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第1話:死神、はじめました 作:カズ
(苦しい……。もう、まともに息もできねぇや……)
少年の名前は凪 遊良(なぎ ゆうら)。生まれつき身体が弱く、事ある毎に病院に運ばれるような人間で、今もこうして入院しているが、今回は今までとは話が違う。
昨年判明したことなのだが、彼は重度の難病に侵されていた。おまけにそのステージも相当進行していたらしく、既に治せないレベルに到達していたのだ。危篤状態になるまで放置されたことになるのだが、一体彼の両親は何をしていたのだろうか。
単刀直入に言うが、遊良の両親は十年前に一人息子を残して「夜逃げ」した。のっぴきならない事情なら同情の余地はあるのだが、彼らは賭博という賭博に全て大敗し多額の借金を背負ってしまったのだ。加えてその責任を何の関係もない遊良に押しつけ、挙げ句の果てに「お前なんか産まなきゃよかった」と吐き捨て逃走した。
(チクショウ…せめてあのバカ親に一矢報いてやろうかと思ったけど、やっぱ俺って無力だな。ごめんな、爺ちゃん、婆ちゃん)
温厚な祖父母の実家で暮らすことになった遊良だが、両親に捨てられた憎しみを掻き消すことはできず、大人になったら復讐を果たしてやろうとも思っていた。しかしその願いも叶わず、彼は祖父母と未練を現世に残したまま……他界した。
「…あれ?ここ、いずこ?」
死んだはずの遊良が目を覚ますと、こざっぱりした部屋の中にいた。病院のように真っ白な部屋でも、祖父母の実家のように長閑な空気が通っていることもない。夜風のように寒く吹き抜け、壁もあちこち傷んでいる。まるで廃屋のような場所だった。
「っていうか俺、死んだよな?」
「その通り。お前は死んだ」
「のわぁっ?!誰だお前!!!」
唐突に現れた、黒装束を着た少女。見た目は大体同い年、身長はおおよそ160cm。女子の中ではまあまあ高身長な部類だろう。しかし、彼女が背負っているものを一目見た瞬間、遊良の脳が思考を拒絶した。身長の倍近くはある、所々錆び付き、鮮血に染まった鎌。遊良も漫画で一度は目にしたことのあるその姿は、正に「死神」そのものだった。
恐怖に怯える彼を見て悟ったのか、少女は隠していたカバンの中に巨大な鎌をしまい込んだ。彼女曰く「カバンの中は多次元空間でできている」とのことだが、三次元までしか知らない遊良にとっては何がどうなっているのかさっぱり分からなかった。
「えっと……」
「3年前、お前は死んだ」
「……どちらさまで?」
「ん?おぉ、そうだった。自己紹介がまだだったな。お前にくれてやる」
黒一色に染まった名刺カードには、血塗られたかのような赤い文字で「八月一日 亜利沙」と書かれていた。名前の方は難なく読めたのだが、どこの世界に日付を苗字にする国があるのかと頭を抱えた遊良は、分からないなりに彼女の苗字を呼んでみた。
「えーっと…はちがつついたち、さん?」
「『ほづみ』だ!!お前、相当頭が悪いな」
「まあ、学校での成績はあんまし良くなかったけど…これって知らないと読めないのでは?」
「そんなことより喜べ。お前は死神に選ばれた」
「待って。話の展開が急すぎて聞き間違えたかもしれないんだけど……何に選ばれたって?」
「死神だ」
「そっかー、死神か~。確かに俺、死んだからなー、ってなるかいボケェェェ!!」
「おお、今のはよいノリツッコミだったぞ。生前は芸人でも目指していたのか?」
ここまで他人に振り回されたのは(既に死んでいるが)生まれて初めてであり、「死神」への恐怖心も薄れてきたが、いつまでもこの流れに乗っていては同じ事の繰り返し。どうにかして軌道修正を試みた彼は、最も衝撃の強かった「死神」という言葉の真意を問こうとしたが、後に予想を超える「運命」が立ちはだかることになるとはこの時は思ってもいなかった。
「で、死神って何ぞ?」
「時に少年。お前はデュエルモンスターズをやったことはあるか?」
「テレビで見たことはあるけど、実際にデッキは組んだことないかな。でも基本的なルールは知ってるから大丈夫…っていうか質問を質問で返す人、本当にいるんだ」
