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Scar / 7:理由 作:げっぱ
空の紅さに暗みが加わる。夜になり、二人は食事の時間にする事にした。
相変わらずの缶詰だが、今まで一つの缶を何日にも分けて食べていたアンにとっては、一度の食事で一つ丸々食べられるだけ大変な贅沢だった。
逃げないと分かっていながらも頬張るようにして食べ、口の中をいっぱいにさせてから噛み始める。
対してスカーは、静かに一口ずつ食べる。佇まいと合わせてどこか上品にも見える。
奪われた、と言っていたから、実は昔はお金持ちの家の人だったのだろうか、と勝手に夢想してしまう。
ハンター・ウルフとのデュエルから、二日が経過していた。
今の所はそれの追手と遭遇せず、アンはスカーに抱きかかえられながらの移動を繰り返していた。
その度に、歯痒い思いをする。
元々は自分の無理でスカーに同行している。それだけに、自分はスカーにとって邪魔なのではないか、と。
自分さえいなければ、もう少し早いペースで移動ができるだろう。
食料だって二分せずに済むし、他の誰かを気遣う必要もない。
何より、誰かを守ってデュエルで傷付く必要がない。
ウルフとのデュエルの後、スカーの背中を見たアンは絶句した。
夥しい量の切り傷が、ガラスの破片が食い込んだかのような裂傷があったのだ。
時間が経って尚もその個所から血が流れ続け、スカーはそこに苦労しながら傷薬を塗っていた。
それを手伝う、と言えなかった。
自分の所為であるからだ。それを申し出た場合の、スカーの反応を想像するだけで恐ろしかった。
しかし、自己嫌悪は時間が経てば経つほどに膨らんでいった。
食事を終えた二人は、役割を分けて作業する。アンは食事の後片付け、スカーは火の始末と寝床の用意だ。
これがスカーの配慮である事は十分に分かっていた。アンがあまり動かないよう、それでできる作業を振った。
掘った穴に空っぽの缶を放り、埋める。
多大な迷惑をかけておきながら、これくらいしか役に立てない。
アンは自分も気付かない内に歯噛みしていた。せかせかと動くスカーの背中に、つい、語り掛ける。
アン「ねえ、スカー」
スカー「どうした?」
一拍置いて、スカーは作業を辞め、アンへと振り返る。
スカーの手を止めてしまった事に、またアンは悔しさを感じた。
しかしここで誤魔化してしまえば、それこそスカーを煩わせただけでしかない。
本当は言いたくもない事だが……確かめたい衝動を、抑えられなかった。
アン「私……スカーにとって、邪魔、だよね。足手まとい……」
アン「居ない方が、いい……?」
アンが抱いてきた思いと不安を、何の混じり気もなくスカーに投げかけて問う。
もちろん、「そんな事はない」と言ってほしい。そう返してくれれば、アンの心のしこりはいくつか取れるだろう。
その後も何度かは不安に駆られるだろうが、少なくとも傍にいて良いのだと言ってもらえれば。
だが、「そうだ」と言われてしまったら……。
その時の覚悟は、アンにもできている。
俯くアンに、スカーは一つ大きな息を吐く。
アンの前まで来てしゃがみ、アンと視線の高さを合わせるようにしてじっと見つめる。
スカー「不要な理由はいくらでもある」
淡々としたその言葉は、アンの心に深く突き刺さった。
スカー「必要な理由が一つあれば、それでいい」
その上から更に心を抉じ開けて、優しさが入り込んできた。
疑問を否定せずに、存在を肯定してくれる。不要である理由より、必要である理由を優先してくれた。
スカーが言葉にしたその事実だけが、アンの心を救った。
アン「……スカー」
スカー「なんだ?」
アン「今日、一緒に寝ていい?」
はにかむアンの要求に、スカーは困ったように眉を下げた。
スカー「仕方ないな」
きっと自分は、子供だから軽くあしらわれただけなのかもしれない。
結局、どうして必要なのかは言わなかったし。
でも、そうだとしても、スカーになら騙されて良いと、一緒に被る布団代わりの布の中で思う。
