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遊戯王D.C① 作:ゆー
遊戯王Duel and Create
デュエルモンスターズ
その歴史は古く、遡ると古代エジプトの儀式を原点に持つと言われるカードゲームである。
現代において、その競技人口はとてつもなく、老若男女を問わず大勢のプレイヤーが存在する。
また知名度も高く、ニュースや配信サイト等等、デュエルモンスターズの話題を聞かない日はないだろう。
最もポピュラーなカードゲームであり、普遍的なカードゲームの一種、そんな評価であった。
──あの時までは。
ある時を境に、この世からデュエルモンスターズのカードが全て消えるという事件が発生した。
誰かが盗んだ訳でもなく、忽然と消えてしまったのである。
色々と憶測が飛んだ。曰く、
「宇宙からの侵略者の策略だ」
「人類がデュエルエナジーを消費しすぎたのだ」
「これもドン・サウザンドって奴の仕業なんた」
等等。。。
しかしながら原因は掴めず、混沌を極めていた。
そして、カード消失事件と時を同じくしてカードを生み出すことのできる人間が現れた。
絵を描き印刷するのではなく、文字通り生み出すのだ。
生み出すことのできるカードにも特徴があった。今まで使用されてきたカードとは別に、誰も見たことのない、オリジナルのカードを生み出すことが出来たのだ。
従来通り使用されていたカードは、生み出されたカードだとしてもデュエルディスクに反応し使用することが出来た。
そして、オリジナルのカードも同様に使用することができた。
そんな事件から幾許かの月日が経ち、デュエルモンスターズの常識は一新された。
今時代におけるデュエルモンスターズとは、カードを創札(クリエイト)し、それを用いて決闘(デュエル)を行う競技である。
ここに未来のトップ決闘者を育成する教育機関『闘創学園(とうそうがくえん)』がある。
デュエルモンスターズの競技性の変遷から時流に取り残されぬべく、デュエルやカードの知識の教育に限らず、カードの創り方やその能力を引き伸ばすことにも注力しており、膨大な生徒数を抱える学び舎である。
そして、その門戸を叩かんとする一人の少年がいた。
──────
─────
────
place:闘創学園 1年A組
「では、まずは自己紹介からしていきましょう♪」
教壇に立つ女教師はホワイトボードに名前を書きながらそう言った。彼女は水色髪のショートカットで眼鏡を掛けており、どこか幼い印象を受ける人物であった。
「最初は先生からの自己紹介になります♪私の名前は今田 舞(いまだ まい)、皆さんの今学期の担任として就くこととなりました♪」
「この学園に入学して間もない皆さんがいち早く学園に馴染めるよう尽力していきます♪どうぞよろしくお願いします♪」
ヨロシクオネガッシアース パチパチパチ
緊張からか、生徒からは控えめな返事と拍手が送られた。
「じゃあ次は出席番号1番の──」
そしてこのクラスで誰よりも緊張してるであろう人間こそがこの俺なのであった。クラスメイトの自己紹介は進んでいっているが耳を傾ける余裕もない。
何故こんなにも緊張しているかと問われても語るほどの大きな理由はなく、ただ単に自身を取り巻く環境が一新されるタイミングが苦手な性格なのだ。
特に学校への入学のタイミングなんてものは、周りに知り合いがいなければ新たに人間関係を作っていかねばならないのでその心労が心に重くのしかかってくるのだ。
別に友達を作るのが嫌とかではないが、見ず知らずの初対面の人に話しかけていくのは心のハードルが高いし、なにより・・・
「──くん、──遊くん?次は小鳥遊くんですよー?」
ふと気付けば先生が俺の名を呼んでいた。
それはもう既に自己紹介の番が回ってきていることを表していた。
(やべぇ、周りの声が全然聞こえてなかった!)
「あ、は、はい!小鳥遊 広です!皆さんよろしくお願いします!」
小鳥遊 広(たかなし ひろ)
性別:男性
使用テーマ:
黒髪黒目の至って普通な学生。決闘と創札がとても好きで己の生きがいとなっている。
使用するオリジナルテーマはまだ定まっておらず、様々なカードを使用する。
今作の主人公。
パチパチパチ
思考が迷走していたせいで危うく悪目立ちをするところであった。…いや、悪目立ちしてしまったか?
緊張からか若干空回り気味な自身の気持ちを落ち着けつつ他のクラスメイトの自己紹介を聞いていると、自己紹介はそう長くは掛からず出席番号30番まで周り、自己紹介のターンは終わった。
1時限目は学園の施設等の説明で終わり、実際の授業は2時限目から始まるようである。
そして今はその時限の間の休憩時間だ。
(どうしよう、とりあえず隣の席の奴に話しかけてみるか?)
俺の席の位置は一番右列の一番後ろ。教室の出入口近くの位置。
ひとまずは隣の席に話しかけてコミュニケーションを取るべきだろう。
周りを見れば他のクラスメイト達もコミュニケーションを取り出しており、うかうかしていれば取り残され、果てにはグループに属せずぼっちになってしまう可能性すらある。
(でもなんて話しかければいいんだ?!)
(無難にとは思うが無難ってなんだよ!?まず話題の切り出し方が分からん!「こんにちは〜」って話しかけるのも変な気がするしなぁ〜?)
分からん!分からんすぎて知恵熱が出る!
考えども考えどもいい案は浮かばずこれ如何に。
「…険しい顔してるけど、どうかしたのかな?」
「あ、あぁ。隣の席のクラスメイトになんて話しかける時の正解を考えてたんだが、中々これが難しくてな」
「なにそれ。それって隣の席のクラスメイト張本人であるボクに言って良かったの?」
はっとして隣を見れば、可笑しそうに笑うクラスメイトがいた。
そしてそのクラスメイトは咳払いを一つ。
「ボクは五十嵐 希空。よろしくね」
五十嵐 希空(いがらし のあ)
性別:男性
使用テーマ:楽園
クリーム色の髪に碧眼を持つ中性的な少年。小柄な体格も相まって女性に見間違われることもしばしば。
「俺は小鳥遊 広。こちらこそよろしく」
「うん、よろしく!」
可憐な男子、それが希空への第一印象だった。
というか男子であってるよな?いや男子の制服着てるから男子だとは思うが、男子とは思えないくらいに顔が整ってるぞ??
俺ぁ分からん!こんな人間国宝級の容姿を持つクラスメイトと何を話すのが正解か分からん!
「五十嵐は、あー、地元は学園の近くなのか?」
とりあえず普遍的な話題を振ってみる。というか普遍的な話題くらいの会話デッキを持ち合わせていなかった。
「希空でいいよ、ボクも広って呼ぶからさ」
「地元は学園の近くって程ではないけど、駅で3駅くらいのとこに住んでるよ」
下の名前呼び!?下の名前なんてここ数年家族にしか呼ばれたことないぞ!?
やっぱコミュ強の人間ってすごいんだなぁ!?
「じゃ、じゃあ遠慮なく希空って呼ばせてもらうわ」
「そうすると、近場のデュエルスクールに行こうって感じでこの学園に入った感じか?」
「そんな感じだね〜」
「広はどうして闘創学園に?」
「決闘だけじゃなくて創札にも力を入れてるのに惹かれた感じだなぁ」
「ふぅん」
「創札好きなんだ?」
「好きだぜ!生きがいと言っても過言じゃないくらいには!」
…希空くんいいやつでさ(ステゴ並感)
初対面なのにめちゃめちゃ話しやすすぎる。さっきまでの緊張はなんだったのかと思うくらいだ。
コミュニケーション弱者の俺には心臓に悪い距離の詰め方だったけどな!
