Turn006 穂村の逆襲！　作：「勅使河原」が読めぬ

「さてと、じゃあ全国のスタジアムを攻略だ！」
「おー！」

意気込む一行は、言葉だけではない。実際に優れたデュエルタクティクスを持っており、スタジアムの主の座をいくつも獲得していった。

そんなある日。

「いたぞ…炎藤！」
「ん？　この声は…」

聞き覚えのある声に振り向く遊騎。そこにいたのは…。

「この穂村熱士、お前に再戦を申し込む！」
「穂村！？」
「あれから成長した俺のデッキ、受けてみやがれ！　デュエル！」
「ちょっ、俺、まだ始めるって言ってないんだけど…」
「いいから始めるぞ、デュエル！　先攻は俺がもらう！　まずはPゾーンにイグナイト・イーグルとイグナイト・ウージーをセッティング！　そして２枚を破壊し、デッキからイグナイト・マスケットを手札に加える！　続いてイグナイト・キャリバーとイグナイト・ドラグノフをセッティングし、すぐさま破壊してイグナイト・ライオットを手札に加える！　続いてマスケットとライオットをセッティングして破壊！　デッキから加えるのはイグナイト・デリンジャー！　そしてデリンジャーとイグナイト・マグナムをセッティング！　P召喚！　イーグル、ウージー、マスケット、キャリバー、ドラグノフをまとめて出すぜ！　そしてターンエンドだ！」
「一気に５体もか…だったら、全部を突破してやるぜ！　ドロー！　ラヴァルのマグマ砲兵を通常召喚！　効果でラヴァル・フロギスを墓地へ送り、５００ダメージを受けてもらう！　そして攻撃力２０００になったマグマ砲兵で、ドラグノフにアタックだぜ！」
「守備表示だからダメージはないからな！」
「分かってる！　俺は、壁を崩すだけだ！　カードを２枚セットしてターンエンドだ！」
「行くぞ、俺のターン！　ドロー！　まずはデリンジャー、マグナム、イーグルを破壊して、手札から特殊召喚！　これが俺の新たなるキーカード！　燃え上がれ、紅蓮なる炎の戦士！　熱き魂の叫びをここに！　イグナイト・スティンガー！」
「イグナイト・スティンガー…これが、お前のキーカード！」
「ああ！　効果発動だ！　キャリバーを手札に戻すことで、お前のマグマ砲兵をデッキの１番下に戻すぜ！　そして全員を攻撃表示にしてフルアタックだ！」
「合計攻撃力７１００だって…？　遊騎！」
「遊騎くん！」
「遊騎！」
「遊騎さん！」
「…遊騎…負けちゃダメ…」
「…ああ、分かってる！　こんな所で負けるわけにはいかない！　罠カード、ダメージ・ダイエット！　ダメージを半分にする！」
「だが、３０５０ダメージは受けてもらうぜ！」
「くっ…ぐあぁっ！」
「ターンエンドだ！」
「…ここで勝たないと…行くぜ、ドロー！　まずはラヴァル・ウォリアーを通常召喚！　そして魔法カード、炎熱伝導場を発動！　デッキからフロギスとラヴァル炎火山の侍女を墓地へ送る！　炎火山の侍女の効果で、追加でラヴァル炎樹海の妖女を墓地へ送る！　これでラヴァル・ウォリアーの攻撃力は３１００だ！」
「ほう…だが、それだけでは削りきれない！」
「分かってる！　セットしていたリビングデッドの呼び声を発動！　墓地のフロギスを特殊召喚！　そして手札の死者蘇生を発動！　墓地のフロギスを復活させる！　２体でエクシーズ召喚だ！」
「来るか！」
「頼む、俺を救ってくれ！　起死回生の一手を！　俺のキーカード、ラヴァルバル・チェイン！」
「効果発動！　デッキからラヴァル・ガンナーを墓地へ送る！　そしてウォリアーでスティンガーに攻撃だ！」
「７００ダメージ程度で何ができる！」
「いや、７００じゃない！　ウォリアーの効果発動！　墓地にラヴァルが４種類以上存在するため、スティンガーの攻撃力分、すなわち２８００ダメージを受けてもらう！」
「なっ…」
「穂村、お前にスタジアムは渡さない！」
「ぐっ…あぁあぁあぁあ！」

デュエルフィールドが消滅する。

「…２度も負けるとはな…遊騎、お前は本物だ」
「穂村…」
「天下獲り、頑張ってこい！」
「おう！」

２人は、これほどまでにないほど固い握手をした。