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第1話 黄昏、赤き竜の顕現と契約 作:白金 将
「将来の夢、か……」
真夜中の台所にため息が漏れた。
手元では学校から渡された進路調査書がぺらり。それが俺を悩ませ続けている。
(先のことなんて考えたことないし、どうすりゃいいんだよ)
「ただいま。ユースケ、まだ起きていたのか」
仕事から帰ってきた父親がこちらに気が付いて声をかけてきた。
うんざりするほどに考え込んでいた俺は半ば投げやりにあることを尋ねる。
「父さん、俺、プログラマーになるって言ったらダメかな」
「プログラマー? あまりお勧めはできないな」
「最近『ターミナル』が流行ってるじゃん、あんな感じの」
「ユースケ、プログラマーって遊びじゃないんだぞ」
なんとなく感づいていた通りいい解答は得られない。
父さんは少し厳しい表情を浮かべながら続けた。
「毎日こんな時間まで働かないといけないし、理不尽なことだって多い」
「でも、興味あることだったらやれそうじゃん」
「だとしてもだ」
今の俺に釘を刺すように、一言。
「将来の職業が決まらないからって書けるような、そんな職じゃないぞ」
「……うん」
しばらく考え続けていたせいか頭が悲鳴を上げているようだった。
寝る前の挨拶を済ませ、部屋に戻った俺はベッドに倒れ込む。目を瞑ったら白紙の進路調査が浮かんできて不愉快で、すぐさま別の事を考えて気を紛らす。
インターネット上の仮想空間に意識をダイブさせる、新しいゲームが爆発的な流行を見せていた。通称「ターミナル」と呼ばれる世界では、プレイヤーは自分の分身のアバターに意識を投影させて、そこで様々な交流ができる。
新しい世界で子供のように遊び回る者、誰かとの出会いを求める者、さまざまな人たちがいるその中で一つのカードゲームが流行っていた。デッキの内容を頭の中で思い浮かべる、その時間だけは、俺は将来の不安から逃れられるのだった。
学生たちの遊びの一環としてバグ技を組み込んだ火遊びに近いものもあり、刺激のない日常から逃れるにはうってつけのツールなのである。
(……明日、例の境界バグ使ってみるか)
夜も深い中、意識が遠くなっていく。
僅かな期待と重苦しい不安を抱いたまま、ゆっくりと――
翌日、例の進路調査の期限を延長してもらった俺は、帰宅後に早速「ターミナル」へダイブした。コンピューターの前に座り、専用のヘッドセットを装着した後にソフトを起動すると俺の意識は電子世界の中へと吸い込まれていく。
一瞬の暗転の後、目の前にファンタジー世界を模した街が広がった。青空の下、石畳の道の両脇に煉瓦で作られた建築物が並んでいる。他の「アバター」が闊歩する中、小学生程の少年の身体になった俺はポケットからカードデッキを取り出した。
「えっと、確か必要なのは……そうそう、これ」
中から取り出した一枚のカード――「異次元竜 トワイライトゾーンドラゴン」。それを宙へかざすと、カードが一瞬だけ眩しく光り、目の前に竜が現れる。
「よし、ちょっと乗せてってくれよ」
背中に乗ると竜は応えるように鳴いてくれた。
そして、一人と一匹で青空へ舞い上がって遥か東方へ向かう。
(今日はデュエル仲間がいないからな……全く、暇させるんじゃねえよ)
竜と共に東へ飛び始めてから十分ほどが経つと周囲が徐々に暗くなり始めるのが分かった。先程の青空から一転、目が覚めるような夕焼けをバックにしながら空を飛び続ける。
辺りを見回してみたが他にプレイヤーはいないようだった。都合がいい。
(竜に乗ったまま、誰もいない所でデュエルの申し込みをするんだったな)
橙色の光が辺りを包んでいる。下には数々の山脈が連なり、三角形の影が伸びていた。
竜の背中に乗りながら、俺は左腕にデュエルディスクを出現させる。そして、目の前の空間をぼんやりと眺めながら決闘の申し込みを行った。
その、直後である。
(――えっ?)