いや、こんくらいが普通なんだろうな!
俺は!!!!(コミュニケーション能力が)弱い!!!!
「今日の昼休みにでもさ、広が創札したカード見せてよ」
「お、いいぜ」
「希空が作ったカードも見せてくれよな」
「おっけー」
次の昼休みの約束まで取り付けちゃったよ。
っぱコミュ強すげぇわ。
「はーい、次の授業が始まりますよ〜♪皆さん席に戻ってくださいね〜♪」
他愛もない話をしていれば、次の授業の時間になっていた。
先生からの呼びかけに応じ、クラスの面々は自身の席へ戻っていった。
「にー、しー、ろー、やー、、、はい♪全員居ますね♪」
「そうしましたら、次は実習室での授業になります♪移動教室になるので、皆さんははぐれないように先生の後に着いてきてください♪」
ハーイ
そう促され、ぞろぞろと実習室へ移動して行くのであった。
place:闘創学園 第1実習室
「はいでは皆さん♪今から決闘をしてもらいます♪」
今田先生は実習室の教壇に立ちそう告げた。
この第1実習室は大きさがおよそサッカーコート半面分程もある巨大な屋内施設である。
施設内にはデュエルコートが20面備えられており、多くの生徒が同時に決闘をすることが可能となっている。またデュエルコート以外にも、授業用の教壇・ホワイトボード・机等が置かれたエリアもあり、普通に授業をすることも可能となっている。
「クラスメイトとの交流を兼ねていますので、皆さん同士で相手を見つけて2人1組のグループを作ってください♪」
先生は朗らかにグループを作るようクラスへ促す。
ただそれは、俺に取って底知れぬ恐怖を思い起こさせる言葉であった。
な、なんて残酷な!?
学校においての「グループを作ってくださ〜い」は死人が出かねない所業ですが!?何らかの条約には違反してると思うんですが!?
特に言えば!俺が!これまでそのセリフで!何回苦しめられてきたか…!
だ・が、今回の俺は致命傷を回避できる!
思い出されたトラウマによって痛み出した腹部を手で擦りながら俺は希空の方へ向かう。
希空の方は向かってくる俺に気付いたのかこちらへ近寄ってくる。
そして向かいあったところで俺は勢いよく頭を下げる。
「希空さぁん!俺と決闘してくださぁい!」
思ったより大きい声が出てしまい周りからの視線が飛んでくるが関係ない!こちとらぼっちになる方が死活問題なんじゃ!
「も、もちろん!さっきカードを見せ合う約束もしてたから丁度いいしね!…でもなんで急に敬語?」
希空は少し困惑した様子であったが、持ち直して頷く。
対照に、俺は握りこぶしを掲げてガッツポーズを取る。
希空様マジ神!
ガチでさっき希空と話しといて良かったわ…
…いや話せたのも希空のお陰だし俺は何もしてないんだけどな!
「マジで助かるぜ…。俺グループとか作るのホントに苦手でよ…」
「あはは、本当に苦手そうだね」
「ボクで良ければどんどん頼ってよ」
ホントですか!?言質は取りましたぜ!?
「じゃあ今後遠慮なく希空のこと頼っていくからな!?見捨てられたら人目を憚らずに泣くから肝に命じるように!」
「なぁんでお願いする立場の方が偉そうなのさ」
しらーっとした視線を希空は向けてくる。
「違いますやん!冗談ですやん!…マジで見捨てないでね!?ホントに泣くからね!?」
「あっはっは!」
「…まあでも?頼られるのは悪い気はしないし?吝かではないかな?」
「よきにはからえ?」
「ははーっ!」
得意気にする希空に対し、俺は頭を垂れて敬服するのであった。
その後も軽口を言い合っていると、他のクラスメイトのグループも決まったようで、それぞれのグループはデュエルコートへ散っていった。
デュエルコートで決闘開始の合図を待っていると、実習室内の放送器具から音声が聞こえ始める。
「皆さん準備は大丈夫ですか〜?…大丈夫そうですね♪入学してから初めての記念すべき決闘楽しんでください♪それでは───」
「決闘開始!」
「「決闘!」」
小鳥遊 広(後攻) VS 五十嵐 希空(先攻)
俺たちはデュエルコートで向かい合いながら決闘の宣言をする。
「さぁて、手加減はしないよ!」
「だから広も全力で来てよね!」
「もちろん!やるからには全力だ!」
俺の返事に満足したのか希空は笑みを浮かべると、一度深呼吸を挟んだ後にキリッとした表情になる。
「よし!ボクのターン!」
「ボクは手札から《楽園の原初》を発動!」
楽園の原初
通常魔法
このカードの発動に対して相手は効果を発動できない。
①デッキから「楽園」1枚を発動する。その後、デッキから「楽園」モンスター2体を選んで自分フィールドに特殊召喚できる。
「その効果によりデッキから《楽園》を発動し、楽園モンスター《楽園の帝王 ブラック》と《楽園の少女 アカネ》を特殊召喚!」
楽園
フィールド魔法
このカード名のカードはデュエル中に1度しか使用できず、このカードの発動に対して相手はカードを使用できない。
①このカードは相手の効果を受けない。
②自分スタンバイフェイズに発動する。このカードにカウンターを1つ置く。
③自分メインフェイズ1開始時に発動する。このカードに乗っているカウンターの数によって以下の効果を順番に適用する。この効果の発動に対して相手は効果を発動できない。
●1つ以上:自分のLPを8000にする。
●2つ以上:自分のデッキ・墓地から「楽園」カード1枚を選んで手札に加えることができる。
●3つ以上:自分のデッキから「楽園」モンスターを可能な限り特殊召喚できる。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
●4つ以上:自分フィールドのカードの枚数が3枚になるようにこのカード以外のカードを墓地へ送る。
●5つ以上:このターンの終了時、自分のLPの数値分だけ自分のLPを失う。
楽園の帝王 ブラック
攻撃力3000/守備力2400
レベル:8
属性:地属性
種族:獣族
効果モンスター
このカード名の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか使用できない。
①自分フィールドに「楽園」が存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
②このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。デッキから「楽園」速攻魔法・通常罠カード1枚を手札に加える。
③このカードがフィールドに存在する限り、フィールドのモンスターのレベルは変更できない。
楽園の少女 アカネ
攻撃力2000/守備力2000
レベル:5
属性:地属性
種族:獣族
効果モンスター
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①自分フィールドに「楽園」が存在する場合に発動できる。デッキからレベル5以上の「楽園」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
②自分フィールドの「楽園の少女 アカネ」以外の「楽園」モンスターの攻撃力は500アップする。
③フィールドにこのカードよりレベルの高いモンスターが存在する場合、このカードは破壊されない。
希空が召喚したのは、ネズミ耳や尻尾が生えた獣人型のモンスターだった。
ブラックは帝王の名に相応しく気煌びやかな装飾が施された召し物を身につけ、強靭な身体付きをしたモンスターで、
対照的にアカネはあどけない雰囲気を持ち合わせた少女のようなモンスターであった。
「そしてブラックの特殊召喚時効果!デッキから《楽園の営み》を手札に加える!」
「さらにアカネの効果により、アカネ以外の楽園モンスターは攻撃力が500アップする!」
楽園の帝王 ブラック
攻撃力3000→3500
「自分フィールドに楽園が存在するためアカネの効果を発動!デッキより《楽園の無頼 ダイコク》を特殊召喚!」
楽園の無頼 ダイコク
攻撃力2300/守備力2300
レベル:6
属性:地属性
種族:獣族
効果モンスター
① 相手モンスターの攻撃宣言時、自分フィールドに「楽園」が存在する場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。その後、その相手モンスターを破壊する。
②このカードが戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。その相手モンスターを破壊する。
楽園の無頼 ダイコク
攻撃力2300→2800
次に召喚したモンスターもまたネズミの獣人型のモンスターで、スーツ姿に中折帽を被った何処かアウトロー臭のするモンスターだった。
「カードを1枚セット!ボクはこれでターンを終了するよ!」
五十嵐 希空
LP8000
手札:4枚
バトルゾーン:楽園の帝王 ブラック
楽園の少女 アカネ
楽園の無頼 ダイコク
魔法・罠ゾーン:伏せカード1枚
フィールド魔法ゾーン:楽園
「これが希空のオリジナルカード、『楽園』か!」
やはり他人の創札したカードを初めて見る時はワクワクが止まらなくなる!しかもそれを間近で、実際に決闘の中で知ることができるのは特に堪らない!
