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33:出揃った出場者 作:ほーがん
第33話「出揃った出場者」
それは、遠い記憶。光り輝く、カテドラル。しかし、輝きの裏には闇がある。深く暗い闇の中。そこへ追いやられた。這い上がろうとするも、蹴落とされ、踏みにじられる。
ならば、変えてやろう。全てを。無に返そう。こんな理不尽な世界など。
青く輝く命の星。灰色が続く大地の上、四本指の手を伸ばす。”あの星を、滅ぼしてやる”。これは警告だ。そう。我が物顔で闊歩する、六本指の者共へ。
それは、遠い記憶。過ぎた過去。しかし、まだだ。まだ諦めはしない。
・・・その程度で屈服させたと思うな。貴様の力は余の物だ。青き力は、まだ余の手に残されている。
さあ、蘇れ。雌伏の時はもうじき終わる。自らを縛る、久遠の鎖を解き放て。
二日目、三日目が終わり、バトルロイヤル最終日の夜。
屋敷のリビングに集まった遊牙達はそれぞれ緊張した面持ちだった。
「うぅ・・・遊牙、大丈夫かなぁ。私、16人の中に入れたかなぁ・・・。」
不安そうにルナが呟く。遊牙は優しく言った。
「ルナならきっと大丈夫だ。カケルや凛香も。」
カケルの提案で、発表の時までお互いのポイントを秘密にしている遊牙達は、落ち着かない様子でソファーに座っている。
「いよいよ明日か・・・。へへっ楽しみだぜ!」
「そうね、うん。楽しみ。」
溜め息をつく凛香。遊牙はそんな凛香に訊ねた。
「何かあったのか?」
もう一度溜め息を付いた凛香は遊牙に言った。
「三日目にして負けたのよ・・・。」
「お前が!?誰に!?」
驚いた様子でカケルが口を挟む。
「ジルのおじさんに・・・。はぁー・・・。」
遊牙は意外そうに言った。
「ジルが凛香に勝ったのか・・・!一体どんなデュエルをするんだ・・・。」
「ま、元気だせよ!ポイント無くなっちまった訳じゃないんだろ?」
カケルの言葉に凛香は頷く。
「そうね。落ち込んでても何も変わらないし。」
「凛香!笑って笑って!笑えば元気になれるよ!」
ルナが凛香の顔を覗き込む。凛香は思わず笑みをこぼした。
「ありがとうルナ。でも、そういうルナも笑顔が引きつってるわよ?」
無理に作った笑顔でルナは言った。
「だ、大丈夫!大丈夫!ちょっと不安なだけだから・・・。」
4人の元へガネリおばさんが近づいた。
「明日は出場者の発表なんでしょう?もう寝なさい。」
おばさんの言葉に遊牙が頷く。
「そうだな、もう寝よう。おやすみ皆。」
「そうね、おやすみ。」
凛香が立ち上がる。カケルとルナもそれぞれの部屋へと戻って行った。
「おやすみ、遊牙!また明日ね。」
手を振るルナに遊牙は応えた。
「ああ、おやすみルナ。」
同じ頃。
「わ、わかった!俺が悪かったよ!許してくれ!!」
青ざめた顔で男は叫んだ。
「ダメだ。僕はお前を許さない。やれ、《輝岩鎧竜ストーン・ドラグネス》!!」
ケンジの命令を受け、輝岩鎧竜は男に衝撃波を飛ばした。
「ぐあああっ!!!(LP2000→0)」
倒れ込んだ男を見てケンジは呟く。
「僕のカードを馬鹿にしたのが悪いんだ。」
男の腕からD・ディスクを取ると、ケンジは自らのD・ディスクに読み込ませた。
「これで最後か。早い三日間だったな。」
ケンジはD・ディスクの時計を見た。時間は23時58分を指していた。
「あと2分。もう流石に出来そうにないな。」
その時。ケンジの身体にあの痛みが走る。
「うっ・・・また・・・。」
ケンジはその場に膝を付いた。普段ならすぐに引くはずの痛みは長く続く。
「ああ・・・くっ・・・。」
『戦え。戦うのだ。』
痛みの最中、ケンジの頭にあの時の声が響く。
「お、お前は・・・。」
『貴様の苦しみ、怒り、憎しみが、余の復活の糧となった。もう少しだ。』
痛みはさらに増して行く。
「ああっ!!ぐっ・・・お前は・・・一体・・・。」
『余の名は、ノーン。貴様に与えたカードを通して得た生命力は、我が下僕たる龍に与えられる。』
「な、なんだっ・・・て・・・。」
『その代償として貴様の肉体は、じきに滅びる。』
「ふ、ふざ・・・けるな・・・。」
『しかし、まだだ。まだ足りぬ。戦え、戦い続けろ。貴様はもはや戦い無しでは生きて行けぬ。逃れることなどできはしない。』
「・・・僕は・・・お前の言いなりには・・・。」
