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第八話 神の門 作:ぬる
アズハ「え、い……いきなり妻だなんて……な……」
混乱するアズハをよそに、王は高々と笑い声を玉座の間に響かせる。
シェム「……フフフ、フハハハハハ!! 愛いやつよのう。良い、実に良いぞ」
リュウガ「…………」
あまりにも目の前の人物のキャラが濃すぎてフリーズしていたが、このままという訳にはいかない。俺は意を決して口を開く。
リュウガ「……シェム王。あなたにはいくつか聞きたいことがある。答えてもらおうか」
シェム「ほう……中々に肝の据わった男よのう。普段ならばその不敬を処すところだが……折角の客人だ。丁重にもてなそう。さあ、何を聞く?」
リュウガ「……この塔の建設の意味だ。あんたは一体何を狙っている?」
シェム「この事態の解決が貴様の役目か……。いいだろう。だがその話をするためには、まず俺の身の上話をする必要がある」
シェム「我は、民によって望まれ、生まれた存在だ。争いのない平和な世界、絶望のない楽園とも呼べる世界を、この世界の者たちは望んでいた。その集合無意識とも呼べるものが、この我という存在を創り出したのだ」
シェム「故に、我の使命はただ一つ。彼ら民をより良き世界へと導くこと。その方法こそがこのバベルの塔よ」
シェム「男、貴様もバベルの塔の伝承は知っているであろう。世界の言葉がまだ一つだった時の話だ。人々はシェムを積み上げ、天へすら届く塔を建設しようとした。……まあ、その目論見は成し得なかったがな。神は人々の言葉を混乱させ、結束を断ち切ったの
だ。塔が完成することはなかった」
シェム「だからこそ、今回は我がいる。民を結束させ、我々は天へと至る。そこに至上の世界があると信じて」
シェム「どうだ? 理由としてはこのようなところよ」
リュウガ「……その為に、俺たちの世界に混乱をもたらしても構わないと?」
シェム「無論、貴様らの世界への影響もこの我は知っているわ。だが、それがどうした? この塔完成の暁には、貴様らも天へ至る資格がある。望めば、楽園へ辿り着くことができるのだぞ? この程度の代償、あってないようなものだと思うがな」
シェム「そしてファラオよ。我が貴様を求めるのもそれに依るもの。貴様も王であるならば分かるであろう? 民を導き、自らの国を繁栄させることこそが王の務めであると。その景色を知っている者だからこそ、我は貴様を望む。並び立ち、共に理想の世界へ至
ろうではないか」
語りかけられたアズハは――いや、語りかけられたのはファラオの器としてであって、アズハ自身ではない。それを彼女自身は理解しているのだろうか。ともかくも――しっかりと眼前の王を見据え、静かに語り出した。
アズハ「……いいえ。あなたは……間違っている」
シェム「……何?」
アズハ「あなたのその考えは、一人よがりのものでしかない」
アズハ「わたしは……ファラオなんて器じゃない。だから、今を生きる一人の人間として、あなたを否定する!」
アズハ「人は……モンスターでもそう。より良い未来を目指して、今を懸命に、もがきながら生きているの。それは、自分の幸福を自分で掴むため。でもそれは、誰かに与えられるものではない。ましてや天から授かるものでも、王様が一方的に与えるものでもな
い」
アズハ「あなたのその行いは、今を真剣に生きている人への侮辱よ!」
アズハ「いいえ、ファラオだってきっとそう言うはず。王は民を導くのが使命だと、あなたは言った。ならば、王は民を導きこそすれど、全ては与えない。その先の未来は、自分自身の手で得るものだと……私は、そう思うの」
今のは……アズハの中のファラオが発した言葉だったのだろうか? それとも、アズハ自身の言葉……?