これぞ創札したカードを使うようになってからのデュエルモンスターズの醍醐味だ!
「そうだよ!ボクの自慢のモンスター達を突破できるかなっ?」
「ご期待に添えるよう全力で突破してみせるさ!」
とは言ったもののなかなかの布陣。突破するには多少骨が折れる。
見えている中には効果無効を持つモンスターはないが、手札誘発や伏せカードに警戒をすべきだろう。
(まあまずはカードを引かないことには始まらねぇな)
「俺のターン!ドロー!」
…よし!この手札なら!
「まずは手札から魔法カード《地神砂海の砂嵐》を発動!効果によりフィールドの守備力より攻撃力が高いモンスターを全て破壊する!」
地神砂海の砂嵐
通常魔法
効果
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①フィールドの守備力より攻撃力の高いモンスターを全て破壊する。
②自分フィールドに「地神砂海"ガルメギス"」が存在し、このカードがこのターンに墓地へ送られていなければ発動できる。墓地のこのカードを自分フィールドにセットする。
魔法を使用したことで砂嵐が吹き荒れ始める。そしてその砂嵐は相手モンスターを襲う。
この効果が通れば一気に形勢逆転できるが、どうだ?
「ボクはそれにチェーンして手札の《楽園の無情 カヤ》をリリースして効果を発動!その効果により地神砂海の砂嵐の効果を無効にする!」
楽園の無情 カヤ
攻撃力0/守備力0
レベル:1
属性:地属性
種族:獣族
効果モンスター
このカード名のカードの①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①自分フィールドに「楽園」が存在し、相手が効果を発動した場合、手札・フィールドのこのカードをリリースして発動できる。その効果を無効化する。
②このカードが墓地に存在し、自分のフィールドに「楽園」モンスターが存在しない場合に発動できる。このカードを手札に加えるか自分フィールドに特殊召喚する。その後、自分はLPを2000失う。
砂嵐は忽ちにかき消されてしまい相手のモンスターを破壊するには至らなかった。
「そう易々と逆転させてはくれないか」
手札を4枚も抱えているんだ。手札誘発のカードがあるのは当たり前と言えば当たり前だ。
ただ、それは想定内!
「なら俺は《地神街の看板娘ガルシャーヌ》をペンデュラムスケールにセット!」
地神街の看板娘ガルシャーヌ
攻撃力500/守備力2000
レベル:3
属性:地属性
種族:爬虫類族
ペンデュラムモンスター
【P効果(Pスケール:青1/赤1)】
①自分がモンスターを召喚・特殊召喚した場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。
②自分フィールドの守備表示モンスターの守備力は1000アップする。
【モンスター効果】
①自分フィールドに「地神街"ガルド・バザール"」が存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
②1ターンに1度、自分のLPを500払って発動できる。デッキから「地神街の看板娘ガルシャーヌ」以外の戦士族・爬虫類族・恐竜族モンスター1体を選んで手札に加え、このカードの守備力を500アップする。
「そして《神界の冒険者》を召喚!」
神界の冒険者
攻撃力1800/守備力1000
レベル:4
属性:(なし)
種族:戦士族
ペンデュラムモンスター
【P効果(Pスケール:青0/赤10)】
①もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。このカードをそのPゾーンに置く。
【モンスター効果】
このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①このカードの属性は、自分フィールドに存在するそれぞれのモンスターと同じ属性としても扱う。
②このカードは、このカードと同じ属性のモンスターの効果を受けない。
③自分がモンスターを召喚・特殊召喚した場合に発動できる。自分の手札・デッキからこのカードと同じ属性のモンスター1体を選んで特殊召喚する。
「ガルシャーヌのP効果!ガルシャーヌ自身を特殊召喚する!」
こうして俺の場には2体のモンスターが並ぶ。
ガルシャーヌは上半身が人間で下半身が蛇のいわゆるラミア型のモンスターで、看板娘の名が表す通り給仕姿の可愛らしい見た目をしている。
神界の冒険者は軽装に剣と盾を持った青年で、RPGに登場する勇者のような外見をしているモンスターだ。
「ガルシャーヌを特殊召喚したことで神界の冒険者の効果を発動!地属性モンスターがフィールドにいることで神界の冒険者もまた地属性になっている!よってデッキから地属性のモンスターを特殊召喚するぜ!」
「ならボクは手札の《灰流うらら》を捨てて効果を発動!その効果を無効化するよ!」
灰流うらら(OCGカード)
攻撃力0/守備力1800
レベル:3
属性:炎属性
種族:アンデット族
効果モンスター/チューナー
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①以下のいずれかの効果を含む魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカードを手札から捨てて発動できる。この効果を無効にする。
●デッキからカードを手札に加える効果
●デッキからモンスターを特殊召喚する効果
●デッキからカードを墓地に送る効果
能力を発揮しようとした神界の冒険者の周りに突如として桜が舞うと、神界の冒険者は思うように力が出せなくなってしまった様子であった。
「うおっ、2枚目の手札誘発もあったか!」
ここでもっと展開を伸ばして起きたかったんだがなぁ!
以後の展開を再考するため少し間を置き、俺は再度動き出す。
「俺はLPを500払いガルシャーヌの効果を発動!その効果によりデッキから《地神街の黄金王ミルダム》を手札に!そしてガルシャーヌの守備力は500アップする!」
小鳥遊 広
LP8000→7500
地神街の看板娘ガルシャーヌ
守備力2000→2500
「そしてそのままミルダムをPスケールへセット!」
地神街の黄金王ミルダム
攻撃力3000/守備力?
レベル:8
属性:地属性
種族:戦士族
ペンデュラムモンスター
【P効果(Pスケール:青9/赤9)】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
① 自分フィールドに「地神」永続魔法が存在しない場合、発動できる。デッキから「地神」永続魔法2枚を自分の魔法&罠ゾーンにセットする(同名カードは1枚まで)。その後、このカードを特殊召喚する。
【モンスター効果】
①このカードの元々の守備力は、自分フィールドに存在する「地神街の黄金王ミルダム」以外のモンスターの守備力の合計と同じ数値になる。
②このカードはこのカードの守備力より低い守備力を持つモンスターの効果を受けない。
③自分フィールドの「黄金トークン」以外のトークン1体を対象に発動できる。そのカードをリリースし、以下の効果を持つ「黄金トークン」(岩石族・地・星1・攻1000/守1000)1体を特殊召喚する。
●このカードをリリースして発動できる。自分フィールドのモンスターの守備力を1000アップする。
「それが広のデッキのエースモンスター?」
「そうとも!」
Pスケールには黄金王の名に恥じない黄金の装飾に身を包んだモンスターがふんぞり返っている。
「自分フィールドに「地神」永続魔法がないことでミルダムのP効果を発動!デッキから《地神街"ガルド・バザール"》と《地神砂海"ガルメギス"》を自分フィールドにセットし、ミルダム自身を特殊召喚する!」
通れ!この効果が通らなければかなりキツいぞ!マジで通ってくれ!