世界全体が止まったような錯覚の後、自分の身だけが前へ放り投げられる。
落ちる、そう思ったのもつかの間、周囲が真っ暗になって意識が飛んだ。
Ritual Game Online
Game Start
――血の匂い、だった。
紛れもなく「生き物が死んだ匂い」を嗅いだ僕は、身体が痺れる中で必死に立ち上がろうと膝を付けて身を起こす。朦朧とする視界の中、俺は遠くに赤い山を捉えた。
辺りには鬱蒼とした森が広がっていてお世辞にも明るいとは言えない場所だ。
そして、目の焦点が合ったことで、遠くの山が山でないことに気付く。
「わっ!」
赤い竜が、こちらへ背を向けて何かを捕食しているようだった。僕はそこから遠ざかるようにゆっくり後ろへ下がったが、ふと振り返ると、森の中に虫が飛んでいるような黒い人影が伸びている。
その影は僕の方へゆっくり歩み寄ってくる。
口元に白い笑みを浮かべ、左腕にデュエルディスクのような物を携えながら――
「デュエル、デュエル」
「え、ちょっと、何あれっ」
あまりに異質な様子に逃げ出してしまうが、その先にはあの赤い竜がいた。僕が走ってくる音に反応したのか竜はゆっくりと振り返り、その獰猛な牙を剥いて巨体からゆっくり見下ろしてくる。
すらりとした流線形の身体をした竜は後ろ脚を地につけ、立っているような格好でこちらを見つめている。その目には橙色の光が宿っていて、こんな状況でなければその綺麗な見た目についため息が出てしまうだろう。
「デュエルしろ、デュエル」
(なんでっ、なんでこんなことにっ)
前方を竜、そして後方を謎の人影。挟まれた僕は涙目で尻餅をついてしまった。
竜が咆える。
身が縮む。
同時に、腰にぶら下がっていたデッキホルダーから2枚のカードが飛び出した。
「……えっ?」
一枚はイラストと名前の描かれていない儀式モンスターカード。もう一枚は「リチュアル・コントラクト」とだけ書かれた魔法カード。
それを見てはっとする。天啓が下りてきたようだった。
何をしたらいいのか。まるで最初からこうなることが分かっていたかのように、僕はその魔法カードを竜の方にかざす。すると、辺りが眩い光で飲み込まれた。
赤く、美しい竜が目の前で咆えていた。
その竜の姿がカードに吸い込まれていき、そして――
「……そう、なんだ」
光が止んだ後、あの暗い森で僕は赤いデュエルディスクを片手に立っていた。
先程追いかけてきていた黒い影はこちらを見て僅かに怯むも、また同じように向かってきてはデュエルディスクを突きつけてデュエルの申し込みをしてきた。
「デュエル」
「……そうするしかないみたいだね! デュエル!」
―― ―― ―― ――
Ghost : 8000
Yusuke : 8000
―― ―― ―― ――
「おれ、の、ターン。手札から『プロトタイプ・ギガース』を召喚。そして、プロトタイプ・ギガースの効果発動。手札から、レベル5以下の、モンスターを、特殊召喚」
「初めて聞くモンスター、うん、だけど分かる……!」
「効果で手札から、レベル5『エンシェント・ロックシェイバー』を、特殊召喚。特殊召喚された、エンシェント・ロックシェイバーの効果発動、する。デッキからレベル8のモンスター……『テラバイト・ミミック』を手札に加える。さらに、フィールドのモンスター、2体を墓地へ送って、手札から、テラバイト・ミミックを特殊召喚」
2体のモンスターの代わりに現れたのは、僕の身長の2倍もあるような高さの巨大な機械の蜘蛛だった。身体中に電気のような物を流しているそれは火花で薄暗い森を照らしていて、怖い本に載っているようなクリーチャーを彷彿とさせる。
口元で金属の鋏をガチガチ噛ませる姿が何ともおぞましい。デュエルで負ければどうなるのか、今の僕にとっては考えたくもない。
テラバイト・ミミック
効果モンスター
星8/地属性/昆虫族/攻2800/守1000
このカードは自分フィールド上のモンスター2体を墓地へ送って手札から特殊召喚できる。
「先行、攻撃、できない。ターンエンド」