シェム「……成程。同じ王ならば理解の境地にあると思っていたが、とんだ期待外れよ」
アズハ「…………」
シェム「……貴様らの望みはこれだろう」
そう言ってシェム王は何かを手に持つような所作をとる。すると、たちまちに白い光の靄がかかり、そこに現れたのは――
リュウガ「あれは!」
見間違う筈もない。記録で幾度となく見た、白きピラミッドでも目にした、金色に輝くそれは――
リュウガ「――千年秤!!」
アズハ「……っ! ぐ、う……!!」
リュウガ「おっ、おい! 大丈夫か、アズハ!?」
シェム「これこそが、我をこの世界に留めている因果よ。無論本物ではない。言うなれば、とある時代のファラオが使役していた時代の力の結晶……その名残ともいえるものよ。それは名もなきファラオ、貴様の力だ」
そうか、俺がエジプトで見た彼女に感じたイメージの正体はそういうことか。
ファラオである彼女は、千年アイテムの力を使い、エジプトに絶対正義を敷いていた。いつしかその姿はエジプトにおける正義の女神と混同されるようになり、ついには彼女自身がその女神になった……。白きピラミッド内部で見た壁画の内容と照らし合わせる
と、こんなところだろうか。
ならば、これからの道も決まった。彼女の記憶を取り戻すためには、千年アイテムが鍵になるはず。そして、この顕現異世界には、千年アイテムが存在している。顕現異世界を突破し、千年アイテムを回収する。
……いかん。思考が未来に飛躍してしまった。まずは目の前の相手に集中しないと。
シェム「……決闘だ。たとえ理解はされずとも……力を以って知らしめてやる。貴様らの陳腐な考えなど、この世の誰もが望んではいないということをな!!」
シェム王から、こちらを圧し潰さんとする凄まじいまでの殺気が発せられる。まるで空間そのものが彼の支配下に置かれたかのように、俺たちという異物を拒絶している。
リュウガ(……く。気を抜いたら簡単に意識を持って行かれそうだ)
シェム「さあ、挑むはどちらだ? 名もなきファラオ、貴様か? それとも男か?」
リュウガ「……俺が相手にな「リュウガ」
アズハ「……わたしがいく」
リュウガ「……アズハ……」
アズハ「……これは、わたしの戦いなの」
力強い紅の瞳で訴えるアズハ。俺は少し迷ったが、
クリボー「クリクリ」
リュウガ「……そうだな、わかった。頼むぞ」
アズハ「……うん」
シェム「フッ。貴様か、ファラオ」
アズハ「……今ここに、一人の決闘者として、わたしはあなたに全身全霊で挑む!」
シェム「上等だ……行くぞ!!」
「「――決闘!!」」
シェム LP4000
アズハ LP4000
シェム「先攻は譲ってやろう」
アズハ「……わたしのターン」
TURN01
アズハ(……頼むね)
アズハ「わたしはモンスターをセットし、ターンエンド」
TURN02
シェム「我のターン」手札5→6
シェム「我は魔法カード『天地創造の叙事詩(エヌマ・エリシュ)』を発動! その効果により、デッキから『天(アヌンナ)』を手札に加える」手札6→6
リュウガ(エヌマ・エリシュ……メソポタミアにおける創世神話か)
シェム「その通り! 博識だなあ、男!」
リュウガ「……今のモノローグだったんだけど」
シェム「この程度、我には造作もないことよ」
リュウガ「…………」
シェム「そして我は、『天(アヌンナ)』『地(キ)』の永続魔法を発動する! アヌは天を、キは地を司る神だ。そして、その2神より生まれしアヌンナキは、メソポタミアにおける神々を指す」
2枚のカードは、まるでフィールド魔法のように、辺りの景色をメソポタミアの肥沃な大地と高い空に描き換えた。
