阻む砦　作：ゲトゥ

デュエルが開始されるとソリッドビジョンが展開され、フィールドが映し出された。

フィールドは海と陸が丁度半分の割合となている。

ケイト
（この場でのフィールドは当然、把握済みよ…。俺側は陸地だが、相手は海上にしかモンスターを出せねぇ。海に適応してないモンスターは戦闘力が大幅にダウンする、ククッ…）

ケイト
「行くぜぇ、俺の先攻だ！岩石の巨兵を守備表示で召喚だ！」

巨大な岩石族が陸地と海の瀬戸際へと召喚された。

ケイト
「ターンエンドだ、さぁお前の番だ。出せるモンスターがあればいいなぁ？フフフ…」

対戦者はケイトを見据えたまま静かにドローした。

？？？
「海賊船スカルブラッド号を召喚。１枚カードをセットしてターン終了…　」

ケイト
「海上で動けるモンスターがいやがったか。まぁいい、俺のターンだ！アステカの石像を守備表示で召喚！カードを１枚セットし、ターンエンド！」

岩石の巨兵の隣に同じく巨大なアステカの石像が並べられた。

？？？
「狙いは壁を並べ、陸地の侵入経路封鎖か！俺のターン！スカルブラッド号に切り込み隊長を召喚！さらに隊長の効果でモンスターを１体特殊召喚する！全速前進だ、スカルブラッド号！」

ケイト
「おっと、そうはいかねぇ！トラップオープン、 進入禁止！Ｎｏ Ｅｎｔｒｙ！！　」

スカルブラッド号は急停止し、乗員のモンスターも守備態勢となる。

ケイト
「焦るなよ。指くわえて砦の完成を見届けなぁ！俺のターンだ！岩石の番兵を守備表示で召喚！さらにマジックカード、猛毒の風を発動する！」

巨大な３体の岩石族が並び、まるで頑強な砦のようにそびえ立つ。その砦の背後からは禍々しい風が流れ出す。

ケイト
（飛行ユニットで侵入しようとしても猛毒の風で弱体化だ…。これで俺の砦は完成だぜ）「１枚カードセットし、終わりだ」

？？？
（あの砦を攻略しなければ、勝機はない…）
「ドロー！スカルブラッド号、切り込み隊長を攻撃表示に変更！ハイ・プリーステスを召喚し、永続魔法、連合軍を発動！」

？？？
「連合軍は場の戦士、魔法使いの数だけ攻撃力を上昇させる！岩石の巨兵を崩せブラッド号！」

ブラッド号ATK2200→岩石の巨兵DEF2000

ケイト
「甘いな。トラップカードオープン、メタバース！デッキからフィールド魔法を発動する！」

ブラッド号の砲撃が岩石の巨兵にヒットし、煙が流れ去ると…

？？？
「岩石の巨兵を破壊できていない…？フィールド魔法の影響か！」

ケイト
「そうだ。俺は岩投げエリアを発動した…デッキから岩石族モンスターを墓地に送ることで、俺の岩石族は戦闘破壊されず…」

突如、ケイトの砦内から投石が発射され、プレイヤーへと直撃した。

？？？
「グゥゥ…」LP4000→LP3500

ケイト
「逆に相手に５００のダメージを与えるってワケだ…。さて、俺のターンだぜ。マジック、二重召喚を発動！通常召喚を２回させてもらうぜ。鬼タンクＴ－３４を召喚し、さらにリリース！」

ケイト
「俺の戦術はこいつで完成する…、全部吹っ飛ばしてやりな！ブローバックドラゴンをアドバンス召喚！」

砦内に頭部が拳銃のようになっている二足の機械竜が現れた。

ケイト
「こいつにはモンスターだろうがセットカードだろうが破壊する遠距離砲撃能力があるぜぇ！船を狙え、ブローバック！」

ブローバックドラゴンがブラッド号に狙いを定め、砲撃が放たれた。

砲弾はブラッド号を掠め、海へと沈んでいった。

ケイト
「ちっ、外したか…、まぁいい、これで俺は一方的にお前を追いつめられるぜ」

戦況は確実にケイトへと傾いていた。

だが、ケイトは今までの獲物とは違う、得体の知れない気配を感じていた…