず大きな欠伸(あくび)をしてしまった。
今、俺はバイトで客がいないからでもあるが、昨日は夜遅くまで眠れなかった。
いや、眠らせてくれなかった。
「おやおや、裏星氏。真面目なあなたが欠伸とは。」
「いやぁ、居候先の人の宿題を手伝わされてたんですよ。」
「はぁ、伊弉波さん?だっけ、君も忙しいね。」
この人はバイト先の先輩。鵜隅さん、『うずみ』と読む。
昨日についての報告をさせてもらう。俺は昨日、鳥部にEDQとやらについて聞こうと思ったのだが、突如の伊弉波さんに呼び出しをくらった。「契約切るぞ、オラ!」と、とんでもない脅しを受けてしまったので。やむなく帰ると、血相変えた伊弉波さんが居たもんだから、いったいどうしたかと聞いたら、「課題が終わらん!」とね、以上。
「はい、コーヒー。」
「どうも・・・。」
「とりあえずカードを買いに来る人が多いのは学校終わった時間だからね。あと、15分ぐらいかな?」
「うっす。」
しばらくしてから。ほぼ同期の板橋さんも来た。
「大丈夫ですか?ほっしー。」
「ええ、なんとか。」ほっしーとは、俺のことだ。
その時、一人の客が入ってきた。小さい小学2、3年ぐらいの子だ。
「「いらっしゃいませ。」」けど、客は客である。小さい子がたまに、スズメの涙ほどのお金でパックを買いに来たりするし、そこそこのレアカードを買う子供だっている。
その子はくるくると様々なカードを見回って、たまに財布を開いて値段とにらめっこしている。その光景が昔の自分と重なってしまって思わずにやけてしまった。
「おい。店員さん?」
「はい!?」と、思わず顔を上げると記憶に残っている女がいた。
「ドリル・ウォリアーさん・・・?」
「そんな名前ではない、ガイアだ。ともかく今日はその『ドリル・ウォリアー』を返しにもらいに来た。」
「あ、すいません。鳥部に渡しておけばよかったかな。」とデッキケースからそれを取り出した。
「私の思い出のカードなんだ。すまないな。」
そんなガイアさんは、すこし遠くを見るような目をしていた。きっと、あのカードといろいろな事があったのだろう。
「そうだ、これ鳥部から。『使うだろ?』だってよ。」
渡されたものは灰色がかった名前も柄もないカードの束だった。
ガイアさんはしばらくカードを見ているようだ。その時、ものすごい笑い声をしながら「俺、チャラいでしょ。」オーラを出している連中が現れた。ぞろぞろとまとまってカードを見ている。鬱陶しい。
「どうなっているんだか。」向こうの世界でもこっちの世界でも似たようなやつがいるってことか。と、思わず自問自答してしまった。
「う~ん、最近来てなかったのにな。」と鵜隅さんも奴らには困っているようだ。
「ちょっと注意してきます。うるさいって、」
さっきの子が困っていそうだったからだ。
「うん、気をつけてね。」
すたすたと彼らに近づく。
「すいません、お客様。他のお客様のご迷惑になるので、道を塞ぐような真似はやめてください。」
「あん!?ちぃ、しゃねぇなあ。」分かってくれたか?いや、一時的だろうな・・・。
レジに戻ろうとしたとき。エプロンを引っ張られた。
「これ、欲しい。」あの子だ。
「ええと、どれ?」
「『パペット・ネクロン』!!」と彼女はショーケースを指差した。
「わかりました。」と、鍵を取り出しショーケースを開けて、『パペット・ネクロン』を取り出した。
「これで良い?」と聞くと、彼女はこくこく、と縦に首を動かした。
そして、一緒にレジに行き会計を済ますと。
「ありがとう!おにぃちゃん!!」と言ってくれた。少し幸せな気分になった。
だが、事はしばらくして起きた。
「まちな譲さん!!」ガイアさんの声だ。
譲さんとはさっきの子のようだ。突然呼び止められてびくびくしている。
「さっき買った『パペット・ネクロン』を見せてくれない?」今度は優しい声だ、大声を出したのを反省したらしい。
オドオドしながらさっき入れたバックの中を見た。
「ない!!ここに入れたのに!」今にも泣きそうだ。
「何があったんですか?ガイアさん!」と近寄ると。
「おい、お前らなんか知っているだろう。」かまわずガイアさんの視線はチャラ野郎達だ。
「しらねぇな。」
「しらっばくれんなよ!私は見てたんだからな。その手に持っているものは何だ!?」
「しらねぇよ。これは俺のだよ、」とは言っているが、みんな笑っている。
「助けって、ぐす。あのカードずっと欲しかったの!!」
イラついてきた・・・。こいつらがやったのかと、ガイアさんの目を見ると。小さくうなずいた。
「鵜隅さん、先に上がります。」と俺は鵜隅さんに言い放った。
「お前らそのカードを返せ。」
「は?これは俺の『パペット・ネクロン』だよ。」
「じゃぁ見せてみろよ。それには俺とお前とこの娘の指紋がついているぜ。」
「しらねぇよ!欲しいんだったら力づくで取って見ろよ!」
「いいぜ!!だが、本気で行かせてもらう。」このまま続けても無駄だ。他人の目があるが構わない、このデッキだ。
「「デュエル!!」」
「ルールはストリート!ライフは4000からだ!先行はこの俺様から!ドロー。」
やつの初手は?