「そうかそうか。なら、『ドッペル召喚』も知っているな?」
「ドッペル……あぁ、レベル2のアレ?」
「それはドッペル・ウォリアーだ。尤も、この召喚方法は我々死神だけが扱えるものだから、お前が知っているはずはないのだがな」
※ドッペルモンスター及びドッペル召喚について
・「ドッペルモンスター」のカラーは「灰色」。
・手札から「ドッペルカード」をフィールドゾーンに発動する(フィールド魔法カードとして扱う)。
・「ドッペルカード」が存在し、自分フィールドに「ドッペルモンスター」が存在しない場合、メインフェイズ1に1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を選び、そのモンスターと同名カード・同属性・同種族のモンスターとして「ドッペルモンスター」を自分のメインモンスターゾーンの両端に2体同時に召喚する(この召喚は通常召喚扱いとする)。発動するターンは、この効果以外での通常召喚は全て不可能。
・「ドッペルモンスター」はメインデッキにもエクストラデッキにも投入できない(トークンと同じ扱い)。
・「ドッペルモンスター」の攻撃力・守備力は選んだ相手モンスターと同じになる(Pスケール及びリンクマーカーはコピーできない)。
・「ドッペルモンスター」の元となったモンスターが相手フィールドから離れた場合、「ドッペルモンスター」が得ていた効果も全て失われ、カード名は「D(ドッペル)ゲンガー」として扱い、レベル1とする(攻守などの変化はない)。
・「ドッペルモンスター」がフィールドを離れる際、トークンと同様の処理を行なう。
・「ドッペルモンスター」は融合・S・X・リンク素材にできず、コストによるリリースはできない(「除外」は可能)。
・「ドッペルモンスター」がモンスターゾーンに存在する限り、相手はドッペルモンスター以外のモンスターを、効果及び攻撃の対象に選択できない(効果で「選ぶ」ことは可能)。
・「ドッペルモンスター」がお互いのフィールドに存在する場合、同じ縦列のメインモンスターゾーンに存在する「ドッペルモンスター」にしか攻撃できない(相手フィールドに1体しかドッペルモンスターが存在しない場合には、同じ縦列に存在しない方のドッペルモンスターは、相手のドッペルモンスターが存在しなくなった場合のみ攻撃可能)。
・「ドッペルカード」で相手フィールドの「ドッペルモンスター」を選ぶことはできない。
・「ドッペルカード」がフィールドゾーンから離れた場合、「ドッペルモンスター」は破壊される。
・メインモンスターゾーンが3つしか使用できないスピードデュエルでは使用不可能。
ドッペル召喚とは亜利沙の言った通り、死神として認められた者だけが扱える特別な召喚方法である。詳しいルールに関しては彼女が上記のように書き連ねたが、何故死神がこの召喚法を編み出したのか。どうしてデュエルの力が必要なのか。説明を重ねれば重ねるほど遊良の頭は「?」で埋め尽くされていったが、ようやく彼女が話を着地点に持ち込んだ。
「少年。お前に頼みがある。私と共に、霊退治をやってくれないか?というより、やれ」
「頼む側の態度じゃない……」
「3年前、誰の仕業かは知らないが『悪霊』が大量に脱獄した。特にお前が現世で暮らしていた国が溜まり場になっていてな」
「なるほど…。でも今の話はデュエルとどう繋がっているんだ?」
「お前もデュエリストの端くれなら、少しは頭を捻ってみろ。その悪霊を退治する方法がデュエルしかないからだろうが」
「うん、話がぶっ飛んでるけど不思議と納得できる。デュエルの力って凄い」
ちょうど遊良が他界したのとほぼ同時期に、何者かが牢に侵入し、絶対に開けてはならない「パンドラ・プリズン」を開けてしまい、断罪予定だった悪霊が一斉に脱走してしまった。そこで急遽「死神」と呼ばれる役職がつくられ、悪霊を全てプリズンに戻すことが決定された。「死神」に選ばれるための条件としては、「既に他界した」「未練がある」「デュエルの腕が人並み以上」の3つが揃っていなければならない。遊良は前の2つはクリアしているのだが、デュエルの腕に関してはほぼ初心者だ。ならば何故彼が選ばれたのか。