『抗いなど意味を持たぬ。その身を持って糧となれ。その身が朽ちるまで戦い続けるのだ。』
「・・・仰せの・・・ままに。」
声が消えたと同時に、痛みは無くなった。そして、ついにケンジから表情が消える。
「戦わなければ。僕は戦い続けなければいけない。」
そして。いよいよ発表の時。
遊牙達はざわつくメインステージ前の会場に来ていた。
「ううっ・・・緊張する・・。」
表情のこわばったルナに遊牙は微笑む。
「大丈夫だ、ルナ。きっと入ってるさ。」
「あ、ほらマーナがステージに来たわよ!」
遊牙の肩を叩き、凛香はステージを指差した。
「全く、木嶋は何やってるのよ!倒れたって・・・大丈夫なのかしら・・・。とにかく、今日はワタクシ一人でも頑張るんだから!」
そう呟きながらマーナはステージに上がる。
「木嶋はどこへ行ったんだ・・・?」
遊牙が疑問をこぼす。ステージ上のマーナはマイクを握り、口を開いた。
「さぁ、待たせたわね!いよいよ本選トーナメント進出者の発表よ!!」
それと同時に歓声が上がる。
「バトルロイヤル開始時に説明したように、D・ポイントの多かった上位16名がトーナメントに進出するわ!皆、この三日間でたくさんデュエルしてくれたかしら!?」
「おお~!!」
マーナの言葉に一部から野太い声が上がる。
「マーナ、意外と人気なのね。・・・一部の層に。」
その声を聞き、凛香が呟く。
「それじゃあ、ドッキドキの進出者発表ターイム!!ポイント上位から発表するわよ!!まずはぶっちぎりで1位を独走した、この方!!」
マーナは手元の紙を見て言う。
「なんと総ポイント数、920ポイント!!来栖ケンジさん!!」
ステージ上のモニターにケンジの顔が映し出される。その表情はまるで固められたように動かない。
「ケンジが・・・1位・・・?あいつ、何があったんだ・・・?」
ステージの下、モニターを見たカケルが怪訝な顔で呟く。
「続いて、2位は・・・総ポイント数、650ポイント!!霧野遊牙さん!!」
モニターに遊牙の顔が映し出される。遊牙は突然大画面に映り、困惑した。
「すっごーい!!おめでとう遊牙!!」
自分のことのようにルナは飛び跳ねて喜ぶ。
「あ、ああ。ありがとう。」
「650って・・・はぁ、敵わないわね。」
凛香は笑って溜め息を付いた。
「さぁ、どんどん行くわよ!3位は総ポイント数、590ポイント!!出雲カゲロウさん!!」
モニターに映し出されたカゲロウは不敵に笑った。
「カゲロウ・・・。あいつもトーナメントに進出か。」
遊牙はモニターを見つめる。
「4位は570ポイント!リチャード・ベン・・・ってリチャード!?」
モニターに映し出されたリチャードは得意げに笑った。
「言っただろ!?この大会は”全員参加”がテーマだってな!」
呆れたようにマーナは言う。
「大会運営の責任者が4位ってどうなの・・・。ま、まぁいいわ!気を取り直して、第5位!520ポイント!ミシェル・アゼリアさん!」
映し出されたミシェルは小さく微笑む。
「ミシェルさんも参加してたんだ・・・。」
凛香は小さな声で言った。
「続いて6位!ポイントは500ポイント!ジル・カーターさん!!」
モニターに映されたジルはピースサインで言った。
「まっ、ざっとこんなもんよ!!」
凛香は思わず溜め息を付く。
「はぁ、まさかジルのおじさんがあんなに強かったなんて・・・。」
「まだまだ行くわよ!第7位!ポイントは460ポイント!海藤奈々さん!」
相変わらずの白ビキニ姿で、奈々はモニターに映し出された。
「ま、まだあの格好なんだ・・・。」
ルナは困惑した様子で呟いた。
「8位は、おっと僅差ね!450ポイント!カインズ・レイドーさん!」
モニターに、シルクハットを被ったマジシャンのような男が映る。
「さーて、お次は!9位!ポイントは390ポイント!仁ノ森カケル!」
マーナの言葉に、モニターに映し出されたカケルがぼやく。
「俺にはさん付け無しかよ・・・。」
「さぁ、気にせず行くわよー!第10位!350ポイント!牧瀬凛香さん!」
凛香はほっと胸をなで下ろした。
「よ、よかった・・・。」
遊牙は笑う。
「よかったな、凛香。あとはルナか。」
ルナは目を閉じて、呟く。
「お願いします・・・!」
マーナは発表を続ける。