「僕のターン、ドロー!」
場の痺れた空気を切るようにカードを引き、手札にある物を見て頭を回す。
どのカードも使ったことはない。だけど、恐れはなかった。
「僕は手札から『紅蓮竜の巫女』を召喚! そして召喚成功時に効果発動! このカードは召喚した場合にデッキから儀式魔法カードを1枚手札に加えることができる。僕は『アドベント・サンセット』を手札へ加える!」
身体の中で何かが咆えているような、そんな気配を感じていた。ぐらぐらと煮え立つような熱を纏いながら眼前の巨大蜘蛛へ不敵な笑みを浮かべる。
「行くよ――儀式魔法『アドベント・サンセット』を発動! フィールドの『紅蓮竜の巫女』と手札の『紅蓮竜の魔術師』で儀式召喚を行う!」
カードの発動と共に、薄暗い森の中に赤い光が差し込んできた。
焼けているような夕日をバックにしながら巫女と魔術師が祈りを捧げ、炎が上がるや二人の姿が飲まれていく。二本の火柱はフィールド全体を荒らすように飛び回り、辺り一面へ火の粉を撒き散らしながら一本へ束ねられる。
そうして空へ上った火の中から一匹の竜が姿を現し、夕日を背景に天へ咆えた。
最初に僕の前で立っていた、あの、赤く美しい竜――
「赤き終焉の竜よ! 契約に従い、猛き炎を侍らせここへ顕現せよ! 儀式召喚! 『アーベントロート・ドラゴン』!」
アドベント・サンセット
儀式魔法
「アーベントロート・ドラゴン」の降臨に必要。
(1):自分の手札・フィールドからレベルの合計が7以上になるようにモンスターをリリースし、手札から「アーベントロート・ドラゴン」を儀式召喚する。
アーベントロート・ドラゴン
儀式・効果モンスター
星7/炎属性/ドラゴン族/攻2700/守 200
「アドベント・サンセット」により降臨。
(1):???
真夜中の台所にため息が漏れた。
手元では学校から渡された進路調査書がぺらり。それが俺を悩ませ続けている。
(先のことなんて考えたことないし、どうすりゃいいんだよ)
「ただいま。ユースケ、まだ起きていたのか」
仕事から帰ってきた父親がこちらに気が付いて声をかけてきた。
うんざりするほどに考え込んでいた俺は半ば投げやりにあることを尋ねる。
「父さん、俺、プログラマーになるって言ったらダメかな」
「プログラマー? あまりお勧めはできないな」
「最近『ターミナル』が流行ってるじゃん、あんな感じの」
「ユースケ、プログラマーって遊びじゃないんだぞ」
なんとなく感づいていた通りいい解答は得られない。
父さんは少し厳しい表情を浮かべながら続けた。
「毎日こんな時間まで働かないといけないし、理不尽なことだって多い」
「でも、興味あることだったらやれそうじゃん」
「だとしてもだ」
今の俺に釘を刺すように、一言。
「将来の職業が決まらないからって書けるような、そんな職じゃないぞ」
「……うん」
しばらく考え続けていたせいか頭が悲鳴を上げているようだった。
寝る前の挨拶を済ませ、部屋に戻った俺はベッドに倒れ込む。目を瞑ったら白紙の進路調査が浮かんできて不愉快で、すぐさま別の事を考えて気を紛らす。
インターネット上の仮想空間に意識をダイブさせる、新しいゲームが爆発的な流行を見せていた。通称「ターミナル」と呼ばれる世界では、プレイヤーは自分の分身のアバターに意識を投影させて、そこで様々な交流ができる。
新しい世界で子供のように遊び回る者、誰かとの出会いを求める者、さまざまな人たちがいるその中で一つのカードゲームが流行っていた。デッキの内容を頭の中で思い浮かべる、その時間だけは、俺は将来の不安から逃れられるのだった。
学生たちの遊びの一環としてバグ技を組み込んだ火遊びに近いものもあり、刺激のない日常から逃れるにはうってつけのツールなのである。
(……明日、例の境界バグ使ってみるか)
夜も深い中、意識が遠くなっていく。
僅かな期待と重苦しい不安を抱いたまま、ゆっくりと――