シェム「だが案ずるな。貴様が相対するは神々ではなく、その眷属。即ち、ティアマト11の子供たちよ! 『混成獣ギルタブルル』召喚!」
現れたのは、半身半獣の盾持つ守護者。その上半身と足は人間のそれだが、腰はサソリであり、サソリの尻尾を持っている。
ギルタブルル「……」攻撃表示
混成獣ギルタブルル 地 ☆4 獣戦士族
効果不明
ATK1400 DEF1600
シェム「『ギルタブルル』の効果により、デッキから新たな「混成獣」を手札に加える」
シェム「更に永続魔法『原初の海』発動! 鳴動せよ天地! 今こそその力を示すが良い! 『混成獣ムシュフシュ』特殊召喚!」手札2
次いで現れたのは、2本の長い角と2つの耳がはえている蛇のような頭、ライオンの前脚、鷲の後脚、サソリの尾を持つ4足歩行の獣だった。
ムシュフシュ「ムシャアアアーー!!」攻撃表示
混成獣ムシュフシュ 地 ☆5 ドラゴン族
効果不明
ATK2000 DEF2200
リュウガ「上級モンスターを特殊召喚……『アヌンナ』『キ』の効果か!」
シェム「如何にも! 名もなきファラオ、貴様のLPを抉り取ってやる。バトルだ! まずは『ギルタブルル』でセットモンスターに攻撃!」
ハネクリボー「クリー!」破壊
アズハ「くっ……『ハネクリボー』の効果発動!」
シェム「……ほう、戦闘ダメージを0にする効果か。これでは『ムシュフシュ』のダメージは通らんな……攻撃だ」
アズハ「!」
ハネクリボー「クリー!」
ハネクリボーが現れ、アズハへの攻撃を防ぐ。
シェム「これでバトルフェイズ終了よ。この瞬間、2体の「混成獣」の効果が発動する!」
シェム「戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、『ムシュフシュ』は手札からレベル6以下の「混成獣」を呼び出す。来い、『混成獣バシュム』!」
2本の角と前脚を持った蛇が現れる。絶え間なく口から溢れ出すその液体は、よほど強力な毒かなにかであろうか。垂れた落ちたところの地面をジュワリと灼いている。
バシュム「シュウウウゥゥ――」守備表示
混成獣バシュム ☆6 地 爬虫類族
効果不明
ATK2600 DEF2400
シェム「更にギルタブルルの効果によりバシュムの守備力を1000アップさせる」
シェム「……我はこれでターンエンドよ」
TURN03
アズハ「……わたしのターン」手札4→5
アズハ「わたしは『融合』を発動。手札の『クリボーン』と『クリボール』で融合召喚!」
アズハ「来て! 『フュージョン・クリボー』」
リュウガ「融合のクリボー!」
フュージョン・クリボー「クリクリー!」ATK300
アズハ「更にわたしは『儀式の下準備』を発動! その効果でデッキから『クリボーの聖儀式』と、そのテキストに記された『リチュアル・クリボー』を手札に加えるわ」手札2→3
アズハ「そして、『クリボーの聖儀式』発動。墓地の『クリボール』を除外して儀式召喚!」
アズハ「現れて、『リチュアル・クリボー』!」
リチュアル・クリボー「クリー!」 DEF200
リチュアル・クリボー 光 ☆1 天使族
「クリボーの聖儀式」により降臨
①:1ターンに1度、手札の「クリボー」モンスター1体を特殊召喚できる。
②:このカードがリリースされた場合に発動する。自分はデッキから1枚ドローする。
ATK300 DEF200
シェム「クリボー……それが貴様のモンスターたちか」
アズハ「ええ。この子たちと共に、わたしはあなたを倒す!」
ハネクリボー「クリー!」
★ ☆ ★ ☆ ★
次回予告
シェム王の操る「混成獣」を前に、アズハのファラオとしての魂が目を覚まし、エジプトの神のカードが現れる。だがシェム王はそれにも動じず、メソポタミア神々の祖、原初の女神を呼び覚ます。王と王、神と神の戦いは、佳境へと突入していく。
