TURN4: 悪意とは　作：ジャーファル

遊郭「それにしてもよ、悪意って何なんだ？天照」

天照「そうね、遊郭にも話しておく必要があるわね」

？「その説明は俺がしよう」

遊郭「お前…阿修羅か！」

天照「久しぶりね、阿修羅。じゃあ、説明頼むわ。貴方の方が詳しいでしょうし」

阿修羅「分かった。では、話そう」

悪意というのは、元々神々に取り付いた負の塊だった。
どういうわけで生まれたのかわからない。だが、その負の塊は次々と神々達に取り付き、悪神へと変えていったのだ。
もちろん、それに対抗する神々もいた。故に、まだ人間が生まれる前に神々同士での壮絶な戦いがあったのだ。
最終的に、天照率いる軍団によって、悪意を払うことが出来たのだが、既にその時には人間が生まれていたため、弱った悪意は人間に取り付いた。しかも、我ら神々がその人間に直接干渉出来ないよう、結界まで張ったのだ。
我らはそれに、災厄という形で対抗したが、それは良心のある人間をも傷つけてしまうため、途中で自然に災厄を委ねたのだ。
そして我らは、デュエルという形であれば、人間に直接干渉出来ると分かり、自らをカードの中に封印し、この世界に降りたったのだ。
悪意を完全に消すためにな



遊郭「なるほどな…ってことは、悪意ってのは昔から人間の誰かの中にいたってことなのか？」

阿修羅「その通りだ。しかも一人ではない。悪意は、自らの体を数千にもわけて取り付いたのだ。いつかそれが全て集まり、強大な力を取り戻すためにな」

遊郭「厄介な話だな。」

阿修羅「実際、人間の歴史にも大分関わっている」

遊郭「何だと！？」

阿修羅「中国歴史に名を刻む最悪の皇帝、煬帝やナチスのヒトラー、日本では坂本龍馬を暗殺した人物、これら全てが悪意に取り付かれた者たちだ」


遊郭「…ってことは、ここで悪意を消さないと…」

天照「同じような歴史が繰り返されるってことになるわ」

遊郭「そうか…絶対許さねえ！その悪意って奴を、俺の熱い魂で焼き切ってやる！」

阿修羅「その前に、WDGに勝ち上がる必要があるな。悪意は強いデュエリストに取り付き、闇の力を与える。故に、悪意と戦うには決勝に行く必要があるだろう」

遊郭「ま、悪意ってのが無くたって、俺は頂点を目指すけどな」

阿修羅「フッ…その意気で頑張ってくれ、我が主よ」

そう言うと、阿修羅は姿を消した。

遊郭「しかし、数千にも別れてるなら、WDGだけじゃ全部は無理だな」

天照「そこは大丈夫よ。悪意は当時別れてただけて、今は何体か融合して、かなり数が減っているわ。そのぶん、強大にはなってるけどね」

遊郭「なるほどな…」

天照「まあ、最近悪意が消えたと言うなら、ネオドミノシティで起きた地縛神達ね。あれは悪意から生まれたものだから」

遊郭「そうなのか！？」

天照「ええ。地縛神は悪意の中でも特別な力を持ってる奴らなの。まあ、そのために我らの味方をしてくれたケッツァコアトルが、シグナーという形で対抗してくれてるから、大丈夫なんだけどね」

遊郭「そういうことだったのか…そういや、何で阿修羅はあんなに詳しいんだ？」

天照「阿修羅は悪意に取り付かれて、一度悪神になっちゃったのよ。私が倒して、正気に戻させたけど」

遊郭「え、でも阿修羅って、あまりの正義感の強さから、逆に悪神に堕ちたと神話には書いてあったけど…」

天照「あれは人間が動揺しないために作ったデマよ。」

遊郭「何だとー！？」

天照「あ、結構日本神話、デマ流して作ってるから、信じないようにね♡」

遊郭「ふざけんなー！」




天照「ともかく、WDGは明日から開催されるわ。このスターカードを5枚集めた人が、第2ステージに上がれるの」

遊郭「あれ、いつの間にそんなもの持ってたんだ？」

天照「貴方が学校のとき、私があなたに変装して登録してきたのよ。」

遊郭「ありがとうございます！…って、変装は無理だろ！？」


天照「神の力、舐めないでよね♡あなたに変化するのなんて、容易い御用よ」

遊郭「なんか神の力の使い方、間違ってるような…」

天照「と、とにかく！明日に備えてデッキの調整するわよ！」

遊郭「おう！でも、まずは風呂に入らせてくれー！前の話の序盤から言ってたのにまだ入ってねえんだからなー！」


続く…