翌日、例の進路調査の期限を延長してもらった俺は、帰宅後に早速「ターミナル」へダイブした。コンピューターの前に座り、専用のヘッドセットを装着した後にソフトを起動すると俺の意識は電子世界の中へと吸い込まれていく。
一瞬の暗転の後、目の前にファンタジー世界を模した街が広がった。青空の下、石畳の道の両脇に煉瓦で作られた建築物が並んでいる。他の「アバター」が闊歩する中、小学生程の少年の身体になった俺はポケットからカードデッキを取り出した。
「えっと、確か必要なのは……そうそう、これ」
中から取り出した一枚のカード――「異次元竜 トワイライトゾーンドラゴン」。それを宙へかざすと、カードが一瞬だけ眩しく光り、目の前に竜が現れる。
「よし、ちょっと乗せてってくれよ」
背中に乗ると竜は応えるように鳴いてくれた。
そして、一人と一匹で青空へ舞い上がって遥か東方へ向かう。
(今日はデュエル仲間がいないからな……全く、暇させるんじゃねえよ)
竜と共に東へ飛び始めてから十分ほどが経つと周囲が徐々に暗くなり始めるのが分かった。先程の青空から一転、目が覚めるような夕焼けをバックにしながら空を飛び続ける。
辺りを見回してみたが他にプレイヤーはいないようだった。都合がいい。
(竜に乗ったまま、誰もいない所でデュエルの申し込みをするんだったな)
橙色の光が辺りを包んでいる。下には数々の山脈が連なり、三角形の影が伸びていた。
竜の背中に乗りながら、俺は左腕にデュエルディスクを出現させる。そして、目の前の空間をぼんやりと眺めながら決闘の申し込みを行った。
その、直後である。
(――えっ?)
世界全体が止まったような錯覚の後、自分の身だけが前へ放り投げられる。
落ちる、そう思ったのもつかの間、周囲が真っ暗になって意識が飛んだ。
Ritual Game Online
Game Start
――血の匂い、だった。
紛れもなく「生き物が死んだ匂い」を嗅いだ僕は、身体が痺れる中で必死に立ち上がろうと膝を付けて身を起こす。朦朧とする視界の中、俺は遠くに赤い山を捉えた。
辺りには鬱蒼とした森が広がっていてお世辞にも明るいとは言えない場所だ。
そして、目の焦点が合ったことで、遠くの山が山でないことに気付く。
「わっ!」
赤い竜が、こちらへ背を向けて何かを捕食しているようだった。僕はそこから遠ざかるようにゆっくり後ろへ下がったが、ふと振り返ると、森の中に虫が飛んでいるような黒い人影が伸びている。
その影は僕の方へゆっくり歩み寄ってくる。
口元に白い笑みを浮かべ、左腕にデュエルディスクのような物を携えながら――
「デュエル、デュエル」
「え、ちょっと、何あれっ」
あまりに異質な様子に逃げ出してしまうが、その先にはあの赤い竜がいた。僕が走ってくる音に反応したのか竜はゆっくりと振り返り、その獰猛な牙を剥いて巨体からゆっくり見下ろしてくる。
すらりとした流線形の身体をした竜は後ろ脚を地につけ、立っているような格好でこちらを見つめている。その目には橙色の光が宿っていて、こんな状況でなければその綺麗な見た目についため息が出てしまうだろう。
「デュエルしろ、デュエル」
(なんでっ、なんでこんなことにっ)
前方を竜、そして後方を謎の人影。挟まれた僕は涙目で尻餅をついてしまった。
竜が咆える。
身が縮む。
同時に、腰にぶら下がっていたデッキホルダーから2枚のカードが飛び出した。
「……えっ?」
一枚はイラストと名前の描かれていない儀式モンスターカード。もう一枚は「リチュアル・コントラクト」とだけ書かれた魔法カード。
それを見てはっとする。天啓が下りてきたようだった。
何をしたらいいのか。まるで最初からこうなることが分かっていたかのように、僕はその魔法カードを竜の方にかざす。すると、辺りが眩い光で飲み込まれた。
赤く、美しい竜が目の前で咆えていた。
その竜の姿がカードに吸い込まれていき、そして――
「……そう、なんだ」
光が止んだ後、あの暗い森で僕は赤いデュエルディスクを片手に立っていた。
