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第0話 幻実化(ファンティアル) 作:蒼奏
キーン、コーン、カーン、コーン
赤く染まった空の下、放課後を告げる鐘が鳴る。本来なら授業が終わったことによって空気が弛緩するはずの教室内は、逆に程よい緊張感が支配するようにな る。
それもそのはず。
始まりは単なるOCGでしかなかったらしい遊戯王は、今や全世界で「第二の公用語」と言われるまでに拡散し、学校では授業のカリキュラムとして遊戯王が扱われるようになった。しかし、当たり前のようにも思えるが、授業では教師に指示されたことしかできない。ほかの授業と同じだ。みんなだって、サッカーの授業中にいきなり野球を始める勇気はないだろう?
しかし、放課後には自由にデュエルすることができる。授業中には使用が制限されるスマホで、放課後になった瞬間ゲームを始めるのと同じ理論だ。
そんなわけで、放課後には教室のあちこちで遊戯王にかかわる何かが始まる。
うちのクラスは部活終わりのジュースやパンをかけてるやつらが多いので空気がピリピリしているーだからと言って教室の空気が悪くなることはないーが、ほかのクラスではお互いのデッキを見せ合ったり気楽にデュエルしたりしている。
教室でやる分なら単なるカードゲームとしての遊戯王で十分だ。だが…ほら、校庭を見てみるといい。それだけじゃ満足できない生徒たちが、モンスターを実体で召喚し、デュエルをしている。一人や二人ではない。な、そうだろ?校庭でのデュエルの順番待ちの行列ができている。
つまりそれがどういうことか。それは、全員がデュエルディスクを所持しているということだ。満5歳の誕生日を迎えると、一人一つデュエルディスクが行政から支給される。ちなみに壊すと自費での修理となる。これは結構な額を必要とするが、過度な衝撃を与えさえしなければ半永久的に動き続ける仕組みのため、修理する人は意外に少ないという。
「おい、遊祇(ゆうし)。俺たちも行こうぜ!」
そう俺に声をかけるのは、腐れ縁で高校まで一緒の親友、蕾杜(らいと)だ。もうやる気満々らしく、既にその左腕にはデュエルディスクが装着されている。俺はもう一度校庭を見下ろし、この行列に並ぶことにー並ぶ前からー辟易して、それでもデュエルすることへの興奮を抑えきれずに、蕾杜に応えた。
「きゃあっ!」
校庭へ向かう途中、自販機でジュースを買うために人気のない自販機コーナーへ向かうと、少女の悲鳴が聞こえた。俺は首を回してその声の発生源を探した。
声の発生源は、あそこの校舎の角らしい。ちょうど死角になっていて、主に2つの用途に使われる。
即ち、告白か、脅迫か。
悲鳴が聞こえたということは前者ではない。黄色い悲鳴であることも否定できないが、いや、あれはその類の悲鳴ではなかった。純度100%、恐怖からのものだった。
俺は陰に隠れつつ、そちらを覗き込む。すると、おーおー。いるわいるわ。
大柄の何人もの男子生徒が何かを囲んでいる。その何かは俺からは見えないが、想像に難くはなかった。
「おーい、どうしたんだ、遊祇。そんなところで...」
俺を探していたらしい蕾杜がこちらに来る。俺は口の前に指を立て「静かに」の合図を送った。蕾杜は黙り、ついでに俺の手の指示に従って、無効を見る。
「ありゃー、あれは…」
「知ってるのか?」
疑問を返した俺を、蕾杜は信じられないものを見るような目で見返す。
「お前本気か?あいつは3年の陸剛 禮(りくごう れい)。ああやって、女の子泣かせて無理やり屈服させるのが好きな、変態だよ」
「ふぅん」
「おまけにデュエルまで強いってんで、誰も逆らえない。なんだ、お前止める気か?」
「まあ、ここで見て見ぬふりってのは性に合わないね」
「止はしねえよ。お前の実力も力も知ってる。けど気をつけろよ、アイツ、めちゃくちゃ強いぞ」
一応忠告だけしてくれる親友の言葉を背に、俺は陰から出る。
「ああ?」
俺に気づいた禮が、こちらを睨む。
「んだ、てめぇ」
「いやいや、通りすがりの一般人さ」
「ああ?なにいってんだてめぇ。いいからとっとと失せろや!!」
ものすごい剣幕。こういう手合いは、怒鳴れば怯むと思ってやがる。
「一般人が良心に突き動かされた結果さ。そこの彼女、助けに来たんだよ」
自分でもどうかと思うセリフ。だが、人を怒らせるのには向いている。
「カッコつけてんじゃねえぞ、てめぇ!」
