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道☆楽☆園 作:ゲトゥ
少年?
「【罠はずし】カードを発動!それでもって、このカードでダイレクトアタック!」
【クレセントドラゴン】のカードを軽く指で押し出し、ダイレクトアタックを宣言する。
金髪の不良っぽい青年
「うわぁー!!また俺の負けかよォ!」
そう言うと、髪を金髪に染めた青年はテーブルに手札を投げ捨て、大袈裟に髪を掻きむしる。
「京極(きょうごく)くんは除去の魔法や罠カードばっかりでモンスターが疎かなんだよ。ちゃんとモンスターも多めに入れて強化してあげないと…」
京極
「だってよォ、楽(らく)!モンスターなんて除去カードで簡単にやられちまうんだぜェ!」
楽
「それを防ぐ為にモンスターをちゃんとサポートしてあげるのが大事なんだよ。」
僕はちょっと呆れたようなジェスチャーをして、京極くんを煽ってみた。これでちょっとはモンスターの重要性を分かってくれるといいんだけど…
店員の女性
「ちょっと、あんた達!いつまでもデュエルスペース占領してないで、勉強でもしたらどうなの!」
レジのカウンター越しにかーちゃんが注意してきた。
ここは僕こと絡娯 楽(らくご らく)の実家、兼カードショップの道楽園。
僕は渋々、自分のカードを束ねて、
楽
「うるさいなぁ…分かったよ。今日はこれで止めとこうか、京極くん」
京極
「今日も勝ち逃げかよォ。でも、明日こそは勝たせてもらうぜ!おばちゃーん!このパック1つちょうだーい!」
京極くんはかーちゃんからパックを一つ買うと、また明日な!と軽く手を挙げて帰っていった。
自分の部屋に行き、椅子に座ってデッキを机に置いた。
首に掛けてあるガチャポンのカプセルを取り付けたネックレスを軽く振った。
カプセルの中には木製のサイコロが入っている。
そのサイコロはとても古い物のようで、自分でも何故だかわからないけど、お気に入りの品なのだ。
明日はどんなデッキで京極くんとデュエルしようかな?そればかりを考えて、僕は眠りについた…
翌日、
「う~ん、京極くん遅いなぁ。いつもだったら、もう店に来てる頃なのに…」
僕は学校が終わると、すぐ家に帰り、いつものようにデュエルスペースで京極くんが来るのを待っていた。
京極くんが来ないのも変だけど、そういえば今日はかーちゃんの口数が少ないのも変だな。何かあったんだろうか…
そんなことを考えていると、かーちゃんが僕の方に寄ってきた。
楽の母
「あのね、楽。話があるの…」
深刻そうな顔をしてかーちゃんは話し始めた。
楽の母
「この店、閉めようかと思ってるの…」
楽
「えぇっ!!ど、どうして!この店はとーちゃんが残してくれた大切な…」
そう、このカードショップは今は亡きとーちゃんが残してくれた大切な店。
かーちゃんも大切に切り盛りしてきたし、これからもそうだと思っていたのに…
楽
「どうしてなの…、ひょっとして店の経営が上手くいってなかったの?」
僕は泣きそうになりながらかーちゃんに詰め寄った。
楽の母
「う、うん。そうね…」
かーちゃんは俯きなんとも歯切れの悪い返答をした。
居た堪れずに僕は店を飛び出した。
とにかく走った。でも、あんまり体力はないからすぐに力尽きて膝に手をついた。
路地裏からうめき声がしたので、そちらを見ると、地面に片膝を着いて座り込んだ京極くんがいた。
楽
「京極くん!?こんなところで何を…」
よく見れば京極くんは右の目元を腫らし、学生服の胸元のボタンが何個か取れていた。
京極くんは片手で顔を隠すと、
京極
「いや、何でもない…。ちょっと不良に絡まれただけだ」
楽
「不良?それ嘘でしょ!本当は何があったのか教えてよ!」
この辺の学校は僕と京極くんが通う1校だけで、その学校で不良なんて髪を染めてる京極くんくらいのものだ。
京極
「…知っとかないと楽も危ないかもなァ。実はよ…」
僕は愕然とした。
その内容は店を守ってきたかーちゃんも、店に通ってくれているお客さんをも踏みにじるものだった。
ドッドッドッ…と、心臓の鼓動が加速する。
カラカラカラ…と、首元のカプセルの中でサイコロが揺れていた…