「『二重召喚』発動!『アックス・ドラゴニュート』『ジャイアント・オーク』を召喚!」
「相手がモンスターの通常召喚・反転召喚・特殊召喚を二度行ったとき。このカードを特殊召喚できる。『輝星-アクレーラ』を特殊召喚!」
巨大な鷲が翼を広げ手札から飛翔する!
「何だそのカード!?カードを1枚セットしてターンエンド!」
「俺のターン。ドロー!『輝星-エアリーズ』を召喚!」
レベルが9か・・・。速攻で決める!
「レベル3エアリーズにレベル6アクレーラをチューニング!!空にきらめく星星よ、可憐な姿を現し人々の思いに応えよ!!シンクロ召喚!割目せよ。『輝星-アンドロメダ』!」
可憐な姫がフィールドに舞い降りる!
次回予告
「来た!!これが俺様の無敵コンボ!」
「やらせない!!」
「『パペット・ネクロン』!!」
次回『正義の星』
「よくもやってくれたな!!だが・・・。」
俺は思わず大きな欠伸(あくび)をしてしまった。
今、俺はバイトで客がいないからでもあるが、昨日は夜遅くまで眠れなかった。
いや、眠らせてくれなかった。
「おやおや、裏星氏。真面目なあなたが欠伸とは。」
「いやぁ、居候先の人の宿題を手伝わされてたんですよ。」
「はぁ、伊弉波さん?だっけ、君も忙しいね。」
この人はバイト先の先輩。鵜隅さん、『うずみ』と読む。
昨日についての報告をさせてもらう。俺は昨日、鳥部にEDQとやらについて聞こうと思ったのだが、突如の伊弉波さんに呼び出しをくらった。「契約切るぞ、オラ!」と、とんでもない脅しを受けてしまったので。やむなく帰ると、血相変えた伊弉波さんが居たもんだから、いったいどうしたかと聞いたら、「課題が終わらん!」とね、以上。
「はい、コーヒー。」
「どうも・・・。」
「とりあえずカードを買いに来る人が多いのは学校終わった時間だからね。あと、15分ぐらいかな?」
「うっす。」
しばらくしてから。ほぼ同期の板橋さんも来た。
「大丈夫ですか?ほっしー。」
「ええ、なんとか。」ほっしーとは、俺のことだ。
その時、一人の客が入ってきた。小さい小学2、3年ぐらいの子だ。
「「いらっしゃいませ。」」けど、客は客である。小さい子がたまに、スズメの涙ほどのお金でパックを買いに来たりするし、そこそこのレアカードを買う子供だっている。
その子はくるくると様々なカードを見回って、たまに財布を開いて値段とにらめっこしている。その光景が昔の自分と重なってしまって思わずにやけてしまった。
「おい。店員さん?」
「はい!?」と、思わず顔を上げると記憶に残っている女がいた。
「ドリル・ウォリアーさん・・・?」
「そんな名前ではない、ガイアだ。ともかく今日はその『ドリル・ウォリアー』を返しにもらいに来た。」
「あ、すいません。鳥部に渡しておけばよかったかな。」とデッキケースからそれを取り出した。
「私の思い出のカードなんだ。すまないな。」
そんなガイアさんは、すこし遠くを見るような目をしていた。きっと、あのカードといろいろな事があったのだろう。
「そうだ、これ鳥部から。『使うだろ?』だってよ。」
渡されたものは灰色がかった名前も柄もないカードの束だった。
ガイアさんはしばらくカードを見ているようだ。その時、ものすごい笑い声をしながら「俺、チャラいでしょ。」オーラを出している連中が現れた。ぞろぞろとまとまってカードを見ている。鬱陶しい。
「どうなっているんだか。」向こうの世界でもこっちの世界でも似たようなやつがいるってことか。と、思わず自問自答してしまった。
「う~ん、最近来てなかったのにな。」と鵜隅さんも奴らには困っているようだ。