祈りながら希空の反応を伺うが、対抗してカードを使用する気配は無し。俺はなんとか要所を突破したことに安堵する。
「今程セットしたガルド・バザールを発動!その効果発動処理として手札を1枚捨て、デッキより地神モンスターを2体手札に加える!」
「俺が手札に加えるのは《地神街の武具屋ゼロード》と《地神街の情報屋ガルシル》だ!」
俺はデッキから2枚のカードを探し出し手札に加える。
「そしてガルド・バザールの効果により、自分フィールドに地神モンスターが存在すれば、地神以外のモンスターはその守備力をその攻撃力分の数値だけダウンさせなければ効果を発動できない!」
地神街"ガルド・バザール"
永続魔法
①このカードの効果発動処理として、手札を1枚捨て、デッキから「地神」モンスターを2枚まで選び手札に加えることができる。
②自分フィールドにこのカードと「地神」モンスターが存在する限り、フィールドの「地神」以外のモンスターはその守備力をその攻撃力分ダウンさせなければ効果を発動できない。
「な、なんだって!?」
希空は驚いた声を上げた。
「要するにフィールドにある守備力より攻撃力が高いモンスターは効果を発動できない」
「守備力が高いモンスターでも何回も効果は発動できなくなるロック効果だ!」
サーチしながらロックもできる永続魔法だし、これ強いんだよなぁ〜。
初見殺しなだけでこのカードを知られるとだいたいマスカンになって無効にされたり破壊されるようになっちゃうんだけどさ!
「そしてガルメギスの方も発動!効果発動処理としてデッキから《地神砂海の大流砂》を手札に加える!」
「さらにガルメギスの効果を発動し、《砂トークン》を2体特殊召喚する!」
地神砂海"ガルメギス"
永続魔法
効果
①このカードの効果発動処理として、自分のデッキ・墓地から「地神砂海"ガルメギス"」以外の「地神砂海」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
②1ターンに1度、発動できる。自分フィールドに「砂トークン」(岩石族・地・星1・攻/守0)2体を特殊召喚する。このトークンは素材にできない。
「ミルダムの効果!砂トークンをリリースし《黄金トークン》を特殊召喚する!」
「それを後もう一回使用するぜ!」
黄金トークン
攻撃力1000/守備力1000
レベル:1
属性:地属性
種族:岩石族
トークン
このカードをリリースして発動できる。自分フィールドのモンスターの守備力を1000アップする。
俺のフィールドにミルダムを模したかような黄金の彫像が2体現れる。
「黄金トークンの効果!リリースすることで自分フィールドのモンスターの守備力を全て1000アップする!」
地神街の看板娘ガルシャーヌ
守備力2500→3500
神界の冒険者
守備力1000→2000
黄金トークン
守備力1000→2000
地神街の黄金王ミルダム
守備力7500→8500
「先程手札に加えたゼロードの効果を発動!こいつは自分フィールドに地神街"ガルメギス"が存在することで手札から特殊召喚することができる!」
地神街の武具屋ゼロード
攻撃力1700/守備力2000
☆4
爬虫類族 地
効果モンスター
効果
①自分フィールドに「地神街"ガルド・バザール"」が存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
②1ターンに1度、このカードの守備力を1000ダウンして発動できる。デッキ・墓地から装備魔法カード1枚を選んで手札に加える。
③装備魔法カードが発動した場合、発動する。このカードの守備力を2000アップする。
ゼロードもまたラミア型のモンスターで、腰に工具袋を提げ手に革手袋を着けた、無骨な髭面が似合う如何にも武器職人と言ったモンスターだ。
「ゼロードの効果!ゼロードの守備力を1000ダウンすることで装備魔法をデッキから手札に加える!」
「俺が手札に加えるのは、《黄金剣-クリューサーオール》!そしてそのままクリューサーオールをミルダムへ装備!」
黄金剣-クリューサーオール
装備魔法
効果
①装備モンスターの攻撃力は、そのモンスターの守備力分アップする。
②装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。
黄金に輝く剣、クリューサーオールが天より降りて来る。ミルダムはその柄を握り、クリューサーオールを掲げる。
「装備魔法が発動したことでゼロードの守備力は2000アップ!」
「さらにクリューサーオールを装備したミルダムの攻撃力は、その守備力分アップする!」
ミルダムは金色のオーラを身に纏い、力を高めていく。
地神街の武具屋ゼロード
守備力2000→1000→3000
地神街の黄金王ミルダム
守備力8500→11500
攻撃力3000→14500
「2体目の黄金トークンをリリースして効果を使うぜ!」
地神街の看板娘ガルシャーヌ
守備力3500→4500
神界の冒険者
守備力2000→3000
地神街の武具屋ゼロード
守備力3000→4000
地神街の黄金王ミルダム
守備力11500→13500
攻撃力13500→16500
これで準備は整った。依然として使用されない伏せカードが怖いが、ここは攻める!
「バトルだ!地神街の黄金王ミルダムで楽園の帝王 ブラックに攻撃!黄金の乱撃(ゴールド・ラッシュ)!」
ミルダムはクリューサーオールを振り上げブラックへ突撃する。
ブラックはそれを迎え打つべく身構える。
この攻撃が通ればワンターンキルが成立するが、、、?