次回、「原初の女神」
混乱するアズハをよそに、王は高々と笑い声を玉座の間に響かせる。
シェム「……フフフ、フハハハハハ!! 愛いやつよのう。良い、実に良いぞ」
リュウガ「…………」
あまりにも目の前の人物のキャラが濃すぎてフリーズしていたが、このままという訳にはいかない。俺は意を決して口を開く。
リュウガ「……シェム王。あなたにはいくつか聞きたいことがある。答えてもらおうか」
シェム「ほう……中々に肝の据わった男よのう。普段ならばその不敬を処すところだが……折角の客人だ。丁重にもてなそう。さあ、何を聞く?」
リュウガ「……この塔の建設の意味だ。あんたは一体何を狙っている?」
シェム「この事態の解決が貴様の役目か……。いいだろう。だがその話をするためには、まず俺の身の上話をする必要がある」
シェム「我は、民によって望まれ、生まれた存在だ。争いのない平和な世界、絶望のない楽園とも呼べる世界を、この世界の者たちは望んでいた。その集合無意識とも呼べるものが、この我という存在を創り出したのだ」
シェム「故に、我の使命はただ一つ。彼ら民をより良き世界へと導くこと。その方法こそがこのバベルの塔よ」
シェム「男、貴様もバベルの塔の伝承は知っているであろう。世界の言葉がまだ一つだった時の話だ。人々はシェムを積み上げ、天へすら届く塔を建設しようとした。……まあ、その目論見は成し得なかったがな。神は人々の言葉を混乱させ、結束を断ち切ったの
だ。塔が完成することはなかった」
シェム「だからこそ、今回は我がいる。民を結束させ、我々は天へと至る。そこに至上の世界があると信じて」
シェム「どうだ? 理由としてはこのようなところよ」
リュウガ「……その為に、俺たちの世界に混乱をもたらしても構わないと?」
シェム「無論、貴様らの世界への影響もこの我は知っているわ。だが、それがどうした? この塔完成の暁には、貴様らも天へ至る資格がある。望めば、楽園へ辿り着くことができるのだぞ? この程度の代償、あってないようなものだと思うがな」
シェム「そしてファラオよ。我が貴様を求めるのもそれに依るもの。貴様も王であるならば分かるであろう? 民を導き、自らの国を繁栄させることこそが王の務めであると。その景色を知っている者だからこそ、我は貴様を望む。並び立ち、共に理想の世界へ至
ろうではないか」
語りかけられたアズハは――いや、語りかけられたのはファラオの器としてであって、アズハ自身ではない。それを彼女自身は理解しているのだろうか。ともかくも――しっかりと眼前の王を見据え、静かに語り出した。
アズハ「……いいえ。あなたは……間違っている」
シェム「……何?」
アズハ「あなたのその考えは、一人よがりのものでしかない」
アズハ「わたしは……ファラオなんて器じゃない。だから、今を生きる一人の人間として、あなたを否定する!」
アズハ「人は……モンスターでもそう。より良い未来を目指して、今を懸命に、もがきながら生きているの。それは、自分の幸福を自分で掴むため。でもそれは、誰かに与えられるものではない。ましてや天から授かるものでも、王様が一方的に与えるものでもな
い」
アズハ「あなたのその行いは、今を真剣に生きている人への侮辱よ!」
アズハ「いいえ、ファラオだってきっとそう言うはず。王は民を導くのが使命だと、あなたは言った。ならば、王は民を導きこそすれど、全ては与えない。その先の未来は、自分自身の手で得るものだと……私は、そう思うの」
今のは……アズハの中のファラオが発した言葉だったのだろうか? それとも、アズハ自身の言葉……?
