外伝08　夕食フェイズ終了　作：トマトところてん

余談

　遊星がキャンプするだけで書きやすそうなSS27号、山で熊に襲われたり、撮影機材が壊れるみたいな理不尽展開はない。
　アルフィーの高見沢さんが子供の頃にハマッた実存主義。神なんかいなくて世界に意味はなく、自分の主体性や不安な気持ちこそが大事で不条理に負けず立ち向かえって感じなんですが、カフカの不条理文学のあらすじを人から聞いたらなんか合わなかった。自分には、めっちゃ頑張るけど初期設定に引っ張られて結局、理不尽バッドエンドを迎えるマッチ売りの少女みたいでなんだかなと。
　まあ僕の、男性のいう好きってあんまりあてにならないみたいだけど、これが心に刺さって、心の糧になる人もいるみたい。

前回のあらすじ

　突然雨が降ってきてダイニングテーブルのうえに置いたカセットコンロと鍋一つでひたすらカニとエビを一緒にゆでて殻を取る展開に。

本編

　幸い、キッチンバサミも用意していたからこれでカニの殻を取れる。カニとエビで出汁を取るのも考えたが今回は臭みがありそうなのでやめることにした。カセットコンロの火力を調整し、黙々と調理していく。鍋の中でグツグツと音をたてながらエビの色が変わっていく。エビはブラックタイガー、カニはズワイガニの脚だけ。ゆでたカニの脚の殻を取り、カニの筋、腱？あの白い羽のようなものに気をつけながら身を試しに食べてみる。
「見るからに熱そうなんだが。ゆっくりと」
　と遊星はカニの剥き身を噛むと、身から汁が沢山出てきて、
「あっつ！」
　かなり熱かった。というかやけど注意。
「うまい。」
　よかった。エビは殻をとって一口サイズに切ることにした。カニはさておきエビは結構な量だった。しばらくゆでては殻を取るのを繰り返して済んだ。
　残りはチャーハンと味噌汁。水筒から沸かしたお湯を出せばすぐだ。バウルーで冷凍チャーハンを加熱。カセットコンロなので結構あっという間に済んだ。

そうして、夕食が完成した。

すっかり暗くなって雲でほとんど覆われた夜空をブルーノは撮っていた。
「では、いただきます。味噌汁から。」
　しじみの味噌汁だった。サッサッとスーパーで買い物を済ませてしまった弊害が出ている。大量のエビを、ひやむぎつゆで食べたり、味噌汁に入れたり、チャーハンに入れたりして食べた。
「エビづくしだな。しかし、」
　結局ゆでただけのカニが一番うまくて、無言でカニを食べた。やはり素材の味か。カードをどう使うかより、大事なこともあるんだな。と、遊星は思い知ったのだった。結局、エビは残ったのでジップロックに入れた。そうして、
「ごちそうさまでした。」
　と言って後片付けに移った。ダイニングにも洗い場にもライトがついており明るい。雨が降っているが、火の扱いには注意して、ろうそくにマッチで火をつけたらいよいよ花火をすることにした。


続く

　なんとなく書きたかった主人公髪型ネタ食レポも終わり。あとはつまんなくても完結させるの大事だよね。次の日の朝食とかエンディングかな。なんか男の人ってガンダム好きだよね。