「その攻撃宣言時にボクは罠カード《楽園の摂理》を、アカネを対象に発動!」
「その効果により、アカネよりレベルの低いモンスターを全て破壊する!アカネのレベルは5!よってそっちのミルダム以外のモンスターは全て破壊されるよ!」
「なにぃ!?」
楽園の摂理
通常罠
効果
①相手のモンスターの攻撃宣言時に、自分の「楽園」モンスター1体を対象に発動できる。フィールドに存在するそのモンスターよりレベルの低いモンスターを全て破壊する。
俺のミルダム以外のモンスター達は、楽園の摂理から発せられる衝撃波を受ける。それぞれが防御姿勢をとるが抵抗虚しく破壊されてしまう。
「だが、ミルダムはまだ健在!攻撃力も下がったがブラックよりは上だ!」
地神街の黄金王ミルダム
守備力13500→2000
攻撃力16500→5000
ミルダムは手に持つ剣でブラックを数回切り付け、ブラックを戦闘破壊した。
「くっ…!」
五十嵐 希空
LP8000→6500
「俺はメインフェイズ2に移行し、カードを1枚伏せる!これでターンエンドだ!」
小鳥遊 広
LP7500
手札:3枚
バトルゾーン:地神街の黄金王ミルダム
魔法・罠ゾーン:地神街"ガルド・バザール"
地神砂海"ガルメギス"
黄金剣-クリューサーオール
伏せカード1枚
「圧巻のフィールドだね…!」
希空は驚いたような、感心したような面持ちで呟いた。
「応ともさ!」
「さぁ希空!次はそっちの番だぜ!全力で来い!」
俺は希空がそうしたように、対戦相手へのリスペクトを込めたエールを送る。
「もちろん!」
「さぁ行くよ!ボクのターン!」
入学最初の決闘はまだ始まったばかりだ。
デュエルモンスターズ
その歴史は古く、遡ると古代エジプトの儀式を原点に持つと言われるカードゲームである。
現代において、その競技人口はとてつもなく、老若男女を問わず大勢のプレイヤーが存在する。
また知名度も高く、ニュースや配信サイト等等、デュエルモンスターズの話題を聞かない日はないだろう。
最もポピュラーなカードゲームであり、普遍的なカードゲームの一種、そんな評価であった。
──あの時までは。
ある時を境に、この世からデュエルモンスターズのカードが全て消えるという事件が発生した。
誰かが盗んだ訳でもなく、忽然と消えてしまったのである。
色々と憶測が飛んだ。曰く、
「宇宙からの侵略者の策略だ」
「人類がデュエルエナジーを消費しすぎたのだ」
「これもドン・サウザンドって奴の仕業なんた」
等等。。。
しかしながら原因は掴めず、混沌を極めていた。
そして、カード消失事件と時を同じくしてカードを生み出すことのできる人間が現れた。
絵を描き印刷するのではなく、文字通り生み出すのだ。
生み出すことのできるカードにも特徴があった。今まで使用されてきたカードとは別に、誰も見たことのない、オリジナルのカードを生み出すことが出来たのだ。
従来通り使用されていたカードは、生み出されたカードだとしてもデュエルディスクに反応し使用することが出来た。
そして、オリジナルのカードも同様に使用することができた。
そんな事件から幾許かの月日が経ち、デュエルモンスターズの常識は一新された。
今時代におけるデュエルモンスターズとは、カードを創札(クリエイト)し、それを用いて決闘(デュエル)を行う競技である。
ここに未来のトップ決闘者を育成する教育機関『闘創学園(とうそうがくえん)』がある。
デュエルモンスターズの競技性の変遷から時流に取り残されぬべく、デュエルやカードの知識の教育に限らず、カードの創り方やその能力を引き伸ばすことにも注力しており、膨大な生徒数を抱える学び舎である。
そして、その門戸を叩かんとする一人の少年がいた。
──────
─────
────
place:闘創学園 1年A組
「では、まずは自己紹介からしていきましょう♪」
教壇に立つ女教師はホワイトボードに名前を書きながらそう言った。彼女は水色髪のショートカットで眼鏡を掛けており、どこか幼い印象を受ける人物であった。
「最初は先生からの自己紹介になります♪私の名前は今田 舞(いまだ まい)、皆さんの今学期の担任として就くこととなりました♪」
「この学園に入学して間もない皆さんがいち早く学園に馴染めるよう尽力していきます♪どうぞよろしくお願いします♪」
ヨロシクオネガッシアース パチパチパチ
緊張からか、生徒からは控えめな返事と拍手が送られた。
「じゃあ次は出席番号1番の──」
そしてこのクラスで誰よりも緊張してるであろう人間こそがこの俺なのであった。クラスメイトの自己紹介は進んでいっているが耳を傾ける余裕もない。
何故こんなにも緊張しているかと問われても語るほどの大きな理由はなく、ただ単に自身を取り巻く環境が一新されるタイミングが苦手な性格なのだ。
特に学校への入学のタイミングなんてものは、周りに知り合いがいなければ新たに人間関係を作っていかねばならないのでその心労が心に重くのしかかってくるのだ。
別に友達を作るのが嫌とかではないが、見ず知らずの初対面の人に話しかけていくのは心のハードルが高いし、なにより・・・
「──くん、──遊くん?次は小鳥遊くんですよー?」
ふと気付けば先生が俺の名を呼んでいた。
それはもう既に自己紹介の番が回ってきていることを表していた。
(やべぇ、周りの声が全然聞こえてなかった!)
「あ、は、はい!小鳥遊 広です!皆さんよろしくお願いします!」
小鳥遊 広(たかなし ひろ)
性別:男性
使用テーマ:
黒髪黒目の至って普通な学生。決闘と創札がとても好きで己の生きがいとなっている。
使用するオリジナルテーマはまだ定まっておらず、様々なカードを使用する。
今作の主人公。
パチパチパチ
思考が迷走していたせいで危うく悪目立ちをするところであった。…いや、悪目立ちしてしまったか?
緊張からか若干空回り気味な自身の気持ちを落ち着けつつ他のクラスメイトの自己紹介を聞いていると、自己紹介はそう長くは掛からず出席番号30番まで周り、自己紹介のターンは終わった。
1時限目は学園の施設等の説明で終わり、実際の授業は2時限目から始まるようである。
そして今はその時限の間の休憩時間だ。
(どうしよう、とりあえず隣の席の奴に話しかけてみるか?)
俺の席の位置は一番右列の一番後ろ。教室の出入口近くの位置。
ひとまずは隣の席に話しかけてコミュニケーションを取るべきだろう。
周りを見れば他のクラスメイト達もコミュニケーションを取り出しており、うかうかしていれば取り残され、果てにはグループに属せずぼっちになってしまう可能性すらある。
(でもなんて話しかければいいんだ?!)
(無難にとは思うが無難ってなんだよ!?まず話題の切り出し方が分からん!「こんにちは〜」って話しかけるのも変な気がするしなぁ〜?)
分からん!分からんすぎて知恵熱が出る!
考えども考えどもいい案は浮かばずこれ如何に。
「…険しい顔してるけど、どうかしたのかな?」
「あ、あぁ。隣の席のクラスメイトになんて話しかける時の正解を考えてたんだが、中々これが難しくてな」
「なにそれ。それって隣の席のクラスメイト張本人であるボクに言って良かったの?」
はっとして隣を見れば、可笑しそうに笑うクラスメイトがいた。
そしてそのクラスメイトは咳払いを一つ。
「ボクは五十嵐 希空。よろしくね」
五十嵐 希空(いがらし のあ)
性別:男性
使用テーマ:楽園
クリーム色の髪に碧眼を持つ中性的な少年。小柄な体格も相まって女性に見間違われることもしばしば。
「俺は小鳥遊 広。こちらこそよろしく」
「うん、よろしく!」
可憐な男子、それが希空への第一印象だった。
というか男子であってるよな?いや男子の制服着てるから男子だとは思うが、男子とは思えないくらいに顔が整ってるぞ??
俺ぁ分からん!こんな人間国宝級の容姿を持つクラスメイトと何を話すのが正解か分からん!
「五十嵐は、あー、地元は学園の近くなのか?」
とりあえず普遍的な話題を振ってみる。というか普遍的な話題くらいの会話デッキを持ち合わせていなかった。
「希空でいいよ、ボクも広って呼ぶからさ」
「地元は学園の近くって程ではないけど、駅で3駅くらいのとこに住んでるよ」
下の名前呼び!?下の名前なんてここ数年家族にしか呼ばれたことないぞ!?
やっぱコミュ強の人間ってすごいんだなぁ!?
「じゃ、じゃあ遠慮なく希空って呼ばせてもらうわ」
「そうすると、近場のデュエルスクールに行こうって感じでこの学園に入った感じか?」
「そんな感じだね〜」
「広はどうして闘創学園に?」
「決闘だけじゃなくて創札にも力を入れてるのに惹かれた感じだなぁ」
「ふぅん」
「創札好きなんだ?」
「好きだぜ!生きがいと言っても過言じゃないくらいには!」
…希空くんいいやつでさ(ステゴ並感)
初対面なのにめちゃめちゃ話しやすすぎる。さっきまでの緊張はなんだったのかと思うくらいだ。
コミュニケーション弱者の俺には心臓に悪い距離の詰め方だったけどな!