「さーて10位以下の発表よ!果たして皆入れてるかしら!第11位!320ポイント!・・・ふふふ、ワタクシ!マーナ・グレアス!!」
得意げな顔でマーナは鼻を鳴らした。
「んふふ!さすがワタクシね!頑張ったんだから!パパー!見てるー!?」
「いいから続けろよ!」
ステージの下でカケルがつっこむ。マーナは不機嫌そうに言った。
「何よ!良い所だったのに!まぁ、いいわ!第12位!ポイントは300ポイント!七条レイカさん!」
モニターに映る和装の女性は、丁寧に頭を下げ一礼した。
「次は13位!290ポイント!豪徳寺源三さん!」
厳格な雰囲気の老人がモニターに映し出される。
「ラストスパート、一気に行くわよ!14位!270ポイント!相沢サトルさん!」
眼鏡を掛けた少年は、モニターに映し出され照れくさそうに笑う。
「あ、サトルくんだ。」
その顔を見た凛香が呟く。
「知ってるのか?」
遊牙の問いにリンカは頷く。
「ええ。一度デュエルしたの。中々話の分かる子だったわよ。」
凛香は含みのある笑みを浮かべた。
「15位!ポイントは250ポイント!新里チズさん!」
モニターに映し出された少女は小さく笑う。
「ううっ・・・私も!お願い、遊牙・・・!」
指を組み、願うルナ。遊牙は困った顔をする。
「(俺に願われても・・・。)だが、枠はあと一人。頼む、ルナを・・・!」
そして、マーナの口が開いた。
「そして!最後の16位は・・・!ポイント220!!ルナさん!!」
その言葉を聞いた瞬間、ルナが声を上げた。
「やったぁ!!やったよ、遊牙!!」
遊牙に抱きつくルナ。遊牙はそれを受け止め優しく言った。
「良かったな、ルナ!俺も嬉しいよ。」
それを横で見ていた凛香が遊牙の肩をつつく。
「・・ねぇ、遊牙。モニターに映ってるから。」
その言葉にルナと遊牙はステージ上のモニターを見た。
「はぅ!ああ、ええと!そ、その!」
赤面し、遊牙から離れたルナは慌てて顔を隠した。
『ははは!』
その様子に会場から笑い声が上がる。遊牙は困惑した。
「参ったな・・・。でも、ルナ。本当に良かったな。」
ルナは赤面しつつも笑顔を見せた。
「うん!私、頑張る!」
ステージ上でマーナは言った。
「さてさて!お熱い様子をじっくり見せてもらった所で、トーナメントの説明をさせてもらうわね!まず組み合わせだけど、くじ引きで決めるわ!引いたくじには、AからPまでのアルファベットが書いてあるから、AとB、CとDって感じで隣合わせの人が一戦目の相手になるわね!それじゃ、選ばれし16人よ!ステージへカモン!」
マーナの言葉を受け、入選した人々はステージに上がっていく。最後になったカケルは巨大なガチャガチャのような物を押しながら上がって来た。
「カケル、それはなんだ?」
遊牙の問いに、カケルが答える。
「これでくじ引きをやるんだよ。ったく、おいリチャード!お前が急にこんなもん作れって言うんもんだから、苦労したんだぜ!」
その言葉にリチャードは笑った。
「それで、こんだけのもの作れたんなら上等だよ!はっはっは!」
カケルは溜め息を付く。マーナは会場に向かって言った。
「これを一人ずつ回して、出てきたアルファベットで組み合わせが決まるわよ!まずは1位のケンジさんから!」
まるで命令を受けたロボットのように、ケンジは機械的な動きでガチャガチャのハンドルを回した。そして、出て来たカプセルを取ると、すぐに立っていた位置へ戻った。
「(ケンジの奴、なんか変だぜ・・・。)」
カケルは疑問を浮かべる。
「それじゃ、2位以下の方も続けて回して行ってね!」
マーナの言葉に合わせ、遊牙がハンドルを回す。そしてステージ上のメンバーは続けてハンドルを回し、カプセルを取って行った。
「よーし私の番!んしょっと!」
最後になったルナは両手でハンドルを掴むと、ゆっくり回した。
出て来たカプセルを拾うと、ルナは感動したのかキラキラした目でそれを見つめた。
「おお・・・!カプセル・・!」
ルナが取ったのを確認したマーナは、マイクを持って口を開いた。
「さぁ、皆!カプセルをオープン!」
その声に合わせ、全員がカプセルを開ける。その中には1文字のアルファベットが書かれた紙が入っていた。
「自分のアルファベットが出て来たかしら?それじゃあ、皆に見えるように紙を上げてね!」
ステージの出場者達が紙を掲げる。マーナはカケルに向かって言った。
「カケル!確認よろしく!」