「【罠はずし】カードを発動!それでもって、このカードでダイレクトアタック!」
【クレセントドラゴン】のカードを軽く指で押し出し、ダイレクトアタックを宣言する。
金髪の不良っぽい青年
「うわぁー!!また俺の負けかよォ!」
そう言うと、髪を金髪に染めた青年はテーブルに手札を投げ捨て、大袈裟に髪を掻きむしる。
「京極(きょうごく)くんは除去の魔法や罠カードばっかりでモンスターが疎かなんだよ。ちゃんとモンスターも多めに入れて強化してあげないと…」
京極
「だってよォ、楽(らく)!モンスターなんて除去カードで簡単にやられちまうんだぜェ!」
楽
「それを防ぐ為にモンスターをちゃんとサポートしてあげるのが大事なんだよ。」
僕はちょっと呆れたようなジェスチャーをして、京極くんを煽ってみた。これでちょっとはモンスターの重要性を分かってくれるといいんだけど…
店員の女性
「ちょっと、あんた達!いつまでもデュエルスペース占領してないで、勉強でもしたらどうなの!」
レジのカウンター越しにかーちゃんが注意してきた。
ここは僕こと絡娯 楽(らくご らく)の実家、兼カードショップの道楽園。
僕は渋々、自分のカードを束ねて、
楽
「うるさいなぁ…分かったよ。今日はこれで止めとこうか、京極くん」
京極
「今日も勝ち逃げかよォ。でも、明日こそは勝たせてもらうぜ!おばちゃーん!このパック1つちょうだーい!」
京極くんはかーちゃんからパックを一つ買うと、また明日な!と軽く手を挙げて帰っていった。
自分の部屋に行き、椅子に座ってデッキを机に置いた。
首に掛けてあるガチャポンのカプセルを取り付けたネックレスを軽く振った。
カプセルの中には木製のサイコロが入っている。
そのサイコロはとても古い物のようで、自分でも何故だかわからないけど、お気に入りの品なのだ。
明日はどんなデッキで京極くんとデュエルしようかな?そればかりを考えて、僕は眠りについた…
翌日、
「う~ん、京極くん遅いなぁ。いつもだったら、もう店に来てる頃なのに…」
僕は学校が終わると、すぐ家に帰り、いつものようにデュエルスペースで京極くんが来るのを待っていた。
京極くんが来ないのも変だけど、そういえば今日はかーちゃんの口数が少ないのも変だな。何かあったんだろうか…
そんなことを考えていると、かーちゃんが僕の方に寄ってきた。
楽の母
「あのね、楽。話があるの…」
深刻そうな顔をしてかーちゃんは話し始めた。
楽の母
「この店、閉めようかと思ってるの…」
楽
「えぇっ!!ど、どうして!この店はとーちゃんが残してくれた大切な…」
そう、このカードショップは今は亡きとーちゃんが残してくれた大切な店。
かーちゃんも大切に切り盛りしてきたし、これからもそうだと思っていたのに…
楽
「どうしてなの…、ひょっとして店の経営が上手くいってなかったの?」
僕は泣きそうになりながらかーちゃんに詰め寄った。
楽の母
「う、うん。そうね…」
かーちゃんは俯きなんとも歯切れの悪い返答をした。
居た堪れずに僕は店を飛び出した。
とにかく走った。でも、あんまり体力はないからすぐに力尽きて膝に手をついた。
路地裏からうめき声がしたので、そちらを見ると、地面に片膝を着いて座り込んだ京極くんがいた。
楽
「京極くん!?こんなところで何を…」
よく見れば京極くんは右の目元を腫らし、学生服の胸元のボタンが何個か取れていた。
京極くんは片手で顔を隠すと、
京極
「いや、何でもない…。ちょっと不良に絡まれただけだ」
楽
「不良?それ嘘でしょ!本当は何があったのか教えてよ!」
この辺の学校は僕と京極くんが通う1校だけで、その学校で不良なんて髪を染めてる京極くんくらいのものだ。
京極
「…知っとかないと楽も危ないかもなァ。実はよ…」
僕は愕然とした。
その内容は店を守ってきたかーちゃんも、店に通ってくれているお客さんをも踏みにじるものだった。
ドッドッドッ…と、心臓の鼓動が加速する。
カラカラカラ…と、首元のカプセルの中でサイコロが揺れていた…
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