いや、こんくらいが普通なんだろうな!
俺は!!!!(コミュニケーション能力が)弱い!!!!
「今日の昼休みにでもさ、広が創札したカード見せてよ」
「お、いいぜ」
「希空が作ったカードも見せてくれよな」
「おっけー」
次の昼休みの約束まで取り付けちゃったよ。
っぱコミュ強すげぇわ。
「はーい、次の授業が始まりますよ〜♪皆さん席に戻ってくださいね〜♪」
他愛もない話をしていれば、次の授業の時間になっていた。
先生からの呼びかけに応じ、クラスの面々は自身の席へ戻っていった。
「にー、しー、ろー、やー、、、はい♪全員居ますね♪」
「そうしましたら、次は実習室での授業になります♪移動教室になるので、皆さんははぐれないように先生の後に着いてきてください♪」
ハーイ
そう促され、ぞろぞろと実習室へ移動して行くのであった。
place:闘創学園 第1実習室
「はいでは皆さん♪今から決闘をしてもらいます♪」
今田先生は実習室の教壇に立ちそう告げた。
この第1実習室は大きさがおよそサッカーコート半面分程もある巨大な屋内施設である。
施設内にはデュエルコートが20面備えられており、多くの生徒が同時に決闘をすることが可能となっている。またデュエルコート以外にも、授業用の教壇・ホワイトボード・机等が置かれたエリアもあり、普通に授業をすることも可能となっている。
「クラスメイトとの交流を兼ねていますので、皆さん同士で相手を見つけて2人1組のグループを作ってください♪」
先生は朗らかにグループを作るようクラスへ促す。
ただそれは、俺に取って底知れぬ恐怖を思い起こさせる言葉であった。
な、なんて残酷な!?
学校においての「グループを作ってくださ〜い」は死人が出かねない所業ですが!?何らかの条約には違反してると思うんですが!?
特に言えば!俺が!これまでそのセリフで!何回苦しめられてきたか…!
だ・が、今回の俺は致命傷を回避できる!
思い出されたトラウマによって痛み出した腹部を手で擦りながら俺は希空の方へ向かう。
希空の方は向かってくる俺に気付いたのかこちらへ近寄ってくる。
そして向かいあったところで俺は勢いよく頭を下げる。
「希空さぁん!俺と決闘してくださぁい!」
思ったより大きい声が出てしまい周りからの視線が飛んでくるが関係ない!こちとらぼっちになる方が死活問題なんじゃ!
「も、もちろん!さっきカードを見せ合う約束もしてたから丁度いいしね!…でもなんで急に敬語?」
希空は少し困惑した様子であったが、持ち直して頷く。
対照に、俺は握りこぶしを掲げてガッツポーズを取る。
希空様マジ神!
ガチでさっき希空と話しといて良かったわ…
…いや話せたのも希空のお陰だし俺は何もしてないんだけどな!
「マジで助かるぜ…。俺グループとか作るのホントに苦手でよ…」
「あはは、本当に苦手そうだね」
「ボクで良ければどんどん頼ってよ」
ホントですか!?言質は取りましたぜ!?
「じゃあ今後遠慮なく希空のこと頼っていくからな!?見捨てられたら人目を憚らずに泣くから肝に命じるように!」
「なぁんでお願いする立場の方が偉そうなのさ」
しらーっとした視線を希空は向けてくる。
「違いますやん!冗談ですやん!…マジで見捨てないでね!?ホントに泣くからね!?」
「あっはっは!」
「…まあでも?頼られるのは悪い気はしないし?吝かではないかな?」
「よきにはからえ?」
「ははーっ!」
得意気にする希空に対し、俺は頭を垂れて敬服するのであった。
その後も軽口を言い合っていると、他のクラスメイトのグループも決まったようで、それぞれのグループはデュエルコートへ散っていった。
デュエルコートで決闘開始の合図を待っていると、実習室内の放送器具から音声が聞こえ始める。
「皆さん準備は大丈夫ですか〜?…大丈夫そうですね♪入学してから初めての記念すべき決闘楽しんでください♪それでは───」
「決闘開始!」
「「決闘!」」
小鳥遊 広(後攻) VS 五十嵐 希空(先攻)
俺たちはデュエルコートで向かい合いながら決闘の宣言をする。
「さぁて、手加減はしないよ!」
「だから広も全力で来てよね!」
「もちろん!やるからには全力だ!」
俺の返事に満足したのか希空は笑みを浮かべると、一度深呼吸を挟んだ後にキリッとした表情になる。
「よし!ボクのターン!」
「ボクは手札から《楽園の原初》を発動!」
楽園の原初
通常魔法
このカードの発動に対して相手は効果を発動できない。
①デッキから「楽園」1枚を発動する。その後、デッキから「楽園」モンスター2体を選んで自分フィールドに特殊召喚できる。
「その効果によりデッキから《楽園》を発動し、楽園モンスター《楽園の帝王 ブラック》と《楽園の少女 アカネ》を特殊召喚!」
楽園
フィールド魔法
このカード名のカードはデュエル中に1度しか使用できず、このカードの発動に対して相手はカードを使用できない。
①このカードは相手の効果を受けない。
②自分スタンバイフェイズに発動する。このカードにカウンターを1つ置く。
③自分メインフェイズ1開始時に発動する。このカードに乗っているカウンターの数によって以下の効果を順番に適用する。この効果の発動に対して相手は効果を発動できない。
●1つ以上:自分のLPを8000にする。
●2つ以上:自分のデッキ・墓地から「楽園」カード1枚を選んで手札に加えることができる。
●3つ以上:自分のデッキから「楽園」モンスターを可能な限り特殊召喚できる。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
●4つ以上:自分フィールドのカードの枚数が3枚になるようにこのカード以外のカードを墓地へ送る。
●5つ以上:このターンの終了時、自分のLPの数値分だけ自分のLPを失う。
楽園の帝王 ブラック
攻撃力3000/守備力2400
レベル:8
属性:地属性
種族:獣族
効果モンスター
このカード名の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか使用できない。
①自分フィールドに「楽園」が存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
②このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。デッキから「楽園」速攻魔法・通常罠カード1枚を手札に加える。
③このカードがフィールドに存在する限り、フィールドのモンスターのレベルは変更できない。
楽園の少女 アカネ
攻撃力2000/守備力2000
レベル:5
属性:地属性
種族:獣族
効果モンスター
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①自分フィールドに「楽園」が存在する場合に発動できる。デッキからレベル5以上の「楽園」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
②自分フィールドの「楽園の少女 アカネ」以外の「楽園」モンスターの攻撃力は500アップする。
③フィールドにこのカードよりレベルの高いモンスターが存在する場合、このカードは破壊されない。
希空が召喚したのは、ネズミ耳や尻尾が生えた獣人型のモンスターだった。
ブラックは帝王の名に相応しく気煌びやかな装飾が施された召し物を身につけ、強靭な身体付きをしたモンスターで、
対照的にアカネはあどけない雰囲気を持ち合わせた少女のようなモンスターであった。
「そしてブラックの特殊召喚時効果!デッキから《楽園の営み》を手札に加える!」
「さらにアカネの効果により、アカネ以外の楽園モンスターは攻撃力が500アップする!」
楽園の帝王 ブラック
攻撃力3000→3500
「自分フィールドに楽園が存在するためアカネの効果を発動!デッキより《楽園の無頼 ダイコク》を特殊召喚!」
楽園の無頼 ダイコク
攻撃力2300/守備力2300
レベル:6
属性:地属性
種族:獣族
効果モンスター
① 相手モンスターの攻撃宣言時、自分フィールドに「楽園」が存在する場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。その後、その相手モンスターを破壊する。
②このカードが戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。その相手モンスターを破壊する。
楽園の無頼 ダイコク
攻撃力2300→2800
次に召喚したモンスターもまたネズミの獣人型のモンスターで、スーツ姿に中折帽を被った何処かアウトロー臭のするモンスターだった。
「カードを1枚セット!ボクはこれでターンを終了するよ!」
五十嵐 希空
LP8000
手札:4枚
バトルゾーン:楽園の帝王 ブラック
楽園の少女 アカネ
楽園の無頼 ダイコク
魔法・罠ゾーン:伏せカード1枚
フィールド魔法ゾーン:楽園
「これが希空のオリジナルカード、『楽園』か!」
やはり他人の創札したカードを初めて見る時はワクワクが止まらなくなる!しかもそれを間近で、実際に決闘の中で知ることができるのは特に堪らない!