「俺がやるのかよ!ええっと・・・」
全員の文字を確認するカケル。ステージを降り、その結果をコンピューターに打ち込むと、モニターにトーナメント表が表示された。
「おっと早速組み合わせが出たわね!結果はこうなったわよ!」
A:仁ノ森カケル
B:相沢サトル
C:七条レイカ
D:海藤奈々
E:ミシェル・アゼリア
F:出雲カゲロウ
G:牧瀬凛香
H:豪徳寺源三
I:リチャード・ベン
J:ジル・カーター
K:霧野遊牙
L:新里チズ
M:マーナ・グレアス
N:ルナ
O:来栖ケンジ
P:カインズ・レイドー
その結果を見た出場者達は、それぞれに違う表情を見せた。
「俺は、新里チズという子が相手か。」
遊牙の呟きに、ルナはハッとした顔で耳打ちする。
「あの子、結構強いから気をつけて!」
「ルナはデュエルしたことあるのか?」
ルナは頷く。
「なんかね、リバースモンスター?っていうの使ってくるよ!」
それを聞いた遊牙は笑った。
「リバースモンスターか・・・面白そうだな。」
カゲロウは笑ってミシェルに言った。
「はっはっは!まさか貴様が相手とは、面白くなってきたな!のう、ミシェルよ!」
ミシェルは澄ました顔で言う。
「まぁ、せいぜい努力するんだね。」
「はっは!ますます楽しみになってきたな!」
カゲロウは高笑いして言った。
一方、レイカは奈々に向かってお辞儀をした。
「わたくし、七条レイカと申します。どうぞ宜しくお願い致します・・・。」
奈々は困ったように笑う。
「よ、よろしく・・・。にしても・・・」
「どうかなさいました?」
レイカの服装を見て、奈々は言った。
「ねぇ、暑くないの?そんな着物姿で・・・。」
「わたくしはこの格好がとても落ち着くのです。あなたこそ・・・その・・・。」
奈々の姿を見たレイカは、顔を赤くした。奈々は答える。
「最近、急に日差しが強くなって暑いじゃない?だからしばらくは、この格好で居ようかなって。」
レイカは小さく言う。
「その・・・は、はしたない・・・と・・思います・・・。」
凛香は源三に声を掛けた。
「あ、あの〜・・・。」
目を瞑り腕を組んで立つ源三は、片目を開き凛香を睨んだ。凛香は思わず怯む。
「えっ!?あ、いや、よろしくお願いします・・・。」
源三は再び目を閉じ、呟いた。
「・・・よろしく頼む。」
凛香は溜め息をつく。
「(や、やりづらい・・・。)」
それぞれのやり取りが終わった後、マーナは会場に向かって言った。
「このトーナメントの優勝者はプロデュエリスト、通称『雷撃の貴公子』レイジ・ライラックさんとのデュエル権を得られるわ!それじゃあ早速、第一回戦!仁ノ森カケル選手VS相沢サトル選手のデュエル!・・・と行きたいのだけれど、色々準備があるから本選は明日からよ!今日はおしまい、皆また来てね!」
その言葉を聞き、会場から人が出て行く。マーナはマイクをステージの脇に置くと、しゃがみ込んで溜め息をついた。
「はぁ〜・・・つ、疲れたわ・・・。」
サトルはステージから去ろうとする凛香に声を掛けた。
「あ、あの!凛香さん!」
しかし、その直前にカケルが凛香に声を掛ける。
「凛香!どうだ、勝てそうか?」
「ん〜、ちょっとやりづらいかも・・・。」
「なんだそりゃ?」
二人は楽しげに話しながらステージを降りて行く。サトルは寂しげな顔でそれをただ見送った。
「り、凛香さん・・・。」
そして、16人の出場者はそれぞれの帰路へと付いて行った。
それと同じ頃。ホーガンとドレガンは木嶋の自宅で話を聞いていた。
「んで、そいつはクレイシアがどうとか言って、急にデュエルをふっかけて来やがったんだよ。」
木嶋の言葉を聞き、ドレガンは表情を変えた。
「何!?クレイシアだと!?」
「知ってるのか、ドレガン。」
ホーガンの問いに、ドレガンは答える。
「”クレイシア・ヨシト・カテドラル”・・・。月面王国”カテドラル”の第一王子の名だ・・・。」
その言葉を聞き、ホーガンは驚愕する。
「ヨシトの本名・・・!!つまり木嶋君を襲ったそいつは・・・!!」
ドレガンは頷く。
「おそらくは、月からの使者だろう。一体、何が起きようとしている・・・?」
深淵。永遠の眠りについたはずの龍。その鎖は今、崩れようとしていた。
次回第34話「男の戦い!サトルやります!」