いきなり殴りかかってくる。俺はその寸前、制服のポケットに触れ、ある名前を呼ぶ。
「聖なるバリア―ミラーフォース―」
直後。
俺の前には透明なシールドが顕現し、やつの拳を弾く。
「なっ!?」
禮は何が起こったか理解できていないようだ。
俺はポケットに触れていた手を、中に入れる。そして、デッキケースを取り出す。何の変哲もない、そこらのショップで売っている類のものだ。
俺はそのふたを開ける。瞬間、光で構成されたカード、あるいは文字やイラストが判別できないほど発光しているカードが、勢いよく飛び出し、俺の周りを回転し始める。内1枚を手に取り、その名を呼ぶ。
「焔聖剣―デュランダル」
浮遊するカードのうち1枚が俺の手元に移動し、深紅の剣に姿を変える。
「っ!?」
信じられないものを見たかのように、禮の瞳が見開かれる。
「ニセモンじゃねぇぞ」
俺は剣を空振りする。ビョウッ、という、金属が空を切る音が聞こえる。本物の印だ。
「切り刻まれたくなけりゃぁ、失せろ」
できる限りの、ドスの利いた声で、今度は逆にこちらが脅す。
「…」
数秒の逡巡の末、禮はその場を去っていった。
それを見届けて、物陰からひょっこりと蕾杜が現れる。
「お疲れぇ、遊祇」 「おお」
俺と蕾杜は腕を当てて勝利を喜ぶ。
「あ、あの…」
助けられた少女が、おずおずと声を出す。
そういえば、彼女の顔を確認していなかった。俺が少女の方を向くと…やばい、最高に好みの顔なんだが…?
「助けていただき、ありがとうございました」
「あ、ああ…」
俺は内心どぎまぎしながら、剣をカードに戻す。
「ぶ、無事ならよかった。今後は気を付けなよ」
「はい。あ、あの…それ、何ですか?」
彼女が「それ」と言って指さしたのは、俺の手の中のカードだ。
「これ?ああ、俺のデッキのカードじゃないよ」
「いえ、そっちではなく…」
「その変形のこと言ってんじゃない」
背後からの蕾杜の援護射撃に、少女は刻々とうなずく。
「ああ、そっちか…」
それは、俺が生まれつき持っていた、いわば特殊能力。
遊戯王のカードを概念化して展開しデュエルディスクを使用せずにカードの内容を顕現させる、異様なチカラ。
「幻実化(ファンティアル)だよ」
俺はこの能力を、そう呼んでいた。
本来存在しない存在を存在させる強制力。
今は、その力がどんな未来をもたらすのかも知らぬまま。
赤く染まった空の下、放課後を告げる鐘が鳴る。本来なら授業が終わったことによって空気が弛緩するはずの教室内は、逆に程よい緊張感が支配するようにな る。
それもそのはず。
始まりは単なるOCGでしかなかったらしい遊戯王は、今や全世界で「第二の公用語」と言われるまでに拡散し、学校では授業のカリキュラムとして遊戯王が扱われるようになった。しかし、当たり前のようにも思えるが、授業では教師に指示されたことしかできない。ほかの授業と同じだ。みんなだって、サッカーの授業中にいきなり野球を始める勇気はないだろう?
しかし、放課後には自由にデュエルすることができる。授業中には使用が制限されるスマホで、放課後になった瞬間ゲームを始めるのと同じ理論だ。
そんなわけで、放課後には教室のあちこちで遊戯王にかかわる何かが始まる。
うちのクラスは部活終わりのジュースやパンをかけてるやつらが多いので空気がピリピリしているーだからと言って教室の空気が悪くなることはないーが、ほかのクラスではお互いのデッキを見せ合ったり気楽にデュエルしたりしている。
教室でやる分なら単なるカードゲームとしての遊戯王で十分だ。だが…ほら、校庭を見てみるといい。それだけじゃ満足できない生徒たちが、モンスターを実体で召喚し、デュエルをしている。一人や二人ではない。な、そうだろ?校庭でのデュエルの順番待ちの行列ができている。
つまりそれがどういうことか。それは、全員がデュエルディスクを所持しているということだ。満5歳の誕生日を迎えると、一人一つデュエルディスクが行政から支給される。ちなみに壊すと自費での修理となる。これは結構な額を必要とするが、過度な衝撃を与えさえしなければ半永久的に動き続ける仕組みのため、修理する人は意外に少ないという。
「おい、遊祇(ゆうし)。俺たちも行こうぜ!」
そう俺に声をかけるのは、腐れ縁で高校まで一緒の親友、蕾杜(らいと)だ。もうやる気満々らしく、既にその左腕にはデュエルディスクが装着されている。俺はもう一度校庭を見下ろし、この行列に並ぶことにー並ぶ前からー辟易して、それでもデュエルすることへの興奮を抑えきれずに、蕾杜に応えた。