先程追いかけてきていた黒い影はこちらを見て僅かに怯むも、また同じように向かってきてはデュエルディスクを突きつけてデュエルの申し込みをしてきた。
「デュエル」
「……そうするしかないみたいだね! デュエル!」
―― ―― ―― ――
Ghost : 8000
Yusuke : 8000
―― ―― ―― ――
「おれ、の、ターン。手札から『プロトタイプ・ギガース』を召喚。そして、プロトタイプ・ギガースの効果発動。手札から、レベル5以下の、モンスターを、特殊召喚」
「初めて聞くモンスター、うん、だけど分かる……!」
「効果で手札から、レベル5『エンシェント・ロックシェイバー』を、特殊召喚。特殊召喚された、エンシェント・ロックシェイバーの効果発動、する。デッキからレベル8のモンスター……『テラバイト・ミミック』を手札に加える。さらに、フィールドのモンスター、2体を墓地へ送って、手札から、テラバイト・ミミックを特殊召喚」
2体のモンスターの代わりに現れたのは、僕の身長の2倍もあるような高さの巨大な機械の蜘蛛だった。身体中に電気のような物を流しているそれは火花で薄暗い森を照らしていて、怖い本に載っているようなクリーチャーを彷彿とさせる。
口元で金属の鋏をガチガチ噛ませる姿が何ともおぞましい。デュエルで負ければどうなるのか、今の僕にとっては考えたくもない。
テラバイト・ミミック
効果モンスター
星8/地属性/昆虫族/攻2800/守1000
このカードは自分フィールド上のモンスター2体を墓地へ送って手札から特殊召喚できる。
「先行、攻撃、できない。ターンエンド」
「僕のターン、ドロー!」
場の痺れた空気を切るようにカードを引き、手札にある物を見て頭を回す。
どのカードも使ったことはない。だけど、恐れはなかった。
「僕は手札から『紅蓮竜の巫女』を召喚! そして召喚成功時に効果発動! このカードは召喚した場合にデッキから儀式魔法カードを1枚手札に加えることができる。僕は『アドベント・サンセット』を手札へ加える!」
身体の中で何かが咆えているような、そんな気配を感じていた。ぐらぐらと煮え立つような熱を纏いながら眼前の巨大蜘蛛へ不敵な笑みを浮かべる。
「行くよ――儀式魔法『アドベント・サンセット』を発動! フィールドの『紅蓮竜の巫女』と手札の『紅蓮竜の魔術師』で儀式召喚を行う!」
カードの発動と共に、薄暗い森の中に赤い光が差し込んできた。
焼けているような夕日をバックにしながら巫女と魔術師が祈りを捧げ、炎が上がるや二人の姿が飲まれていく。二本の火柱はフィールド全体を荒らすように飛び回り、辺り一面へ火の粉を撒き散らしながら一本へ束ねられる。
そうして空へ上った火の中から一匹の竜が姿を現し、夕日を背景に天へ咆えた。
最初に僕の前で立っていた、あの、赤く美しい竜――
「赤き終焉の竜よ! 契約に従い、猛き炎を侍らせここへ顕現せよ! 儀式召喚! 『アーベントロート・ドラゴン』!」
アドベント・サンセット
儀式魔法
「アーベントロート・ドラゴン」の降臨に必要。
(1):自分の手札・フィールドからレベルの合計が7以上になるようにモンスターをリリースし、手札から「アーベントロート・ドラゴン」を儀式召喚する。
アーベントロート・ドラゴン
儀式・効果モンスター
星7/炎属性/ドラゴン族/攻2700/守 200
「アドベント・サンセット」により降臨。
(1):???
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イイネ | タイトル | 閲覧数 | コメ数 | 投稿日 | 操作 | |
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126 | 第1話 黄昏、赤き竜の顕現と契約 | 1079 | 0 | 2018-11-15 | - |
更新情報 - NEW -
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