「他にも腕の立つ人はいたと思うんだけど、なんで俺が?」
「人手が足りないからだ!!」
「そんな堂々と言われても……」
「心配するな。始めはお前のような初心者でも相手できるような雑魚から退治する。そして私はお前のサポーターに抜擢された」
一口に悪霊といっても、死神のランクに応じて退治できる「強さ」が決まっている。遊良のような「見習い」が退治できる悪霊のレベルもせいぜい1桁程度のものだ。また、階級が低ければ目視できる悪霊も限られており、目に見えないほどレベルの高い悪霊にいきなり襲われてしまえば死神としての終わりを迎えてしまう。そこで亜利沙のようなランクの高いパートナーが必要になるのだが、彼女の階級は何と最高クラスの「ブラック」。遊良にとってこれ以上の人材はないだろう。
「私たちが死神として活動できる時間は、午前2時から日の出まで。その限られた時間の中で1体でも多くの悪霊をプリズンに戻すことで、死神としての階級も上がっていくのだ」
「えっと、じゃあそれ以外の時間帯は何をしているの?」
「現世での生活を謳歌している。ただし、死神であることを悟られてはならん」
亜利沙も外見的特徴から最も適した生活の場を幹部から与えられ、高校生活を送っている。勉学や部活に勤しみつつ死神としての活動もしなければならないのだから、彼女の生活もなかなか多忙だといえよう。しかし彼女も既に死んだ身。どれだけハードなスケジュールを重ねようとも、疲れが蓄積されることはない。
遊良にはまだまだ聞きたいことが山ほど残されていたが、「詳しいことは悪霊退治をやりながら教える」とこれ以上の説明はしてもらえなかった。混乱している状態で一度に大量の情報を詰め込みすぎると処理が追いつかなくなると配慮したのかは定かではないが、遊良に死神としての道具一式が与えられた。
「ホントに、俺が死神になるんですね……」
「不安か?」
「いえ。寧ろこういうのって、なんか新鮮です」
「うむ。では、これからよろしく頼むぞ、少年」
「こちらこそ。ホヅミ先輩」
かくして、死神2人による悪霊退治の物語が始まろうとしていた。
キャラ紹介
○凪 遊良(Yura Nagi)(死神)(階級:見習い)
難病にかかり中学卒業後に絶命したが、現世への未練があったため「死神」として人生をやり直す。脱獄した「悪霊」を退治するために亜利沙とタッグを組むことになった。自分を捨てた両親を憎んでいる。
*個人情報
・生年月日:2000年4月19日
・没年月日:2015年3月20日
・享年:15
・身長:168cm
・体重:48kg
・血液型:AB型RH-
○八月一日 亜利沙(Arisa Hodumi)(死神)(階級:ブラック)
遊良の先輩死神。生年月日や享年など詳細情報は基本的に教えず、行き当たりばったりで活動しがち。しかし死神としてのキャリアが長いだけあってデュエルや武器の扱いは遊良より長けており、男勝りな一面も目立つ。
*個人情報
・生年月日:不明
・没年月日:不明
・享年:不明
・身長:160cm
・体重:42kg
・スリーサイズ:B78(B) W57 H82
・血液型:不明
死神の主な武器一覧
・アンカー:悪霊がデュエルから逃げられなくするために使う。デュエルに敗北した場合、その者が一瞬で気絶するほどの衝撃が流れる。
・ディスク:死神用のデュエルディスク。一般的なものと特に差異はないが、「ドッペル召喚」と呼ばれる死神だけに与えられた召喚法データが内蔵されている。
・札:デュエル勝利後、悪霊に貼り付ける。プリズンに転送するために使う。
・サイズ:デュエル勝利後、高レベルの悪霊を断罪するために使う(ゴールド階級以上の死神のみ使用可能)。
・神の手:デュエル前に利き手に装着し、人間に取り憑いた悪霊を引き剥がすために使う。
死神階級リスト
・見習い(←遊良)
・駆け出し
・半人前
・一人前
・グリーン
・ブロンズ
・シルバー
・ゴールド