「ちょっと注意してきます。うるさいって、」
さっきの子が困っていそうだったからだ。
「うん、気をつけてね。」
すたすたと彼らに近づく。
「すいません、お客様。他のお客様のご迷惑になるので、道を塞ぐような真似はやめてください。」
「あん!?ちぃ、しゃねぇなあ。」分かってくれたか?いや、一時的だろうな・・・。
レジに戻ろうとしたとき。エプロンを引っ張られた。
「これ、欲しい。」あの子だ。
「ええと、どれ?」
「『パペット・ネクロン』!!」と彼女はショーケースを指差した。
「わかりました。」と、鍵を取り出しショーケースを開けて、『パペット・ネクロン』を取り出した。
「これで良い?」と聞くと、彼女はこくこく、と縦に首を動かした。
そして、一緒にレジに行き会計を済ますと。
「ありがとう!おにぃちゃん!!」と言ってくれた。少し幸せな気分になった。
だが、事はしばらくして起きた。
「まちな譲さん!!」ガイアさんの声だ。
譲さんとはさっきの子のようだ。突然呼び止められてびくびくしている。
「さっき買った『パペット・ネクロン』を見せてくれない?」今度は優しい声だ、大声を出したのを反省したらしい。
オドオドしながらさっき入れたバックの中を見た。
「ない!!ここに入れたのに!」今にも泣きそうだ。
「何があったんですか?ガイアさん!」と近寄ると。
「おい、お前らなんか知っているだろう。」かまわずガイアさんの視線はチャラ野郎達だ。
「しらねぇな。」
「しらっばくれんなよ!私は見てたんだからな。その手に持っているものは何だ!?」
「しらねぇよ。これは俺のだよ、」とは言っているが、みんな笑っている。
「助けって、ぐす。あのカードずっと欲しかったの!!」
イラついてきた・・・。こいつらがやったのかと、ガイアさんの目を見ると。小さくうなずいた。
「鵜隅さん、先に上がります。」と俺は鵜隅さんに言い放った。
「お前らそのカードを返せ。」
「は?これは俺の『パペット・ネクロン』だよ。」
「じゃぁ見せてみろよ。それには俺とお前とこの娘の指紋がついているぜ。」
「しらねぇよ!欲しいんだったら力づくで取って見ろよ!」
「いいぜ!!だが、本気で行かせてもらう。」このまま続けても無駄だ。他人の目があるが構わない、このデッキだ。
「「デュエル!!」」
「ルールはストリート!ライフは4000からだ!先行はこの俺様から!ドロー。」
やつの初手は?
「『二重召喚』発動!『アックス・ドラゴニュート』『ジャイアント・オーク』を召喚!」
「相手がモンスターの通常召喚・反転召喚・特殊召喚を二度行ったとき。このカードを特殊召喚できる。『輝星-アクレーラ』を特殊召喚!」
巨大な鷲が翼を広げ手札から飛翔する!
「何だそのカード!?カードを1枚セットしてターンエンド!」
「俺のターン。ドロー!『輝星-エアリーズ』を召喚!」
レベルが9か・・・。速攻で決める!
「レベル3エアリーズにレベル6アクレーラをチューニング!!空にきらめく星星よ、可憐な姿を現し人々の思いに応えよ!!シンクロ召喚!割目せよ。『輝星-アンドロメダ』!」
可憐な姫がフィールドに舞い降りる!
次回予告
「来た!!これが俺様の無敵コンボ!」
「やらせない!!」
「『パペット・ネクロン』!!」
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「よくもやってくれたな!!だが・・・。」
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