シェム「……成程。同じ王ならば理解の境地にあると思っていたが、とんだ期待外れよ」
アズハ「…………」
シェム「……貴様らの望みはこれだろう」
そう言ってシェム王は何かを手に持つような所作をとる。すると、たちまちに白い光の靄がかかり、そこに現れたのは――
リュウガ「あれは!」
見間違う筈もない。記録で幾度となく見た、白きピラミッドでも目にした、金色に輝くそれは――
リュウガ「――千年秤!!」
アズハ「……っ! ぐ、う……!!」
リュウガ「おっ、おい! 大丈夫か、アズハ!?」
シェム「これこそが、我をこの世界に留めている因果よ。無論本物ではない。言うなれば、とある時代のファラオが使役していた時代の力の結晶……その名残ともいえるものよ。それは名もなきファラオ、貴様の力だ」
そうか、俺がエジプトで見た彼女に感じたイメージの正体はそういうことか。
ファラオである彼女は、千年アイテムの力を使い、エジプトに絶対正義を敷いていた。いつしかその姿はエジプトにおける正義の女神と混同されるようになり、ついには彼女自身がその女神になった……。白きピラミッド内部で見た壁画の内容と照らし合わせる
と、こんなところだろうか。
ならば、これからの道も決まった。彼女の記憶を取り戻すためには、千年アイテムが鍵になるはず。そして、この顕現異世界には、千年アイテムが存在している。顕現異世界を突破し、千年アイテムを回収する。
……いかん。思考が未来に飛躍してしまった。まずは目の前の相手に集中しないと。
シェム「……決闘だ。たとえ理解はされずとも……力を以って知らしめてやる。貴様らの陳腐な考えなど、この世の誰もが望んではいないということをな!!」
シェム王から、こちらを圧し潰さんとする凄まじいまでの殺気が発せられる。まるで空間そのものが彼の支配下に置かれたかのように、俺たちという異物を拒絶している。
リュウガ(……く。気を抜いたら簡単に意識を持って行かれそうだ)
シェム「さあ、挑むはどちらだ? 名もなきファラオ、貴様か? それとも男か?」
リュウガ「……俺が相手にな「リュウガ」
アズハ「……わたしがいく」
リュウガ「……アズハ……」
アズハ「……これは、わたしの戦いなの」
力強い紅の瞳で訴えるアズハ。俺は少し迷ったが、
クリボー「クリクリ」
リュウガ「……そうだな、わかった。頼むぞ」
アズハ「……うん」
シェム「フッ。貴様か、ファラオ」
アズハ「……今ここに、一人の決闘者として、わたしはあなたに全身全霊で挑む!」
シェム「上等だ……行くぞ!!」
「「――決闘!!」」
シェム LP4000
アズハ LP4000
シェム「先攻は譲ってやろう」
アズハ「……わたしのターン」
TURN01
アズハ(……頼むね)
アズハ「わたしはモンスターをセットし、ターンエンド」
TURN02
シェム「我のターン」手札5→6
シェム「我は魔法カード『天地創造の叙事詩(エヌマ・エリシュ)』を発動! その効果により、デッキから『天(アヌンナ)』を手札に加える」手札6→6
リュウガ(エヌマ・エリシュ……メソポタミアにおける創世神話か)
シェム「その通り! 博識だなあ、男!」
リュウガ「……今のモノローグだったんだけど」
シェム「この程度、我には造作もないことよ」
リュウガ「…………」
シェム「そして我は、『天(アヌンナ)』『地(キ)』の永続魔法を発動する! アヌは天を、キは地を司る神だ。そして、その2神より生まれしアヌンナキは、メソポタミアにおける神々を指す」
2枚のカードは、まるでフィールド魔法のように、辺りの景色をメソポタミアの肥沃な大地と高い空に描き換えた。
シェム「だが案ずるな。貴様が相対するは神々ではなく、その眷属。即ち、ティアマト11の子供たちよ! 『混成獣ギルタブルル』召喚!」
現れたのは、半身半獣の盾持つ守護者。その上半身と足は人間のそれだが、腰はサソリであり、サソリの尻尾を持っている。
ギルタブルル「……」攻撃表示