・プラチナ
・ブラック(←亜利沙)
~あとがき~
お久しぶりです、とうかいりんです。この度、月一ペースで全く新しいシリーズものを展開する運びとなりましたが、それに伴い、3ヶ月以上も放置してある「遊☆戯☆王V☆S」の連載を一時休止とさせていただきます。最終話までの構想は出来上がっているのですが、ss更新の間隔もすっかり空いてしまいましたが故に、リハビリと心機一転も兼ねて新たにこのような拙作を書くことにしました。
1話辺りの文字数も比較的少なめで書こうと思っているので、何卒よろしくお願いします。
最終修正:2020.11/12
少年の名前は凪 遊良(なぎ ゆうら)。生まれつき身体が弱く、事ある毎に病院に運ばれるような人間で、今もこうして入院しているが、今回は今までとは話が違う。
昨年判明したことなのだが、彼は重度の難病に侵されていた。おまけにそのステージも相当進行していたらしく、既に治せないレベルに到達していたのだ。危篤状態になるまで放置されたことになるのだが、一体彼の両親は何をしていたのだろうか。
単刀直入に言うが、遊良の両親は十年前に一人息子を残して「夜逃げ」した。のっぴきならない事情なら同情の余地はあるのだが、彼らは賭博という賭博に全て大敗し多額の借金を背負ってしまったのだ。加えてその責任を何の関係もない遊良に押しつけ、挙げ句の果てに「お前なんか産まなきゃよかった」と吐き捨て逃走した。
(チクショウ…せめてあのバカ親に一矢報いてやろうかと思ったけど、やっぱ俺って無力だな。ごめんな、爺ちゃん、婆ちゃん)
温厚な祖父母の実家で暮らすことになった遊良だが、両親に捨てられた憎しみを掻き消すことはできず、大人になったら復讐を果たしてやろうとも思っていた。しかしその願いも叶わず、彼は祖父母と未練を現世に残したまま……他界した。
「…あれ?ここ、いずこ?」
死んだはずの遊良が目を覚ますと、こざっぱりした部屋の中にいた。病院のように真っ白な部屋でも、祖父母の実家のように長閑な空気が通っていることもない。夜風のように寒く吹き抜け、壁もあちこち傷んでいる。まるで廃屋のような場所だった。
「っていうか俺、死んだよな?」
「その通り。お前は死んだ」
「のわぁっ?!誰だお前!!!」
唐突に現れた、黒装束を着た少女。見た目は大体同い年、身長はおおよそ160cm。女子の中ではまあまあ高身長な部類だろう。しかし、彼女が背負っているものを一目見た瞬間、遊良の脳が思考を拒絶した。身長の倍近くはある、所々錆び付き、鮮血に染まった鎌。遊良も漫画で一度は目にしたことのあるその姿は、正に「死神」そのものだった。
恐怖に怯える彼を見て悟ったのか、少女は隠していたカバンの中に巨大な鎌をしまい込んだ。彼女曰く「カバンの中は多次元空間でできている」とのことだが、三次元までしか知らない遊良にとっては何がどうなっているのかさっぱり分からなかった。
「えっと……」
「3年前、お前は死んだ」
「……どちらさまで?」
「ん?おぉ、そうだった。自己紹介がまだだったな。お前にくれてやる」
黒一色に染まった名刺カードには、血塗られたかのような赤い文字で「八月一日 亜利沙」と書かれていた。名前の方は難なく読めたのだが、どこの世界に日付を苗字にする国があるのかと頭を抱えた遊良は、分からないなりに彼女の苗字を呼んでみた。
「えーっと…はちがつついたち、さん?」
「『ほづみ』だ!!お前、相当頭が悪いな」
「まあ、学校での成績はあんまし良くなかったけど…これって知らないと読めないのでは?」
「そんなことより喜べ。お前は死神に選ばれた」
「待って。話の展開が急すぎて聞き間違えたかもしれないんだけど……何に選ばれたって?」
「死神だ」
「そっかー、死神か~。確かに俺、死んだからなー、ってなるかいボケェェェ!!」
「おお、今のはよいノリツッコミだったぞ。生前は芸人でも目指していたのか?」
ここまで他人に振り回されたのは(既に死んでいるが)生まれて初めてであり、「死神」への恐怖心も薄れてきたが、いつまでもこの流れに乗っていては同じ事の繰り返し。どうにかして軌道修正を試みた彼は、最も衝撃の強かった「死神」という言葉の真意を問こうとしたが、後に予想を超える「運命」が立ちはだかることになるとはこの時は思ってもいなかった。