それは、遠い記憶。光り輝く、カテドラル。しかし、輝きの裏には闇がある。深く暗い闇の中。そこへ追いやられた。這い上がろうとするも、蹴落とされ、踏みにじられる。
ならば、変えてやろう。全てを。無に返そう。こんな理不尽な世界など。
青く輝く命の星。灰色が続く大地の上、四本指の手を伸ばす。”あの星を、滅ぼしてやる”。これは警告だ。そう。我が物顔で闊歩する、六本指の者共へ。
それは、遠い記憶。過ぎた過去。しかし、まだだ。まだ諦めはしない。
・・・その程度で屈服させたと思うな。貴様の力は余の物だ。青き力は、まだ余の手に残されている。
さあ、蘇れ。雌伏の時はもうじき終わる。自らを縛る、久遠の鎖を解き放て。
二日目、三日目が終わり、バトルロイヤル最終日の夜。
屋敷のリビングに集まった遊牙達はそれぞれ緊張した面持ちだった。
「うぅ・・・遊牙、大丈夫かなぁ。私、16人の中に入れたかなぁ・・・。」
不安そうにルナが呟く。遊牙は優しく言った。
「ルナならきっと大丈夫だ。カケルや凛香も。」
カケルの提案で、発表の時までお互いのポイントを秘密にしている遊牙達は、落ち着かない様子でソファーに座っている。
「いよいよ明日か・・・。へへっ楽しみだぜ!」
「そうね、うん。楽しみ。」
溜め息をつく凛香。遊牙はそんな凛香に訊ねた。
「何かあったのか?」
もう一度溜め息を付いた凛香は遊牙に言った。
「三日目にして負けたのよ・・・。」
「お前が!?誰に!?」
驚いた様子でカケルが口を挟む。
「ジルのおじさんに・・・。はぁー・・・。」
遊牙は意外そうに言った。
「ジルが凛香に勝ったのか・・・!一体どんなデュエルをするんだ・・・。」
「ま、元気だせよ!ポイント無くなっちまった訳じゃないんだろ?」
カケルの言葉に凛香は頷く。
「そうね。落ち込んでても何も変わらないし。」
「凛香!笑って笑って!笑えば元気になれるよ!」
ルナが凛香の顔を覗き込む。凛香は思わず笑みをこぼした。
「ありがとうルナ。でも、そういうルナも笑顔が引きつってるわよ?」
無理に作った笑顔でルナは言った。
「だ、大丈夫!大丈夫!ちょっと不安なだけだから・・・。」
4人の元へガネリおばさんが近づいた。
「明日は出場者の発表なんでしょう?もう寝なさい。」
おばさんの言葉に遊牙が頷く。
「そうだな、もう寝よう。おやすみ皆。」
「そうね、おやすみ。」
凛香が立ち上がる。カケルとルナもそれぞれの部屋へと戻って行った。
「おやすみ、遊牙!また明日ね。」
手を振るルナに遊牙は応えた。
「ああ、おやすみルナ。」
同じ頃。
「わ、わかった!俺が悪かったよ!許してくれ!!」
青ざめた顔で男は叫んだ。
「ダメだ。僕はお前を許さない。やれ、《輝岩鎧竜ストーン・ドラグネス》!!」
ケンジの命令を受け、輝岩鎧竜は男に衝撃波を飛ばした。
「ぐあああっ!!!(LP2000→0)」
倒れ込んだ男を見てケンジは呟く。
「僕のカードを馬鹿にしたのが悪いんだ。」
男の腕からD・ディスクを取ると、ケンジは自らのD・ディスクに読み込ませた。
「これで最後か。早い三日間だったな。」
ケンジはD・ディスクの時計を見た。時間は23時58分を指していた。
「あと2分。もう流石に出来そうにないな。」
その時。ケンジの身体にあの痛みが走る。
「うっ・・・また・・・。」
ケンジはその場に膝を付いた。普段ならすぐに引くはずの痛みは長く続く。
「ああ・・・くっ・・・。」
『戦え。戦うのだ。』
痛みの最中、ケンジの頭にあの時の声が響く。
「お、お前は・・・。」
『貴様の苦しみ、怒り、憎しみが、余の復活の糧となった。もう少しだ。』
痛みはさらに増して行く。
「ああっ!!ぐっ・・・お前は・・・一体・・・。」
『余の名は、ノーン。貴様に与えたカードを通して得た生命力は、我が下僕たる龍に与えられる。』
「な、なんだっ・・・て・・・。」
『その代償として貴様の肉体は、じきに滅びる。』
「ふ、ふざ・・・けるな・・・。」
『しかし、まだだ。まだ足りぬ。戦え、戦い続けろ。貴様はもはや戦い無しでは生きて行けぬ。逃れることなどできはしない。』
「・・・僕は・・・お前の言いなりには・・・。」
『抗いなど意味を持たぬ。その身を持って糧となれ。その身が朽ちるまで戦い続けるのだ。』
「・・・仰せの・・・ままに。」
声が消えたと同時に、痛みは無くなった。そして、ついにケンジから表情が消える。
「戦わなければ。僕は戦い続けなければいけない。」
