Turn-09　千年アイテムの対峙　作：うぃすぅ

遊羅「哀れなほど薄っぺらな身に反して、我儘な奴だな……」

愛久奈「んだと！？デリカシーってものを知らないのか！」

遊羅「真横で寝てて何を今更！」

遊羅はそこまで言ってから一度咳払いをし、デッキトップに手を伸ばした。

遊羅「……まあいい。千年眼もじきに見せてやる。
俺のターン……ドロー！！」

遊羅（ちゃんと初手に来やがるな、千年眼……
だが、問題はあのバックラーとかいうモンスターの効果だ。）

遊羅（あのモンスターには魔法の発動のたびにカウンターが溜まる。
テキストを見るに、そのカウンターを３つ取り除くことで魔法を奪う……）

遊羅（ここで千年眼を使えばカウンターが３つ、奴の思うつぼだ。
ならば！）

遊羅「俺のフィールドにはモンスターが存在しない。
よって俺は手札から、『呪眼の髑髏』を守備表示で特殊召喚！」

呪眼の髑髏「ジュウ……」DEF0

遊羅「このモンスターの特殊召喚成功時、５００LPを払うことで、デッキからカースドアイズモンスター２体を墓地に送ることができる！
俺はこれを発動し、デッキから『呪眼の詩人』と呪眼の飛竜を墓地に送る！」LP3500

愛久奈「どうした？　千年アイテムを見せてくれるはずでしょう？」

遊羅「黙って見てろ！
俺は墓地の呪眼の詩人を除外して効果を発動！デッキから『呪恨の呼応』を手札に加える！」

遊羅「１０００LPを払い、呪眼の髑髏を対象として、呪恨の呼応を発動！
呪眼の髑髏を破壊し、デッキから呪眼の飛竜を手札に加え、呪眼の詩人を墓地に送る！」LP2500

愛久奈「その発動時に、夢盗みのバックラーに魔力カウンターを１つ置かせてもらうわ。」

遊羅はまだ千年眼を発動していなかったが、その左眼からはすでに煙が上がり始めていた。

遊羅「俺は呪眼の飛竜を召喚！
そしてその効果で、墓地から呪眼の飛竜を守備表示で特殊召喚！」

呪眼の飛竜「ジュッ！」ATK1500
呪眼の飛竜「ジュッ！」DEF1350

遊羅「俺はレベル３の呪眼の飛竜２体をオーバーレイ！２体の闇属性モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築！
亡きドラゴンよ、その身朽ち果ててなお、怨念を滾らせろ！
エクシーズ召喚！襲来せよ、ランク３！呪眼の骸竜！」

呪眼の骸竜「ジュギャッ！」ATK2200

遊羅「カードを１枚伏せて、バトルフェイズ！」

遊羅「呪眼の骸竜で、闇の支配者-ゾークを攻撃！
ヘルスピリット・バースト！」

呪眼の骸竜 2200→闇の支配者-ゾーク 2700

愛久奈「トラップ発動！『地縛霊の誘い』！
これにより、私がモンスターの攻撃対象を選択することができる！
私は攻撃対象に夢盗みのバックラーを指定する！」

呪眼の骸竜 2200→夢盗みのバックラー DEF1500

愛久奈「っ……！」

遊羅（ゾークの攻撃力を０にすれば戦闘破壊で勝ちだったが……まあバックラーが処理できただけいいだろう）

愛久奈（今のはこれで間違いないはずだ。
バックラーへの攻撃を誘導して、ゾークで返り討ちにし、プレサイダーのドローにつなげるために伏せたカードだったが……）

遊羅「メイン２、呪眼の骸竜のオーバーレイ・ユニットを１つ取り除き、闇の支配者-ゾークを対象として効果を発動！その攻守を０にする！
アベンジ・イレーズ！」

遊羅「さらに俺は墓地からもう１枚の呪眼の詩人を除外し、効果を発動！
デッキから『RUM-呪恨の眼』を手札に加える！」

遊羅「俺は手札に加えたRUM-呪恨の眼を発動！
このカードは自分フィールドの、「カースドアイズ」モンスターを素材に持つ闇属性エクシーズモンスターを対象に発動できる。対象は呪眼の骸竜！
そしてこのカードの効果により、対象のエクシーズモンスターを素材とし、それよりランクが３つ上のエクシーズモンスターにランクアップさせる！」

愛久奈「３段階ランクアップのランクアップマジックだと……！？」

遊羅「俺は呪眼の骸竜でオーバーレイ・ネットワークを再構築！
亡きドラゴンよ、忌まわしき記憶の風化に抗い、さらに激しく怨念を叫べ！
ランクアップ・エクシーズ・チェンジ！殲滅せよ、ランク６！『呪眼の死屍龍』！」

呪眼の死屍龍「ジュグアァッ！！」ATK2700

愛久奈「エクシーズ・ペンデュラムモンスター……？」

遊羅「俺は呪眼の死屍龍のオーバーレイ・ユニットを１つ取り除き、墓地から呪眼の飛竜を攻撃力を０にして守備表示で特殊召喚！」

呪眼の飛竜「ジュッ！」DEF1350

遊羅「そして俺は800LPを払い、手札から『呪恨の鎖』を発動！
墓地から呪眼の飛竜を守備表示で特殊召喚！」LP1700

呪眼の飛竜「ジュッ！」DEF1350

遊羅「そして俺はもう一度、レベル３の呪眼の飛竜２体をオーバーレイ！
エクシーズ召喚！再び襲来せよ、呪眼の骸竜！」

呪眼の骸竜「ジュギャッ！」DEF1750

遊羅「俺は呪眼の骸竜のオーバーレイユニットを１つ取り除き、攻守０の闇の支配者-ゾークを破壊する！
チェイス・ハウル！」

愛久奈「何だと……！？」

遊羅「俺はLPを半分払い、千年眼を発動。
ターンを終了する。」LP850

愛久奈「やっと、千年アイテムを出してきたか……」

遊羅「ああ、出せという割に、ちっとも出させる気が無かっただろ……」

遊羅は左眼を抑えながら、愛久奈はリングを握りながら言葉を交わした。
千年アイテムから漏れるオーラは、より黒さを増していった。

遊羅　手札２　LP850
〈呪眼の死屍龍　攻　OU1〉〈呪眼の骸竜　守　OU1〉
〈？〉〈千年眼〉