「で、死神って何ぞ?」
「時に少年。お前はデュエルモンスターズをやったことはあるか?」
「テレビで見たことはあるけど、実際にデッキは組んだことないかな。でも基本的なルールは知ってるから大丈夫…っていうか質問を質問で返す人、本当にいるんだ」
「そうかそうか。なら、『ドッペル召喚』も知っているな?」
「ドッペル……あぁ、レベル2のアレ?」
「それはドッペル・ウォリアーだ。尤も、この召喚方法は我々死神だけが扱えるものだから、お前が知っているはずはないのだがな」
※ドッペルモンスター及びドッペル召喚について
・「ドッペルモンスター」のカラーは「灰色」。
・手札から「ドッペルカード」をフィールドゾーンに発動する(フィールド魔法カードとして扱う)。
・「ドッペルカード」が存在し、自分フィールドに「ドッペルモンスター」が存在しない場合、メインフェイズ1に1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を選び、そのモンスターと同名カード・同属性・同種族のモンスターとして「ドッペルモンスター」を自分のメインモンスターゾーンの両端に2体同時に召喚する(この召喚は通常召喚扱いとする)。発動するターンは、この効果以外での通常召喚は全て不可能。
・「ドッペルモンスター」はメインデッキにもエクストラデッキにも投入できない(トークンと同じ扱い)。
・「ドッペルモンスター」の攻撃力・守備力は選んだ相手モンスターと同じになる(Pスケール及びリンクマーカーはコピーできない)。
・「ドッペルモンスター」の元となったモンスターが相手フィールドから離れた場合、「ドッペルモンスター」が得ていた効果も全て失われ、カード名は「D(ドッペル)ゲンガー」として扱い、レベル1とする(攻守などの変化はない)。
・「ドッペルモンスター」がフィールドを離れる際、トークンと同様の処理を行なう。
・「ドッペルモンスター」は融合・S・X・リンク素材にできず、コストによるリリースはできない(「除外」は可能)。
・「ドッペルモンスター」がモンスターゾーンに存在する限り、相手はドッペルモンスター以外のモンスターを、効果及び攻撃の対象に選択できない(効果で「選ぶ」ことは可能)。
・「ドッペルモンスター」がお互いのフィールドに存在する場合、同じ縦列のメインモンスターゾーンに存在する「ドッペルモンスター」にしか攻撃できない(相手フィールドに1体しかドッペルモンスターが存在しない場合には、同じ縦列に存在しない方のドッペルモンスターは、相手のドッペルモンスターが存在しなくなった場合のみ攻撃可能)。
・「ドッペルカード」で相手フィールドの「ドッペルモンスター」を選ぶことはできない。
・「ドッペルカード」がフィールドゾーンから離れた場合、「ドッペルモンスター」は破壊される。
・メインモンスターゾーンが3つしか使用できないスピードデュエルでは使用不可能。
ドッペル召喚とは亜利沙の言った通り、死神として認められた者だけが扱える特別な召喚方法である。詳しいルールに関しては彼女が上記のように書き連ねたが、何故死神がこの召喚法を編み出したのか。どうしてデュエルの力が必要なのか。説明を重ねれば重ねるほど遊良の頭は「?」で埋め尽くされていったが、ようやく彼女が話を着地点に持ち込んだ。
「少年。お前に頼みがある。私と共に、霊退治をやってくれないか?というより、やれ」
「頼む側の態度じゃない……」
「3年前、誰の仕業かは知らないが『悪霊』が大量に脱獄した。特にお前が現世で暮らしていた国が溜まり場になっていてな」
「なるほど…。でも今の話はデュエルとどう繋がっているんだ?」
「お前もデュエリストの端くれなら、少しは頭を捻ってみろ。その悪霊を退治する方法がデュエルしかないからだろうが」
「うん、話がぶっ飛んでるけど不思議と納得できる。デュエルの力って凄い」