そして。いよいよ発表の時。
遊牙達はざわつくメインステージ前の会場に来ていた。
「ううっ・・・緊張する・・。」
表情のこわばったルナに遊牙は微笑む。
「大丈夫だ、ルナ。きっと入ってるさ。」
「あ、ほらマーナがステージに来たわよ!」
遊牙の肩を叩き、凛香はステージを指差した。
「全く、木嶋は何やってるのよ!倒れたって・・・大丈夫なのかしら・・・。とにかく、今日はワタクシ一人でも頑張るんだから!」
そう呟きながらマーナはステージに上がる。
「木嶋はどこへ行ったんだ・・・?」
遊牙が疑問をこぼす。ステージ上のマーナはマイクを握り、口を開いた。
「さぁ、待たせたわね!いよいよ本選トーナメント進出者の発表よ!!」
それと同時に歓声が上がる。
「バトルロイヤル開始時に説明したように、D・ポイントの多かった上位16名がトーナメントに進出するわ!皆、この三日間でたくさんデュエルしてくれたかしら!?」
「おお~!!」
マーナの言葉に一部から野太い声が上がる。
「マーナ、意外と人気なのね。・・・一部の層に。」
その声を聞き、凛香が呟く。
「それじゃあ、ドッキドキの進出者発表ターイム!!ポイント上位から発表するわよ!!まずはぶっちぎりで1位を独走した、この方!!」
マーナは手元の紙を見て言う。
「なんと総ポイント数、920ポイント!!来栖ケンジさん!!」
ステージ上のモニターにケンジの顔が映し出される。その表情はまるで固められたように動かない。
「ケンジが・・・1位・・・?あいつ、何があったんだ・・・?」
ステージの下、モニターを見たカケルが怪訝な顔で呟く。
「続いて、2位は・・・総ポイント数、650ポイント!!霧野遊牙さん!!」
モニターに遊牙の顔が映し出される。遊牙は突然大画面に映り、困惑した。
「すっごーい!!おめでとう遊牙!!」
自分のことのようにルナは飛び跳ねて喜ぶ。
「あ、ああ。ありがとう。」
「650って・・・はぁ、敵わないわね。」
凛香は笑って溜め息を付いた。
「さぁ、どんどん行くわよ!3位は総ポイント数、590ポイント!!出雲カゲロウさん!!」
モニターに映し出されたカゲロウは不敵に笑った。
「カゲロウ・・・。あいつもトーナメントに進出か。」
遊牙はモニターを見つめる。
「4位は570ポイント!リチャード・ベン・・・ってリチャード!?」
モニターに映し出されたリチャードは得意げに笑った。
「言っただろ!?この大会は”全員参加”がテーマだってな!」
呆れたようにマーナは言う。
「大会運営の責任者が4位ってどうなの・・・。ま、まぁいいわ!気を取り直して、第5位!520ポイント!ミシェル・アゼリアさん!」
映し出されたミシェルは小さく微笑む。
「ミシェルさんも参加してたんだ・・・。」
凛香は小さな声で言った。
「続いて6位!ポイントは500ポイント!ジル・カーターさん!!」
モニターに映されたジルはピースサインで言った。
「まっ、ざっとこんなもんよ!!」
凛香は思わず溜め息を付く。
「はぁ、まさかジルのおじさんがあんなに強かったなんて・・・。」
「まだまだ行くわよ!第7位!ポイントは460ポイント!海藤奈々さん!」
相変わらずの白ビキニ姿で、奈々はモニターに映し出された。
「ま、まだあの格好なんだ・・・。」
ルナは困惑した様子で呟いた。
「8位は、おっと僅差ね!450ポイント!カインズ・レイドーさん!」
モニターに、シルクハットを被ったマジシャンのような男が映る。
「さーて、お次は!9位!ポイントは390ポイント!仁ノ森カケル!」
マーナの言葉に、モニターに映し出されたカケルがぼやく。
「俺にはさん付け無しかよ・・・。」
「さぁ、気にせず行くわよー!第10位!350ポイント!牧瀬凛香さん!」
凛香はほっと胸をなで下ろした。
「よ、よかった・・・。」
遊牙は笑う。
「よかったな、凛香。あとはルナか。」
ルナは目を閉じて、呟く。
「お願いします・・・!」
マーナは発表を続ける。
「さーて10位以下の発表よ!果たして皆入れてるかしら!第11位!320ポイント!・・・ふふふ、ワタクシ!マーナ・グレアス!!」
得意げな顔でマーナは鼻を鳴らした。
「んふふ!さすがワタクシね!頑張ったんだから!パパー!見てるー!?」
「いいから続けろよ!」
ステージの下でカケルがつっこむ。マーナは不機嫌そうに言った。