「きゃあっ!」
校庭へ向かう途中、自販機でジュースを買うために人気のない自販機コーナーへ向かうと、少女の悲鳴が聞こえた。俺は首を回してその声の発生源を探した。
声の発生源は、あそこの校舎の角らしい。ちょうど死角になっていて、主に2つの用途に使われる。
即ち、告白か、脅迫か。
悲鳴が聞こえたということは前者ではない。黄色い悲鳴であることも否定できないが、いや、あれはその類の悲鳴ではなかった。純度100%、恐怖からのものだった。
俺は陰に隠れつつ、そちらを覗き込む。すると、おーおー。いるわいるわ。
大柄の何人もの男子生徒が何かを囲んでいる。その何かは俺からは見えないが、想像に難くはなかった。
「おーい、どうしたんだ、遊祇。そんなところで...」
俺を探していたらしい蕾杜がこちらに来る。俺は口の前に指を立て「静かに」の合図を送った。蕾杜は黙り、ついでに俺の手の指示に従って、無効を見る。
「ありゃー、あれは…」
「知ってるのか?」
疑問を返した俺を、蕾杜は信じられないものを見るような目で見返す。
「お前本気か?あいつは3年の陸剛 禮(りくごう れい)。ああやって、女の子泣かせて無理やり屈服させるのが好きな、変態だよ」
「ふぅん」
「おまけにデュエルまで強いってんで、誰も逆らえない。なんだ、お前止める気か?」
「まあ、ここで見て見ぬふりってのは性に合わないね」
「止はしねえよ。お前の実力も力も知ってる。けど気をつけろよ、アイツ、めちゃくちゃ強いぞ」
一応忠告だけしてくれる親友の言葉を背に、俺は陰から出る。
「ああ?」
俺に気づいた禮が、こちらを睨む。
「んだ、てめぇ」
「いやいや、通りすがりの一般人さ」
「ああ?なにいってんだてめぇ。いいからとっとと失せろや!!」
ものすごい剣幕。こういう手合いは、怒鳴れば怯むと思ってやがる。
「一般人が良心に突き動かされた結果さ。そこの彼女、助けに来たんだよ」
自分でもどうかと思うセリフ。だが、人を怒らせるのには向いている。
「カッコつけてんじゃねえぞ、てめぇ!」
いきなり殴りかかってくる。俺はその寸前、制服のポケットに触れ、ある名前を呼ぶ。
「聖なるバリア―ミラーフォース―」
直後。
俺の前には透明なシールドが顕現し、やつの拳を弾く。
「なっ!?」
禮は何が起こったか理解できていないようだ。
俺はポケットに触れていた手を、中に入れる。そして、デッキケースを取り出す。何の変哲もない、そこらのショップで売っている類のものだ。
俺はそのふたを開ける。瞬間、光で構成されたカード、あるいは文字やイラストが判別できないほど発光しているカードが、勢いよく飛び出し、俺の周りを回転し始める。内1枚を手に取り、その名を呼ぶ。
「焔聖剣―デュランダル」
浮遊するカードのうち1枚が俺の手元に移動し、深紅の剣に姿を変える。
「っ!?」
信じられないものを見たかのように、禮の瞳が見開かれる。
「ニセモンじゃねぇぞ」
俺は剣を空振りする。ビョウッ、という、金属が空を切る音が聞こえる。本物の印だ。
「切り刻まれたくなけりゃぁ、失せろ」
できる限りの、ドスの利いた声で、今度は逆にこちらが脅す。
「…」
数秒の逡巡の末、禮はその場を去っていった。
それを見届けて、物陰からひょっこりと蕾杜が現れる。
「お疲れぇ、遊祇」 「おお」
俺と蕾杜は腕を当てて勝利を喜ぶ。
「あ、あの…」
助けられた少女が、おずおずと声を出す。
そういえば、彼女の顔を確認していなかった。俺が少女の方を向くと…やばい、最高に好みの顔なんだが…?
「助けていただき、ありがとうございました」
「あ、ああ…」
俺は内心どぎまぎしながら、剣をカードに戻す。
「ぶ、無事ならよかった。今後は気を付けなよ」
「はい。あ、あの…それ、何ですか?」
彼女が「それ」と言って指さしたのは、俺の手の中のカードだ。
「これ?ああ、俺のデッキのカードじゃないよ」
「いえ、そっちではなく…」
「その変形のこと言ってんじゃない」
背後からの蕾杜の援護射撃に、少女は刻々とうなずく。
「ああ、そっちか…」
それは、俺が生まれつき持っていた、いわば特殊能力。
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俺はこの能力を、そう呼んでいた。
本来存在しない存在を存在させる強制力。
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