ちょうど遊良が他界したのとほぼ同時期に、何者かが牢に侵入し、絶対に開けてはならない「パンドラ・プリズン」を開けてしまい、断罪予定だった悪霊が一斉に脱走してしまった。そこで急遽「死神」と呼ばれる役職がつくられ、悪霊を全てプリズンに戻すことが決定された。「死神」に選ばれるための条件としては、「既に他界した」「未練がある」「デュエルの腕が人並み以上」の3つが揃っていなければならない。遊良は前の2つはクリアしているのだが、デュエルの腕に関してはほぼ初心者だ。ならば何故彼が選ばれたのか。
「他にも腕の立つ人はいたと思うんだけど、なんで俺が?」
「人手が足りないからだ!!」
「そんな堂々と言われても……」
「心配するな。始めはお前のような初心者でも相手できるような雑魚から退治する。そして私はお前のサポーターに抜擢された」
一口に悪霊といっても、死神のランクに応じて退治できる「強さ」が決まっている。遊良のような「見習い」が退治できる悪霊のレベルもせいぜい1桁程度のものだ。また、階級が低ければ目視できる悪霊も限られており、目に見えないほどレベルの高い悪霊にいきなり襲われてしまえば死神としての終わりを迎えてしまう。そこで亜利沙のようなランクの高いパートナーが必要になるのだが、彼女の階級は何と最高クラスの「ブラック」。遊良にとってこれ以上の人材はないだろう。
「私たちが死神として活動できる時間は、午前2時から日の出まで。その限られた時間の中で1体でも多くの悪霊をプリズンに戻すことで、死神としての階級も上がっていくのだ」
「えっと、じゃあそれ以外の時間帯は何をしているの?」
「現世での生活を謳歌している。ただし、死神であることを悟られてはならん」
亜利沙も外見的特徴から最も適した生活の場を幹部から与えられ、高校生活を送っている。勉学や部活に勤しみつつ死神としての活動もしなければならないのだから、彼女の生活もなかなか多忙だといえよう。しかし彼女も既に死んだ身。どれだけハードなスケジュールを重ねようとも、疲れが蓄積されることはない。
遊良にはまだまだ聞きたいことが山ほど残されていたが、「詳しいことは悪霊退治をやりながら教える」とこれ以上の説明はしてもらえなかった。混乱している状態で一度に大量の情報を詰め込みすぎると処理が追いつかなくなると配慮したのかは定かではないが、遊良に死神としての道具一式が与えられた。
「ホントに、俺が死神になるんですね……」
「不安か?」
「いえ。寧ろこういうのって、なんか新鮮です」
「うむ。では、これからよろしく頼むぞ、少年」
「こちらこそ。ホヅミ先輩」
かくして、死神2人による悪霊退治の物語が始まろうとしていた。
キャラ紹介
○凪 遊良(Yura Nagi)(死神)(階級:見習い)
難病にかかり中学卒業後に絶命したが、現世への未練があったため「死神」として人生をやり直す。脱獄した「悪霊」を退治するために亜利沙とタッグを組むことになった。自分を捨てた両親を憎んでいる。
*個人情報
・生年月日:2000年4月19日
・没年月日:2015年3月20日
・享年:15
・身長:168cm
・体重:48kg
・血液型:AB型RH-
○八月一日 亜利沙(Arisa Hodumi)(死神)(階級:ブラック)
遊良の先輩死神。生年月日や享年など詳細情報は基本的に教えず、行き当たりばったりで活動しがち。しかし死神としてのキャリアが長いだけあってデュエルや武器の扱いは遊良より長けており、男勝りな一面も目立つ。
*個人情報
・生年月日:不明
・没年月日:不明
・享年:不明
・身長:160cm
・体重:42kg
・スリーサイズ:B78(B) W57 H82
・血液型:不明
死神の主な武器一覧
・アンカー:悪霊がデュエルから逃げられなくするために使う。デュエルに敗北した場合、その者が一瞬で気絶するほどの衝撃が流れる。
・ディスク:死神用のデュエルディスク。一般的なものと特に差異はないが、「ドッペル召喚」と呼ばれる死神だけに与えられた召喚法データが内蔵されている。
・札:デュエル勝利後、悪霊に貼り付ける。プリズンに転送するために使う。