これぞ創札したカードを使うようになってからのデュエルモンスターズの醍醐味だ!
「そうだよ!ボクの自慢のモンスター達を突破できるかなっ?」
「ご期待に添えるよう全力で突破してみせるさ!」
とは言ったもののなかなかの布陣。突破するには多少骨が折れる。
見えている中には効果無効を持つモンスターはないが、手札誘発や伏せカードに警戒をすべきだろう。
(まあまずはカードを引かないことには始まらねぇな)
「俺のターン!ドロー!」
…よし!この手札なら!
「まずは手札から魔法カード《地神砂海の砂嵐》を発動!効果によりフィールドの守備力より攻撃力が高いモンスターを全て破壊する!」
地神砂海の砂嵐
通常魔法
効果
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①フィールドの守備力より攻撃力の高いモンスターを全て破壊する。
②自分フィールドに「地神砂海"ガルメギス"」が存在し、このカードがこのターンに墓地へ送られていなければ発動できる。墓地のこのカードを自分フィールドにセットする。
魔法を使用したことで砂嵐が吹き荒れ始める。そしてその砂嵐は相手モンスターを襲う。
この効果が通れば一気に形勢逆転できるが、どうだ?
「ボクはそれにチェーンして手札の《楽園の無情 カヤ》をリリースして効果を発動!その効果により地神砂海の砂嵐の効果を無効にする!」
楽園の無情 カヤ
攻撃力0/守備力0
レベル:1
属性:地属性
種族:獣族
効果モンスター
このカード名のカードの①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①自分フィールドに「楽園」が存在し、相手が効果を発動した場合、手札・フィールドのこのカードをリリースして発動できる。その効果を無効化する。
②このカードが墓地に存在し、自分のフィールドに「楽園」モンスターが存在しない場合に発動できる。このカードを手札に加えるか自分フィールドに特殊召喚する。その後、自分はLPを2000失う。
砂嵐は忽ちにかき消されてしまい相手のモンスターを破壊するには至らなかった。
「そう易々と逆転させてはくれないか」
手札を4枚も抱えているんだ。手札誘発のカードがあるのは当たり前と言えば当たり前だ。
ただ、それは想定内!
「なら俺は《地神街の看板娘ガルシャーヌ》をペンデュラムスケールにセット!」
地神街の看板娘ガルシャーヌ
攻撃力500/守備力2000
レベル:3
属性:地属性
種族:爬虫類族
ペンデュラムモンスター
【P効果(Pスケール:青1/赤1)】
①自分がモンスターを召喚・特殊召喚した場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。
②自分フィールドの守備表示モンスターの守備力は1000アップする。
【モンスター効果】
①自分フィールドに「地神街"ガルド・バザール"」が存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
②1ターンに1度、自分のLPを500払って発動できる。デッキから「地神街の看板娘ガルシャーヌ」以外の戦士族・爬虫類族・恐竜族モンスター1体を選んで手札に加え、このカードの守備力を500アップする。
「そして《神界の冒険者》を召喚!」
神界の冒険者
攻撃力1800/守備力1000
レベル:4
属性:(なし)
種族:戦士族
ペンデュラムモンスター
【P効果(Pスケール:青0/赤10)】
①もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。このカードをそのPゾーンに置く。
【モンスター効果】
このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①このカードの属性は、自分フィールドに存在するそれぞれのモンスターと同じ属性としても扱う。
②このカードは、このカードと同じ属性のモンスターの効果を受けない。
③自分がモンスターを召喚・特殊召喚した場合に発動できる。自分の手札・デッキからこのカードと同じ属性のモンスター1体を選んで特殊召喚する。
「ガルシャーヌのP効果!ガルシャーヌ自身を特殊召喚する!」
こうして俺の場には2体のモンスターが並ぶ。
ガルシャーヌは上半身が人間で下半身が蛇のいわゆるラミア型のモンスターで、看板娘の名が表す通り給仕姿の可愛らしい見た目をしている。
神界の冒険者は軽装に剣と盾を持った青年で、RPGに登場する勇者のような外見をしているモンスターだ。
「ガルシャーヌを特殊召喚したことで神界の冒険者の効果を発動!地属性モンスターがフィールドにいることで神界の冒険者もまた地属性になっている!よってデッキから地属性のモンスターを特殊召喚するぜ!」
「ならボクは手札の《灰流うらら》を捨てて効果を発動!その効果を無効化するよ!」
灰流うらら(OCGカード)
攻撃力0/守備力1800
レベル:3
属性:炎属性
種族:アンデット族
効果モンスター/チューナー
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①以下のいずれかの効果を含む魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカードを手札から捨てて発動できる。この効果を無効にする。
●デッキからカードを手札に加える効果
●デッキからモンスターを特殊召喚する効果
●デッキからカードを墓地に送る効果
能力を発揮しようとした神界の冒険者の周りに突如として桜が舞うと、神界の冒険者は思うように力が出せなくなってしまった様子であった。
「うおっ、2枚目の手札誘発もあったか!」
ここでもっと展開を伸ばして起きたかったんだがなぁ!
以後の展開を再考するため少し間を置き、俺は再度動き出す。
「俺はLPを500払いガルシャーヌの効果を発動!その効果によりデッキから《地神街の黄金王ミルダム》を手札に!そしてガルシャーヌの守備力は500アップする!」
小鳥遊 広
LP8000→7500
地神街の看板娘ガルシャーヌ
守備力2000→2500
「そしてそのままミルダムをPスケールへセット!」
地神街の黄金王ミルダム
攻撃力3000/守備力?
レベル:8
属性:地属性
種族:戦士族
ペンデュラムモンスター
【P効果(Pスケール:青9/赤9)】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
① 自分フィールドに「地神」永続魔法が存在しない場合、発動できる。デッキから「地神」永続魔法2枚を自分の魔法&罠ゾーンにセットする(同名カードは1枚まで)。その後、このカードを特殊召喚する。
【モンスター効果】
①このカードの元々の守備力は、自分フィールドに存在する「地神街の黄金王ミルダム」以外のモンスターの守備力の合計と同じ数値になる。
②このカードはこのカードの守備力より低い守備力を持つモンスターの効果を受けない。
③自分フィールドの「黄金トークン」以外のトークン1体を対象に発動できる。そのカードをリリースし、以下の効果を持つ「黄金トークン」(岩石族・地・星1・攻1000/守1000)1体を特殊召喚する。
●このカードをリリースして発動できる。自分フィールドのモンスターの守備力を1000アップする。
「それが広のデッキのエースモンスター?」
「そうとも!」
Pスケールには黄金王の名に恥じない黄金の装飾に身を包んだモンスターがふんぞり返っている。
「自分フィールドに「地神」永続魔法がないことでミルダムのP効果を発動!デッキから《地神街"ガルド・バザール"》と《地神砂海"ガルメギス"》を自分フィールドにセットし、ミルダム自身を特殊召喚する!」
通れ!この効果が通らなければかなりキツいぞ!マジで通ってくれ!
