第一話　始まり　作：風鼠

純華「ん～今日から私も高校生か～」

春、桜が咲き誇る街道を制服に身を包んだ少女が歩く。

猫有純華。
今日から国立桜嵐大学付属高校に通うことなる1年生。

国立桜嵐大学付属高校
全国屈指の進学校であり、数多の政治家や大企業の社長、高学歴系芸能人の大半もこの学校を卒業している。

純華「難しい授業とか、クラスに溶け込めるか不安だけど、合格したんだし頑張ろう♪」

純華は期待を胸に、学校に向けて歩みを進める。

純華「…大きい屋敷だなぁ」

純華が街道を歩いていると、和風の大きな門がある屋敷にたどり着く。

スイレン「…じゃあ…行ってくるから…ん…」

楓「いってきま～す♪…お」

純華「あ…あわわ…す、スイレンさんだぁ」

水野蓮華
世界的に有名な美少女であり天才歌舞伎役者。

佐藤楓
有名な一座の主要メンバー。

スイレン「…？…君…どう…したの？」

楓「お。君、その制服私たちと同じだね。」

純華「…え、あ…そ、そうですね」

純華がスイレンたちの服装に目を通すと同じ高校の制服であることに気づく。

スイレン「…一緒に…行く？」

純華「え、いいんですか？」

楓「ん～いいよ～」

純華「い、一緒に行かせてください」

楓「この娘もこういってるし、いいよね、スイレン」

スイレン「…いいよ」

純華は二人の許可を得て、スイレンと楓とともに高校へと向かう。

楓「へぇ～引っ越してきたんだね。家族と一緒に来たの？」

純華「い、いえ。一人暮らしです」

スイレン「…一人暮らし…大変そう…」

純華「ま、まぁ、家事とか少し大変そうですけど…楽しいですよ」

楓「へぇ～純華ちゃんは出来た子だね」

純華「い、いえ、私はそんなできた子じゃ…」

スイレン「…いい子…すごくいい子…」

純華「…スイレンさんまで…」

街道を歩いている最中、軽い自己紹介をした後、軽い談笑をする。

スイレン「…ついた…」

楓「着いたね～」

純華「ですね～」

そうしているうちに高校の正門前に到着する。

楓「同じクラスだといいね～」

純華「は、はい、そうですね～」

スイレン「うん…あそこ…にクラスの振り分けの紙…貼ってある」

スイレン達３人は校門の前に設置された掲示板まで歩いていく。

楓「…ぁ、あったよ。３人とも同じクラスだね」

スイレン「…運命的…ね」

純華「ですね。じゃあクラスまで一緒に行きましょう。」

楓「うん。」

クラス

女子生徒1「きゃ～！スイレンさんよ♪」

女子生徒2「握手してくださ～い♪」

スイレン「ん…わかった」

女子生徒2「ありがとうございます♪」

女子生徒1「いいな～♪」

女子生徒3「私にはサインお願いします♪」

スイレン「ん…」

クラスに到着し、しばらくすると、スイレンの周りにはファンによる人だかりができ、スイレンはファンに対してファンサービスを始める。

純華「やっぱり人気ですね～スイレンさん」

楓「まぁ、大スターで人気の歌舞伎役者だからね。でもまさかこんなに女子の人気があるなんてね」

純華「スイレンさん、立ち役(*)もやることありますし…」
*男性役のこと

楓「まぁね。でも…私の周りにはできないんだよねぇ」

純華「あはは…」

主要メンバーである楓の周りにはだれもおらず、拗ねるように頬を膨らませ、純華は苦笑いを浮かべる。

お昼
楓「やっとお昼だね～」

純華「ですね。お腹すきましたし、お弁当食べましょう」

スイレン「…賛成…」

女子生徒1「スイレンさん、一緒に食べましょ♪」

女子生徒2「え～スイレンさん、私と食べましょうよ～」

スイレン「え…その…私…楓…と…一緒に食べるの…」

女子生徒1「え～。でもスイレンさんがそういうんじゃ…」

女子生徒2「仕方…ないですね」

スイレン「…今度…一緒に食べようね」

女子生徒1「…～～～！」

女子生徒2「は、はい、わ、わかりましたぁ」

女子生徒1・2「スイレン先輩に笑顔向けられちゃったぁ♪」

スイレンが二人に笑顔を向けると、二人は顔をリンゴのように赤くし、騒ぎながら他の友達へと向かっていく。

スイレン「ふぅ…」

楓「スイレン、女の子にモテモテだねぇ」

スイレン「…そんなに…モテて…ない…」

純華「謙虚ですね～♪」

楓「…謙虚といえば…純華ちゃんのお胸も中々なたわわですなぁ」

楓は息を荒げながら純華にすり寄り、手の指を生き物のように動かしながら、純華の胸に近づける。

純華「あ、あの楓さん？」

スイレン「…楓…女の子…好きだから…」

楓「あの…少し…触ってもいい？」

純華「だ、だめですよ、もう」

楓「いいじゃない♪ちょっとぐらいさ♪」

スイレン「…だめだよ…楓…今日…会ったばかりだから」

楓「…わかったよぉ…」

純華「あう…もう…楓さんは…」

楓はスイレンに咎められ手をひざ元に戻す。

スイレン「…じゃあ…食べよ。」

楓「うん、彩愛さんが作ったお弁当♪」

純華「いいですね。お母さんみたいな人がいるんですか？」

スイレンと楓はバックから可愛らしい布に丁寧に結ばされたお弁当を取り出す

スイレン「…うん…お母さん…みたいな…やさしくて…いい人…」

楓「まぁ、怒らせると怖いけど」

純華「ますますお母さんみたいですね。私は自分の手作り弁当です」

スイレン「…おいしそう」

純華が自分の弁当を開くと、卵焼きやタコさんウィンナーなど色鮮やかなお弁当が現れる。

楓「料理上手なんだね」

純華「そ、そんなに上手じゃないですよ。ただ焼いただけですよ」

スイレン「…上手…だよ…」

楓「ねぇ、スイレン、純華ちゃん。部活なに入る？」

純華「私は…か、歌舞伎部ですかね？」

スイレン「…私も…歌舞伎部」

楓「私も♪」

純華「気が合いますね。私達♪」

スイレン「…うん。気が…あう」

楓「純華ちゃんとは仲良くなれそう♪」

こうして３人の楽しい学園生活が始まる。


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おまけ

楓「ん～」

女子生徒1「でね～」

女子生徒2「え～」

楓「…良き♪」

純華「あわわ…楓さん、鼻血でてますよ」