「何よ!良い所だったのに!まぁ、いいわ!第12位!ポイントは300ポイント!七条レイカさん!」
モニターに映る和装の女性は、丁寧に頭を下げ一礼した。
「次は13位!290ポイント!豪徳寺源三さん!」
厳格な雰囲気の老人がモニターに映し出される。
「ラストスパート、一気に行くわよ!14位!270ポイント!相沢サトルさん!」
眼鏡を掛けた少年は、モニターに映し出され照れくさそうに笑う。
「あ、サトルくんだ。」
その顔を見た凛香が呟く。
「知ってるのか?」
遊牙の問いにリンカは頷く。
「ええ。一度デュエルしたの。中々話の分かる子だったわよ。」
凛香は含みのある笑みを浮かべた。
「15位!ポイントは250ポイント!新里チズさん!」
モニターに映し出された少女は小さく笑う。
「ううっ・・・私も!お願い、遊牙・・・!」
指を組み、願うルナ。遊牙は困った顔をする。
「(俺に願われても・・・。)だが、枠はあと一人。頼む、ルナを・・・!」
そして、マーナの口が開いた。
「そして!最後の16位は・・・!ポイント220!!ルナさん!!」
その言葉を聞いた瞬間、ルナが声を上げた。
「やったぁ!!やったよ、遊牙!!」
遊牙に抱きつくルナ。遊牙はそれを受け止め優しく言った。
「良かったな、ルナ!俺も嬉しいよ。」
それを横で見ていた凛香が遊牙の肩をつつく。
「・・ねぇ、遊牙。モニターに映ってるから。」
その言葉にルナと遊牙はステージ上のモニターを見た。
「はぅ!ああ、ええと!そ、その!」
赤面し、遊牙から離れたルナは慌てて顔を隠した。
『ははは!』
その様子に会場から笑い声が上がる。遊牙は困惑した。
「参ったな・・・。でも、ルナ。本当に良かったな。」
ルナは赤面しつつも笑顔を見せた。
「うん!私、頑張る!」
ステージ上でマーナは言った。
「さてさて!お熱い様子をじっくり見せてもらった所で、トーナメントの説明をさせてもらうわね!まず組み合わせだけど、くじ引きで決めるわ!引いたくじには、AからPまでのアルファベットが書いてあるから、AとB、CとDって感じで隣合わせの人が一戦目の相手になるわね!それじゃ、選ばれし16人よ!ステージへカモン!」
マーナの言葉を受け、入選した人々はステージに上がっていく。最後になったカケルは巨大なガチャガチャのような物を押しながら上がって来た。
「カケル、それはなんだ?」
遊牙の問いに、カケルが答える。
「これでくじ引きをやるんだよ。ったく、おいリチャード!お前が急にこんなもん作れって言うんもんだから、苦労したんだぜ!」
その言葉にリチャードは笑った。
「それで、こんだけのもの作れたんなら上等だよ!はっはっは!」
カケルは溜め息を付く。マーナは会場に向かって言った。
「これを一人ずつ回して、出てきたアルファベットで組み合わせが決まるわよ!まずは1位のケンジさんから!」
まるで命令を受けたロボットのように、ケンジは機械的な動きでガチャガチャのハンドルを回した。そして、出て来たカプセルを取ると、すぐに立っていた位置へ戻った。
「(ケンジの奴、なんか変だぜ・・・。)」
カケルは疑問を浮かべる。
「それじゃ、2位以下の方も続けて回して行ってね!」
マーナの言葉に合わせ、遊牙がハンドルを回す。そしてステージ上のメンバーは続けてハンドルを回し、カプセルを取って行った。
「よーし私の番!んしょっと!」
最後になったルナは両手でハンドルを掴むと、ゆっくり回した。
出て来たカプセルを拾うと、ルナは感動したのかキラキラした目でそれを見つめた。
「おお・・・!カプセル・・!」
ルナが取ったのを確認したマーナは、マイクを持って口を開いた。
「さぁ、皆!カプセルをオープン!」
その声に合わせ、全員がカプセルを開ける。その中には1文字のアルファベットが書かれた紙が入っていた。
「自分のアルファベットが出て来たかしら?それじゃあ、皆に見えるように紙を上げてね!」
ステージの出場者達が紙を掲げる。マーナはカケルに向かって言った。
「カケル!確認よろしく!」
「俺がやるのかよ!ええっと・・・」
全員の文字を確認するカケル。ステージを降り、その結果をコンピューターに打ち込むと、モニターにトーナメント表が表示された。
「おっと早速組み合わせが出たわね!結果はこうなったわよ!」
A:仁ノ森カケル
