黒咲「クロサキクッキング」　作：ナス

遊矢「暇だな」

柚子「うん」

遊矢「テレビでも付けるか」

柚子「そうね」ﾋﾟｯ

黒咲『クロサキクッキンーグ！ 』ｲｪｰｲ

遊矢＆柚子「は？」



黒咲「ーー今日も鉄の意志と鋼の強さを胸に、俺の手料理を伝授するぞ！……いや、その前にゲストの紹介だ。俺の唯一無二の親友、ユートだ！」

ユート「…………」ﾍﾟｺﾘ


黒咲「よろしく頼むぞ、ユート。さて早速だが、今日のメニューはコレだ、ジャジャン！」

［エクシーズネギトロ丼］

黒咲「…………」

ユート「…………」

黒咲「おい、ユート！」ﾋｿﾋｿ

ユート「なんだ？」

黒咲「台本通りにリアクションをしろ！生放送だぞ！」ﾋｿﾋｿ

ユート「ああ、すまない……ゴホン、エクシーズネギトロ丼だと！？」

黒咲「そうだ！これは普通のネギトロ丼と半熟卵でオーバーレイ・ネットワークを構築する、至極の一品……お子様にも喜んでもらえる汎用性の高さもある。早速作るぞ！」

ユート「…………」

黒咲「おい！」

ユート「あっ、えーと……美味しそうだな」

黒咲「そうだろう。よし……まずはメインの材料からだ。マグロのトロを好みの量だけ用意しろ。多すぎず、少なすぎず……冷凍の場合は水で解凍しなければならない。下手に加熱すると、マグロステーキのように固くなってしまうぞ！」

ユート「あ、なるほど……」ﾎﾞｿﾘ

黒咲「今回は冷凍のトロなので、流水で解凍する。その間に用意するものは、長ネギだ。これを輪切りにする！なるべく薄く切ることを心がけろ！」ﾄﾝﾄﾝﾄﾝ

ユート「上手いな隼。そういえば、璃の包丁さばきもかなりのものだったが……瑠璃に習ったのか？」

黒咲「そうではない、逆だ。俺が瑠璃に教えた」ﾄﾝﾄﾝﾄﾝ

ユート「！？」

黒咲「このくらいだな……よし、続いては半熟卵だ！たっぷりのお湯を用意して卵を茹でるように……目安は５〜６分といったところだ」

ユート「…………」



遊矢「黒咲があんなに料理上手だなんて……」

柚子「へぇ〜勉強になるわね」ﾒﾓﾒﾓ

素良「何見てるの？二人とも」

遊矢「黒咲が料理番組をやってたんだよ」

素良「へぇ…はあぁ！？」



黒咲「ーーよし、トロもいい感じの柔らかさだ。では続いて、タレを作るぞ！」

ユート「タレか。醤油でもいいとは思うが、今回は何を使うんだ？」

黒咲「（いいぞユート！）無論、メインは醤油だ。そこに隠し味として、市販の麺つゆを少し入れる」ﾄｸﾄｸﾄｸ

ユート「麺つゆだと！？」ｶﾝ☆ｺｰﾝ!

黒咲「半熟卵もできたな……さぁ、クライマックスだ！」

ユート（疲れた……）

黒咲「炊きたてのホカホカご飯を皿に盛る。中心に凹みを作るようにすると、盛り付けが映えるぞ。次に、トロを乗せる。先ほどの凹みを利用し、盛り付けていけ！そして、刻んだネギを乗せる。さらに半熟卵を乗せ、海苔を散りばめる。タレをかけて、完成だ！」

ユート「おお……！」ｺﾞｸﾘ

黒咲「お好みでわさびや、シソの葉を散らしてもいい。さぁユート、召し上がれ！」

ユート「いただきます」ﾋｮｲﾊﾟｸ

黒咲「どうだ？鉄の意志と鋼の強さが感じられるだろう！」

ユート「美味しいぞ、隼。ただ……」

黒咲「ただ……なんだ？」

ユート「これ、普通のネギトロ丼じゃーー」

ﾌﾞﾂｯ



遊矢「…………」

柚子「…………」

素良「…………」飴ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

遊矢「……え？終わり？」

完