混成獣ギルタブルル 地 ☆4 獣戦士族
効果不明
ATK1400 DEF1600
シェム「『ギルタブルル』の効果により、デッキから新たな「混成獣」を手札に加える」
シェム「更に永続魔法『原初の海』発動! 鳴動せよ天地! 今こそその力を示すが良い! 『混成獣ムシュフシュ』特殊召喚!」手札2
次いで現れたのは、2本の長い角と2つの耳がはえている蛇のような頭、ライオンの前脚、鷲の後脚、サソリの尾を持つ4足歩行の獣だった。
ムシュフシュ「ムシャアアアーー!!」攻撃表示
混成獣ムシュフシュ 地 ☆5 ドラゴン族
効果不明
ATK2000 DEF2200
リュウガ「上級モンスターを特殊召喚……『アヌンナ』『キ』の効果か!」
シェム「如何にも! 名もなきファラオ、貴様のLPを抉り取ってやる。バトルだ! まずは『ギルタブルル』でセットモンスターに攻撃!」
ハネクリボー「クリー!」破壊
アズハ「くっ……『ハネクリボー』の効果発動!」
シェム「……ほう、戦闘ダメージを0にする効果か。これでは『ムシュフシュ』のダメージは通らんな……攻撃だ」
アズハ「!」
ハネクリボー「クリー!」
ハネクリボーが現れ、アズハへの攻撃を防ぐ。
シェム「これでバトルフェイズ終了よ。この瞬間、2体の「混成獣」の効果が発動する!」
シェム「戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、『ムシュフシュ』は手札からレベル6以下の「混成獣」を呼び出す。来い、『混成獣バシュム』!」
2本の角と前脚を持った蛇が現れる。絶え間なく口から溢れ出すその液体は、よほど強力な毒かなにかであろうか。垂れた落ちたところの地面をジュワリと灼いている。
バシュム「シュウウウゥゥ――」守備表示
混成獣バシュム ☆6 地 爬虫類族
効果不明
ATK2600 DEF2400
シェム「更にギルタブルルの効果によりバシュムの守備力を1000アップさせる」
シェム「……我はこれでターンエンドよ」
TURN03
アズハ「……わたしのターン」手札4→5
アズハ「わたしは『融合』を発動。手札の『クリボーン』と『クリボール』で融合召喚!」
アズハ「来て! 『フュージョン・クリボー』」
リュウガ「融合のクリボー!」
フュージョン・クリボー「クリクリー!」ATK300
アズハ「更にわたしは『儀式の下準備』を発動! その効果でデッキから『クリボーの聖儀式』と、そのテキストに記された『リチュアル・クリボー』を手札に加えるわ」手札2→3
アズハ「そして、『クリボーの聖儀式』発動。墓地の『クリボール』を除外して儀式召喚!」
アズハ「現れて、『リチュアル・クリボー』!」
リチュアル・クリボー「クリー!」 DEF200
リチュアル・クリボー 光 ☆1 天使族
「クリボーの聖儀式」により降臨
①:1ターンに1度、手札の「クリボー」モンスター1体を特殊召喚できる。
②:このカードがリリースされた場合に発動する。自分はデッキから1枚ドローする。
ATK300 DEF200
シェム「クリボー……それが貴様のモンスターたちか」
アズハ「ええ。この子たちと共に、わたしはあなたを倒す!」
ハネクリボー「クリー!」
★ ☆ ★ ☆ ★
次回予告
シェム王の操る「混成獣」を前に、アズハのファラオとしての魂が目を覚まし、エジプトの神のカードが現れる。だがシェム王はそれにも動じず、メソポタミア神々の祖、原初の女神を呼び覚ます。王と王、神と神の戦いは、佳境へと突入していく。
次回、「原初の女神」
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126 | 第八話 神の門 | 1291 | 0 | 2018-01-16 | - |
更新情報 - NEW -
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