相変わらずの缶詰だが、今まで一つの缶を何日にも分けて食べていたアンにとっては、一度の食事で一つ丸々食べられるだけ大変な贅沢だった。
逃げないと分かっていながらも頬張るようにして食べ、口の中をいっぱいにさせてから噛み始める。
対してスカーは、静かに一口ずつ食べる。佇まいと合わせてどこか上品にも見える。
奪われた、と言っていたから、実は昔はお金持ちの家の人だったのだろうか、と勝手に夢想してしまう。
ハンター・ウルフとのデュエルから、二日が経過していた。
今の所はそれの追手と遭遇せず、アンはスカーに抱きかかえられながらの移動を繰り返していた。
その度に、歯痒い思いをする。
元々は自分の無理でスカーに同行している。それだけに、自分はスカーにとって邪魔なのではないか、と。
自分さえいなければ、もう少し早いペースで移動ができるだろう。
食料だって二分せずに済むし、他の誰かを気遣う必要もない。
何より、誰かを守ってデュエルで傷付く必要がない。
ウルフとのデュエルの後、スカーの背中を見たアンは絶句した。
夥しい量の切り傷が、ガラスの破片が食い込んだかのような裂傷があったのだ。
時間が経って尚もその個所から血が流れ続け、スカーはそこに苦労しながら傷薬を塗っていた。
それを手伝う、と言えなかった。
自分の所為であるからだ。それを申し出た場合の、スカーの反応を想像するだけで恐ろしかった。
しかし、自己嫌悪は時間が経てば経つほどに膨らんでいった。
食事を終えた二人は、役割を分けて作業する。アンは食事の後片付け、スカーは火の始末と寝床の用意だ。
これがスカーの配慮である事は十分に分かっていた。アンがあまり動かないよう、それでできる作業を振った。
掘った穴に空っぽの缶を放り、埋める。
多大な迷惑をかけておきながら、これくらいしか役に立てない。
アンは自分も気付かない内に歯噛みしていた。せかせかと動くスカーの背中に、つい、語り掛ける。
アン「ねえ、スカー」
スカー「どうした?」
一拍置いて、スカーは作業を辞め、アンへと振り返る。
スカーの手を止めてしまった事に、またアンは悔しさを感じた。
しかしここで誤魔化してしまえば、それこそスカーを煩わせただけでしかない。
本当は言いたくもない事だが……確かめたい衝動を、抑えられなかった。
アン「私……スカーにとって、邪魔、だよね。足手まとい……」
アン「居ない方が、いい……?」
アンが抱いてきた思いと不安を、何の混じり気もなくスカーに投げかけて問う。
もちろん、「そんな事はない」と言ってほしい。そう返してくれれば、アンの心のしこりはいくつか取れるだろう。
その後も何度かは不安に駆られるだろうが、少なくとも傍にいて良いのだと言ってもらえれば。
だが、「そうだ」と言われてしまったら……。
その時の覚悟は、アンにもできている。
俯くアンに、スカーは一つ大きな息を吐く。
アンの前まで来てしゃがみ、アンと視線の高さを合わせるようにしてじっと見つめる。
スカー「不要な理由はいくらでもある」
淡々としたその言葉は、アンの心に深く突き刺さった。
スカー「必要な理由が一つあれば、それでいい」
その上から更に心を抉じ開けて、優しさが入り込んできた。
疑問を否定せずに、存在を肯定してくれる。不要である理由より、必要である理由を優先してくれた。
スカーが言葉にしたその事実だけが、アンの心を救った。
アン「……スカー」
スカー「なんだ?」
アン「今日、一緒に寝ていい?」
はにかむアンの要求に、スカーは困ったように眉を下げた。
スカー「仕方ないな」
きっと自分は、子供だから軽くあしらわれただけなのかもしれない。
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でも、そうだとしても、スカーになら騙されて良いと、一緒に被る布団代わりの布の中で思う。
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