祈りながら希空の反応を伺うが、対抗してカードを使用する気配は無し。俺はなんとか要所を突破したことに安堵する。
「今程セットしたガルド・バザールを発動!その効果発動処理として手札を1枚捨て、デッキより地神モンスターを2体手札に加える!」
「俺が手札に加えるのは《地神街の武具屋ゼロード》と《地神街の情報屋ガルシル》だ!」
俺はデッキから2枚のカードを探し出し手札に加える。
「そしてガルド・バザールの効果により、自分フィールドに地神モンスターが存在すれば、地神以外のモンスターはその守備力をその攻撃力分の数値だけダウンさせなければ効果を発動できない!」
地神街"ガルド・バザール"
永続魔法
①このカードの効果発動処理として、手札を1枚捨て、デッキから「地神」モンスターを2枚まで選び手札に加えることができる。
②自分フィールドにこのカードと「地神」モンスターが存在する限り、フィールドの「地神」以外のモンスターはその守備力をその攻撃力分ダウンさせなければ効果を発動できない。
「な、なんだって!?」
希空は驚いた声を上げた。
「要するにフィールドにある守備力より攻撃力が高いモンスターは効果を発動できない」
「守備力が高いモンスターでも何回も効果は発動できなくなるロック効果だ!」
サーチしながらロックもできる永続魔法だし、これ強いんだよなぁ〜。
初見殺しなだけでこのカードを知られるとだいたいマスカンになって無効にされたり破壊されるようになっちゃうんだけどさ!
「そしてガルメギスの方も発動!効果発動処理としてデッキから《地神砂海の大流砂》を手札に加える!」
「さらにガルメギスの効果を発動し、《砂トークン》を2体特殊召喚する!」
地神砂海"ガルメギス"
永続魔法
効果
①このカードの効果発動処理として、自分のデッキ・墓地から「地神砂海"ガルメギス"」以外の「地神砂海」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
②1ターンに1度、発動できる。自分フィールドに「砂トークン」(岩石族・地・星1・攻/守0)2体を特殊召喚する。このトークンは素材にできない。
「ミルダムの効果!砂トークンをリリースし《黄金トークン》を特殊召喚する!」
「それを後もう一回使用するぜ!」
黄金トークン
攻撃力1000/守備力1000
レベル:1
属性:地属性
種族:岩石族
トークン
このカードをリリースして発動できる。自分フィールドのモンスターの守備力を1000アップする。
俺のフィールドにミルダムを模したかような黄金の彫像が2体現れる。
「黄金トークンの効果!リリースすることで自分フィールドのモンスターの守備力を全て1000アップする!」
地神街の看板娘ガルシャーヌ
守備力2500→3500
神界の冒険者
守備力1000→2000
黄金トークン
守備力1000→2000
地神街の黄金王ミルダム
守備力7500→8500
「先程手札に加えたゼロードの効果を発動!こいつは自分フィールドに地神街"ガルメギス"が存在することで手札から特殊召喚することができる!」
地神街の武具屋ゼロード
攻撃力1700/守備力2000
☆4
爬虫類族 地
効果モンスター
効果
①自分フィールドに「地神街"ガルド・バザール"」が存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
②1ターンに1度、このカードの守備力を1000ダウンして発動できる。デッキ・墓地から装備魔法カード1枚を選んで手札に加える。
③装備魔法カードが発動した場合、発動する。このカードの守備力を2000アップする。
ゼロードもまたラミア型のモンスターで、腰に工具袋を提げ手に革手袋を着けた、無骨な髭面が似合う如何にも武器職人と言ったモンスターだ。
「ゼロードの効果!ゼロードの守備力を1000ダウンすることで装備魔法をデッキから手札に加える!」
「俺が手札に加えるのは、《黄金剣-クリューサーオール》!そしてそのままクリューサーオールをミルダムへ装備!」
黄金剣-クリューサーオール
装備魔法
効果
①装備モンスターの攻撃力は、そのモンスターの守備力分アップする。
②装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。
黄金に輝く剣、クリューサーオールが天より降りて来る。ミルダムはその柄を握り、クリューサーオールを掲げる。
「装備魔法が発動したことでゼロードの守備力は2000アップ!」
「さらにクリューサーオールを装備したミルダムの攻撃力は、その守備力分アップする!」
ミルダムは金色のオーラを身に纏い、力を高めていく。
地神街の武具屋ゼロード
守備力2000→1000→3000
地神街の黄金王ミルダム
守備力8500→11500
攻撃力3000→14500
「2体目の黄金トークンをリリースして効果を使うぜ!」
地神街の看板娘ガルシャーヌ
守備力3500→4500
神界の冒険者
守備力2000→3000
地神街の武具屋ゼロード
守備力3000→4000
地神街の黄金王ミルダム
守備力11500→13500
攻撃力13500→16500
これで準備は整った。依然として使用されない伏せカードが怖いが、ここは攻める!
「バトルだ!地神街の黄金王ミルダムで楽園の帝王 ブラックに攻撃!黄金の乱撃(ゴールド・ラッシュ)!」
ミルダムはクリューサーオールを振り上げブラックへ突撃する。
ブラックはそれを迎え打つべく身構える。
この攻撃が通ればワンターンキルが成立するが、、、?
「その攻撃宣言時にボクは罠カード《楽園の摂理》を、アカネを対象に発動!」
「その効果により、アカネよりレベルの低いモンスターを全て破壊する!アカネのレベルは5!よってそっちのミルダム以外のモンスターは全て破壊されるよ!」
「なにぃ!?」
楽園の摂理
通常罠
効果
①相手のモンスターの攻撃宣言時に、自分の「楽園」モンスター1体を対象に発動できる。フィールドに存在するそのモンスターよりレベルの低いモンスターを全て破壊する。
俺のミルダム以外のモンスター達は、楽園の摂理から発せられる衝撃波を受ける。それぞれが防御姿勢をとるが抵抗虚しく破壊されてしまう。
「だが、ミルダムはまだ健在!攻撃力も下がったがブラックよりは上だ!」
地神街の黄金王ミルダム
守備力13500→2000
攻撃力16500→5000
ミルダムは手に持つ剣でブラックを数回切り付け、ブラックを戦闘破壊した。
「くっ…!」
五十嵐 希空
LP8000→6500
「俺はメインフェイズ2に移行し、カードを1枚伏せる!これでターンエンドだ!」
小鳥遊 広
LP7500
手札:3枚
バトルゾーン:地神街の黄金王ミルダム
魔法・罠ゾーン:地神街"ガルド・バザール"
地神砂海"ガルメギス"
黄金剣-クリューサーオール
伏せカード1枚
「圧巻のフィールドだね…!」
希空は驚いたような、感心したような面持ちで呟いた。
「応ともさ!」
「さぁ希空!次はそっちの番だぜ!全力で来い!」
俺は希空がそうしたように、対戦相手へのリスペクトを込めたエールを送る。
「もちろん!」
「さぁ行くよ!ボクのターン!」
入学最初の決闘はまだ始まったばかりだ。
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