・サイズ:デュエル勝利後、高レベルの悪霊を断罪するために使う(ゴールド階級以上の死神のみ使用可能)。
・神の手:デュエル前に利き手に装着し、人間に取り憑いた悪霊を引き剥がすために使う。
死神階級リスト
・見習い(←遊良)
・駆け出し
・半人前
・一人前
・グリーン
・ブロンズ
・シルバー
・ゴールド
・プラチナ
・ブラック(←亜利沙)
~あとがき~
お久しぶりです、とうかいりんです。この度、月一ペースで全く新しいシリーズものを展開する運びとなりましたが、それに伴い、3ヶ月以上も放置してある「遊☆戯☆王V☆S」の連載を一時休止とさせていただきます。最終話までの構想は出来上がっているのですが、ss更新の間隔もすっかり空いてしまいましたが故に、リハビリと心機一転も兼ねて新たにこのような拙作を書くことにしました。
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最終修正:2020.11/12
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同シリーズ作品
イイネ | タイトル | 閲覧数 | コメ数 | 投稿日 | 操作 | |
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77 | 第1話:死神、はじめました | 866 | 4 | 2018-12-20 | - | |
74 | 第2話:悪霊退治、はじめます | 833 | 4 | 2019-01-11 | - | |
69 | 第3話:魂、懸けます | 883 | 2 | 2019-03-10 | - | |
84 | 第4話:新生活、始めます | 668 | 0 | 2020-05-02 | - | |
51 | 第5話:生徒会長に潜む影 | 544 | 0 | 2020-05-22 | - | |
56 | 第6話:運命を導く者 | 566 | 0 | 2020-06-20 | - | |
34 | 第7話:見えたもの | 535 | 0 | 2020-07-12 | - | |
64 | 第8話:反逆のランスロット | 698 | 0 | 2020-08-16 | - | |
62 | 第9話:遊良の覚悟 | 624 | 0 | 2020-09-20 | - | |
51 | 第10話:遊良vsみづき 前編 | 635 | 0 | 2020-10-23 | - | |
54 | 第11話:遊良vsみづき 後編 | 631 | 0 | 2020-11-20 | - | |
47 | 第12話:御霊の子 | 565 | 0 | 2021-01-31 | - | |
68 | 第13話:聖なる大樹 | 827 | 0 | 2021-03-12 | - |
更新情報 - NEW -
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この作品独自の召喚法として、ドッペル召喚というものが登場しますが、法則やルールを見る限りだとこれまでの召喚法と比べるとより一層のテクニックが求められるようですね。実際にこのD召喚がどのような活躍をするのかが楽しみです。
(2018-12-21 13:12)
お久しぶりです。この作品は主人公が開幕で死亡するというトンデモな扱いになりましたが、そこから「死神」として新たな一生を得るという、ある意味「転生もの」になりました(←初挑戦です)。
リンク召喚までのシステムも採用していますが、デュエル歴や死神としての経験がまだまだ浅い遊良がこの先どう戦っていくのか。お楽しみに。 (2018-12-22 09:29)
こちらでははじめまして...ですよね?ヒラーズさんの発想力や執筆の速さには常々驚かされています(一体どこにそんな引き出しがあるのか...)。
諸事情により月一更新になりますこのシリーズですが、次回以降もお楽しみに。 (2018-12-22 09:42)