第一話　絶望に導かれた皇帝　後編　作：のんねーむ。

　「ありがとう…これで君もこちら側だ…」
男は何か呟いたがなんて言ったかわからなかった。
デュエルスペースにつき互いに言葉を少なく交わす。
　「じゃあ、始めましょうか」
　「そうだね…」

　「…先行は私のようだ、ドロー…。私は手札からモンスターカードを1枚裏守備で召喚させてもらおう。カードを２枚セットしてターンエンドだ」

　「（先行なのに…展開もしない…？事故でもしている？もしくは展開力が遅いデッキ…？）俺のターン…ドロー！俺は手札より《増援》を発動する！このカードの効果でデッキから《英霊-剣客のムサシ》を手札に加える！」

　「ならば私は…伏せている《痛恨の瞬間》を発動。このカードの効果により私は君が手札に加えたモンスターと同じレベルのモンスターを特殊召喚させてもらう。君のムサシはレベル４。ならば私は…《終末の騎士》を特殊召喚。そして効果を発動だ。私は《レベル・スティーラー》を墓地に送らせてもらう」
　「ﾁｯ…俺は手札より《英霊‐剣客のムサシ》を通常召喚させてもらう！ムサシのモンスター効果を発動だ！このカードの召喚に成功したとき、このカードを除外することでデッキから戦士族モンスターを特殊召喚することができる！俺は《英霊‐剣客のムサシ》を除外しデッキから《英霊‐吟遊のタンホイザー》を特殊召喚させてもらう！」
　「ふん…デッキ圧縮か…」
「まだだ！《英霊‐吟遊のタンホイザー》のモンスター効果を発動させてもらう！自分の手札の魔法カードと「英霊」と名のついたモンスターカードを1枚ずつ墓地に送ることで自分の墓地の魔法カードをサルベージする！俺は、《英霊‐銀腕のヌァダ》と《治療の神ディアン・ケト》を墓地に送り、《増援》を手札に加える！」
　「なるほどな…」
　「手札から《増援》を発動！この効果で《英霊‐石虎のリコウ》を手札に加える！《英霊‐石虎のリコウ》はドロー以外の方法で手札に加えられたとき、自分フィールド上に存在するモンスターが「英霊」と名のつくモンスターだけだったら特殊召喚できる！俺はリコウを特殊召喚する！」
　「…ふむ…二枚目の伏せカード《寂寞の証明》を発動させてもらおう。このカードは相手が特殊召喚したときそのレベルと同じ闇属性のモンスターを１体特殊召喚する。私は２枚目の《終末の騎士》を特殊召喚させてもらう。そして効果を発動。私は《ダーク・クルセイダー》を墓地に送る。」
　「くっ…また俺のターンに特殊召喚だと…！？」
　「それだけで終わると思っていたのか？《寂寞の証明》にはまだ残りがある。このカードによって相手ターンのメインフェイズにモンスターを特殊召喚した場合、相手ターンのメインフェイズ１でエクシーズ召喚またはシンクロ召喚をすることができる。俺は《終末の騎士》を二体でオーバーレイネットワークを構築する。希望を失いし儚き皇よ、顕現しろ《dNo.39絶望皇ディザピア》」
　「…なんだよ…そのモンスター…黒い…ホープ…？」

次回に続く…