B:相沢サトル
C:七条レイカ
D:海藤奈々
E:ミシェル・アゼリア
F:出雲カゲロウ
G:牧瀬凛香
H:豪徳寺源三
I:リチャード・ベン
J:ジル・カーター
K:霧野遊牙
L:新里チズ
M:マーナ・グレアス
N:ルナ
O:来栖ケンジ
P:カインズ・レイドー
その結果を見た出場者達は、それぞれに違う表情を見せた。
「俺は、新里チズという子が相手か。」
遊牙の呟きに、ルナはハッとした顔で耳打ちする。
「あの子、結構強いから気をつけて!」
「ルナはデュエルしたことあるのか?」
ルナは頷く。
「なんかね、リバースモンスター?っていうの使ってくるよ!」
それを聞いた遊牙は笑った。
「リバースモンスターか・・・面白そうだな。」
カゲロウは笑ってミシェルに言った。
「はっはっは!まさか貴様が相手とは、面白くなってきたな!のう、ミシェルよ!」
ミシェルは澄ました顔で言う。
「まぁ、せいぜい努力するんだね。」
「はっは!ますます楽しみになってきたな!」
カゲロウは高笑いして言った。
一方、レイカは奈々に向かってお辞儀をした。
「わたくし、七条レイカと申します。どうぞ宜しくお願い致します・・・。」
奈々は困ったように笑う。
「よ、よろしく・・・。にしても・・・」
「どうかなさいました?」
レイカの服装を見て、奈々は言った。
「ねぇ、暑くないの?そんな着物姿で・・・。」
「わたくしはこの格好がとても落ち着くのです。あなたこそ・・・その・・・。」
奈々の姿を見たレイカは、顔を赤くした。奈々は答える。
「最近、急に日差しが強くなって暑いじゃない?だからしばらくは、この格好で居ようかなって。」
レイカは小さく言う。
「その・・・は、はしたない・・・と・・思います・・・。」
凛香は源三に声を掛けた。
「あ、あの〜・・・。」
目を瞑り腕を組んで立つ源三は、片目を開き凛香を睨んだ。凛香は思わず怯む。
「えっ!?あ、いや、よろしくお願いします・・・。」
源三は再び目を閉じ、呟いた。
「・・・よろしく頼む。」
凛香は溜め息をつく。
「(や、やりづらい・・・。)」
それぞれのやり取りが終わった後、マーナは会場に向かって言った。
「このトーナメントの優勝者はプロデュエリスト、通称『雷撃の貴公子』レイジ・ライラックさんとのデュエル権を得られるわ!それじゃあ早速、第一回戦!仁ノ森カケル選手VS相沢サトル選手のデュエル!・・・と行きたいのだけれど、色々準備があるから本選は明日からよ!今日はおしまい、皆また来てね!」
その言葉を聞き、会場から人が出て行く。マーナはマイクをステージの脇に置くと、しゃがみ込んで溜め息をついた。
「はぁ〜・・・つ、疲れたわ・・・。」
サトルはステージから去ろうとする凛香に声を掛けた。
「あ、あの!凛香さん!」
しかし、その直前にカケルが凛香に声を掛ける。
「凛香!どうだ、勝てそうか?」
「ん〜、ちょっとやりづらいかも・・・。」
「なんだそりゃ?」
二人は楽しげに話しながらステージを降りて行く。サトルは寂しげな顔でそれをただ見送った。
「り、凛香さん・・・。」
そして、16人の出場者はそれぞれの帰路へと付いて行った。
それと同じ頃。ホーガンとドレガンは木嶋の自宅で話を聞いていた。
「んで、そいつはクレイシアがどうとか言って、急にデュエルをふっかけて来やがったんだよ。」
木嶋の言葉を聞き、ドレガンは表情を変えた。
「何!?クレイシアだと!?」
「知ってるのか、ドレガン。」
ホーガンの問いに、ドレガンは答える。
「”クレイシア・ヨシト・カテドラル”・・・。月面王国”カテドラル”の第一王子の名だ・・・。」
その言葉を聞き、ホーガンは驚愕する。
「ヨシトの本名・・・!!つまり木嶋君を襲ったそいつは・・・!!」
ドレガンは頷く。
「おそらくは、月からの使者だろう。一体、何が起きようとしている・・・?」
深淵。永遠の眠りについたはずの龍。その鎖は今、崩れようとしていた。
次回第34話「男の戦い!サトルやります!」
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>ギガプラントさん
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お二方コメントありがとうございました。 (2015-07-23 18:42)